「事務所に紙が積まれてスペースがない」、「ため込んだ紙をどうしたらよいか分からない」。そんなお悩みをお持ちの方向けに、2013年から働き方改革に取り組み、全社オフィスの紙を86%削減したコニカミノルタジャパンの『文書削減のプロ』が、紙文書削減の効果的な進め方をわかりやすくまとめました!
こんにちは!ドキュメントグループのHirayamaです。オフィス移転はそれだけで社員の皆様の意識変革に効果的なものですが、同時に社内の紙文書を見直すことでさらに効果を高めることができます。コニカミノルタジャパンでは、紙に縛られない働き方を目指して2015年から約2年間にわたり「保管文書ゼロ」の取り組みを行いました。この取り組みは、紙文書の削減にとどまらず、紙を発生させない仕組みづくりまで全社で行ったものです。今回を含む全2回の連載で活動内容の振り返りと実施効果、そしてプロジェクト完了の2017年から約2年が経過した現在の取組内容をご紹介させていただきます。
目次
紙に「縛られた」働き方から脱却!生産性向上を目指したプロジェクト
まずは、「保管文書ゼロ(ドキュメントストックゼロ)」の取組の背景について少しご説明します。コニカミノルタジャパンでは、2013年からコミュニケーションの改善や生産性向上を目指し、ICTツールの整備、コミュニケーションが取りやすいオフィスレイアウトの変更(フリーアドレス化、コミュニケーションスペースの増床)を行ってきました。しかし業務のやり方に目を向けると、日常の業務処理は紙文書中心であり、コミュニケーションの改善や生産性向上の視点からすると非効率な運用が見受けられました。また当社ではテレワークの導入を検討していましたが、紙中心の働き方ではどうしても「働く場所」に縛られてしまい、会社に行かないと仕事が出来ないという環境でした。この状況を憂慮した当時の社長が「紙に縛られた働き方からの脱却」を掲げ、この課題解決に向けた専任の組織を立ち上げ、活動を始めました。
「ペーパーレス」は目指さない
プロジェクト開始時にプロジェクトメンバーと決めたことは「ペーパーレスを目指すことはやめよう」ということでした。一見本プロジェクトの内容と矛盾しているかに見えますが、メンバーとプロジェクトゴールの方向性について議論するうちに、「完全に紙を無くすことが出来れば、今回のプロジェクトの目的であるコミュニケーションの改善や生産性向上に繋がるのだろうか」という素朴な疑問が浮き上がってきました。例えばですが、会議で売上予算の達成状況を確認する際、プロジェクターで写したエクセルの予算表を見せるよりも、A3用紙で出力した方が断然見やすく、そして分かりやすいかと思います。やはり紙には紙の便利さというのがあり、これを否定しまって完全に紙を出さないやり方(紙の印刷→悪いこと)にすると逆に非効率になるのでは、という結論に至りました。
そこでプロジェクト実現の方向性として
・基本的には電子中心のワークスタイルに変えていく
・ただし紙を使って便利な所は使い、利用用途が終わったらすぐに廃棄する。
この2点を念頭に入れながら、プロジェクトを進めていきました