濃度計のツボ
蛍光分光濃度計
01測定条件
カラーマネジメントに必要なカラーチャート
CMYKのベタを管理する場合には、各色のスポット測定で問題ありません。しかし、カラーマネジメントを行う際は、色域全体の評価やICCプロファイルの作成や色調整のために、1000から1800程度のカラーパッチを並べたカラーチャートを測定する必要があります。
チャートの要素
チャートのレイアウトは、基になるCMYK%の組合せ、パッチの数、パッチのサイズ、並び順、ギャップの有無、測定器の種類などによって決まります。
チャートの規格と種類
一般によく使われる標準的なチャートは、ISO(国際標準化機構)によって「ISO 12672」として規格化されています。現在、「IT8.7/3」、「ECI2002」、「IT8.7/4」などがあります。
チャートには、パッチが規則的に並んでいるビジュアルチャートとランダムに並んでいるランダムチャートがあります。オフセット印刷では横方向にムラが出やすいため、ムラの影響を緩和できるランダムチャートの使用が適しています。
新しい国際規格が登場
従来のチャートは、チャートの中に同じパッチが複数個あり、測定値が異なる場合がありました。最近、これを改善するためにIT8.7/4を基に、同じパッチをひとつにし、IdeallianceP2P51xチャート内のブラック単色と混色グレイのスケールを追加したTC1617(IT8.7/5)が作られ、国際規格として採用されています(ISO12642-3)。
※チャートは、名前が同じでも測定器や制作者によってレイアウトが異なります。
測定器とソフトにより測定できるチャートが決まるので注意が必要です。
手測りが困難なチャートには自動測定器を使用
パッチ数の多いチャートを手作業で計るのは困難なため、自動的に測れる測定器が開発されています。チャートが前後に動き、測色センサーが左右に動くタイプと、チャートをベッド上に固定し、測色センサーが前後左右に動くタイプの2種類があります。
一般的にスキャンタイプの測定器はスピードが速いのですが、スポットタイプに比べて精度が落ちます。
「MYIRO-9」は、スポットタイプの自動測定器でありながら、スキャンタイプ以上の測定スピードを実現しています。
測定に必要な定義ファイル
チャートを測定器で測るには、パッチのCMYK%値と並び順を指定する定義ファイルが必要です。定義ファイルには測定ソフトによっていろいろなフォーマットがあります。一例としてCGATSテキスト形式の一部分を挙げます。
定義ファイルには、作成者が「SampleID」という項目でパッチに番号を付けています。どんなランダムなチャートでも、元のSampleIDをそのまま付けておけば、これを基に並び替えを行い、結果を比較できます。
濃度計のツボ コンテンツ
03印刷の基礎
04印刷標準化
05認証制度
06目視観察条件
07カラーマネジメント
08モニタ
09ペーパーインデックス