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フリーアドレスを導入しやすい企業・導入しにくい企業
フリーアドレスはあらゆる企業にとって最適解とは限りません。業務内容や従業員の働き方、使用する機器などの種類によっては、フリーアドレスが導入しにくいケースも想定されます。フリーアドレスを導入しやすい企業と導入しにくい企業の特徴を押さえ、自社にとって適したオフィスのスタイルかどうかを見極めてください。
フリーアドレスを導入しやすい企業の特徴
次の条件に該当する企業では、フリーアドレスを比較的導入しやすいと考えられます。
・出社率が低い(外勤の社員が多い・リモートワークを推進しているなど)
・部署をまたぐ業務が多く発生する(複数部署が関わるプロジェクトが多い企業など)
・ペーパーレス化・クラウド化を推進している
ペーパーレス化・クラウド化に関しては、フリーアドレスを導入するにあたって必要になるケースが多いと考えられます。働く場所を問わずどこからでも情報を閲覧・共有できるようにするには、紙の文書よりもデータ化された文書のほうが扱いやすいからです。
フリーアドレスを導入しにくい企業の特徴
反対に、次の条件に該当する企業では、フリーアドレスを導入しにくいと感じたり、導入するメリットを十分に得られなかったりする可能性があるため注意してください。
・出社率が高い(原則として常に全員が出社する企業など)
・機密文書や紙の文書を扱う機会が多い
・デスクトップPCや固定電話が必須
持ち歩きが可能なノートPCのほうがフリーアドレスに適しているため、デスクトップPCが必須の場合にはフリーアドレスを導入しにくいことが想定されます。クリエイティブ系の職種や電話対応が多い事務職のような職種に関しては、席を固定するのが現実的でしょう。
フリーアドレスを導入する手順
フリーアドレスを導入する際の具体的な手順について解説します。準備すべきこと・検討すべきことを押さえ、計画的に進めていくことが大切です。
1. 目的を明確にする
フリーアドレスの導入は、あくまでも自社の「理想」や「ありたい姿」を実現するための手段です。自社にとっての課題を明確にし、課題を解決する手段の1つとしてフリーアドレスの導入を位置づけましょう。
たとえば「コミュニケーション」に課題を抱えている場合、フリーアドレスを導入することで社員が会話を交わす機会自体は増える可能性があります。一方で、話す必要のある社員が今どこにいるのか確認できなくなってしまうようでは本末転倒でしょう。課題を元に導入目的を絞り込み、具体的な解決策へと落とし込んでいくことが重要です。
2. 導入する範囲を決める
フリーアドレスは全社に導入するのが得策とは限りません。業務内容によっては、フリーアドレスが導入しにくい部門も存在する可能性があるからです。業務の実態を踏まえて、適切な導入範囲を決めましょう。
全社でフリーアドレスを導入するのが難しい場合には、部門やグループ単位で座席を選べるようにする「グループアドレス」の導入も検討しておくことをおすすめします。固定席のほうが都合がよい部署に関しては、現状通り固定席とするのも1つの考え方です。
3. 座席数を決める
フリーアドレスの導入範囲が決まったら、対象となる社員の在社率や業務内容を元に必要な座席数を算出します。たとえば、対象となる社員80人のうち在籍率の平均が70%であれば、必要な座席は56席です。在社率は時期や繁忙状況によって変動する可能性があるため、在社率が最も高い時期と最も低い時期を加味して算出しましょう。
4. 運用ルールやシステムを決める
フリーアドレスを運用していくにあたって、必要なルールを策定していきます。
《運用ルールの例》
・席の固定化を防ぐためのルール
・私物の扱いに関するルール
・機密情報の扱いに関するルール
策定したルールは必ず明文化し、社員に周知徹底を図りましょう。その際、フリーアドレスを導入する意図や目的を丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。その上で、フリーアドレスを効果的に運用していくためのルールとして上記を共有しましょう。
5. 必要な設備を導入する
策定したルールに従ってフリーアドレスを運用するにあたり、必要な什器や機器をリスト化します。共同で利用するテーブルなど、従来のオフィスにはなかったものについては新たに購入することになるでしょう。
社内ネットワークへの接続には基本的に無線LANを使用するため、電波が届く範囲や同時接続台数に適した機種・台数の機器を導入する必要があります。フリーアドレスに移行することで利便性を損なうことのないよう、機器の選定には十分に注意してください。
6. 継続的に検証する
フリーアドレスの導入をゴールとするのではなく、運用開始後も継続的に検証していくことが重要です。社員アンケートやヒアリングを定期的に実施し、フリーアドレス移行後に発生する課題に一つひとつ対処していきましょう。
課題の抽出と改善を繰り返していく中で、フリーアドレスのメリット面をより効果的に引き出していくことが検証の目的です。課題の検証と改善案の検討を継続的な取り組みにしていくためにも、オフィス運営委員会を設置することをおすすめします。
まとめ:フリーアドレスの導入は
専門業者への相談がおすすめ
フリーアドレスの導入により、固定席のオフィスでは実現が難しかったさまざまなメリットを得られます。一方で、フリーアドレスには特有のデメリットや注意点も存在するため注意が必要です。メリット面を効果的に引き出せるよう、自社に合ったフリーアドレスの導入方法を検討する必要があるでしょう。
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