属人化の防止、生産性の向上につながる、文書管理の基本から実際の流れまでをまとめました。これから始める方も、うまくいっていない方も基本を学ぶ必読の1冊です。
こんにちは!ドキュメントグループのHirayamaです。
さて、前回の記事では保管文書ゼロの取り組みの背景と具体的な取り組みのうち、「ルール」と「システム」についてお話いたしました。後編となる今回は「人」の取り組みと取り組み後の効果についてご紹介いたします。
目次
「ルール」「人」「システム」の3つの視点で改善(つづき)
<人>:ルールを遵守させるための普及活動と体制の構築全国からプロジェクトメンバーを選出し、説明会を実施
ルールとシステムを変えて終了という訳ではありません。この出来上がった仕組みをいかに浸透させるかが一番難しく、そして労力がかかるところだと思います。
今回このプロジェクトを反映した運用を開始したのが、2016年8月からでした。そのため当年4月から、運用方法の検討を始めとした運用開始前までの必要な準備を始めていきました。全社での取組であったため、この内容を全国各地へ広めなくてはいけません。そこで、本プロジェクトメンバーが北海道支社から福岡の九州支社まで全国を訪問し、各支店・支社に選出していただいた各地域の代表者に対して説明を行いました。
プロジェクトの目的を丁寧に説明し続けることで取り組みの理解を促進
最初は各支店の社員のほとんどから、今回の取組を「また本社が変なことを言い始めたよ」という目で見られていました。また「複合機をメインにしている会社が、なぜ自分たちの食いぶちを減らすことをやるのか」という強い反発も一部ありました。しかし決してそこで上から押さえつけるのではなく、今回のプロジェクトの目的や会社として目指したい方向性、そして今回の取組が必ず業務の効率化になることを伝えました。また運用開始前にファイリングの整備も一緒に進め、ほとんど利用していなかった文書を見ることで、いかに無駄な文書を多く保管していたのかを感じてもらい、日々の業務のやり方を見直す必要性があると感じてもらうことができました。紆余曲折はありましたが、このような活動を地道に進めることで、何とか運用開始の8月に間に合わせることができました。
ルール厳守のための組織づくりと教育体制を構築
そして運用開始を機にルールを遵守させる体制を構築しました。まず人事総務統括部長をトップに据え、文書管理の運用責任部門を総務部、そして各部門に文書管理責任者(所属部門の文書管理運用における総責任者)と文書管理実行責任者(所属部門内における日々の文書管理運用を所属メンバーへ指示を行う)を任命しました。各部門の文書管理責任者と文書管理実行責任者は、年1回の集合教育と上期下期にそれぞれ1回ずつ参加しています。また、部門内の文書管理状況をセルフチェックし、運用責任部門の総務部へ報告しています。