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フリーアドレスの導入前に解決すべきこと

フリーアドレスの導入で失敗する原因は、いくつか考えられます。例えば、収納に関することもそのひとつです。書類や備品などの管理は企業セキュリティに関わる重要事項ですが、フリーアドレス導入を成功させる重要なポイントでもあります。
- ペーパーレスなどのDXを進めておく
特に紙文書を多く扱うオフィスなら、オフィスレイアウトの変更よりも先にこちらの課題に取り組むべきでしょう。なぜなら、フリーアドレスになるとデスクの上や引き出しなどが個人の資料の保管場所として使えなくなるためです。紙文書の保管や検索に関する課題が改善されないままでは、オフィス内が煩雑になるうえ、生産性が低下してしまう恐れがあります。
ただし、紙文書をゼロ化する必要はありません。フリーアドレス制のオフィス業務に適した収納グッズを活用したり、文書の仕分けルールを作成したりするなどの対策を取りましょう。
文書の仕分けでは、紙とデータのどちらで保存するかの判断を的確にすることがポイントです。紙のストックをやめて、必要なときに出力して利用するストックレスの取り組みも大切です。
- 社内への現状の課題・目的の周知徹底
フリーアドレスを導入するということは、単に座る席が自由になる ということだけではありません。従業員がより働きやすくしたり、生産性を向上させたりなど、経営目線からも大きな意味合いを持っています。そのため、フリーアドレスを導入する目的や意味合い、背景などをしっかりと従業員に説明し、納得の上で制度を導入することが重要です。
- フリーアドレスの導入を内部で行うか、専門家に依頼するか決める
フリーアドレスの導入をスムーズに進めるためには、オフィスレイアウトや動線など、工夫すべき点が多くあります。また、前述の通り、紙資料の収納スペースを削減したり、ペーパーレス化を進めるなど、取り組まなければならない課題があります。
こういった課題に対しては、すでに専門業者によって多くのサービスが提供されています。コストと労力から試算するなどして、業者に依頼することと自社で対応できることを見極める必要があります。
コニカミノルタジャパンでは、ペーパーレス化も含めたオフィス改善のプロがご相談に乗ることも可能です。フリーアドレスの導入やペーパーレス化の推進に関しては、ぜひご相談ください。
こちらの記事も参考にしてください。
フリーアドレス導入後の対策・取り組み

フリーアドレス導入後の失敗として、いつも同じ席に座る社員がいる、親しい社員同士が近くの席に集まってしまう、などがありがちです。
フリーアドレス導入の大きな目的のひとつは、多様な人材との交流やコミュニケーションの活性化などです。このことを意識しながらフリーアドレスの導入に取り組めば、オフィス環境の改善や生産性の向上なども含め、成功に向かうことでしょう。
フリーアドレス導入後の課題を整理すると、次のような項目が考えられます。
・社員が所在不明になることで混乱する
・資料等の収納場所がなく雑然とする
・座席が固定化する
・帰属意識が喪失する
・業務に集中できない
また、目的を意識することについて先ほど触れましたが、“フリーアドレス導入”が目的ではない、という点にも注意が必要です。導入前後での変化や効果を把握するとよいでしょう。
たとえば、オフィス運営委員会を発足し、社内アンケートを通して課題を把握、そして改善策の検討・実施を行うことで、スパイラルアップを図れます。
こちらの記事も参考にしてください。
フリーアドレスを進化させるABW

フリーアドレスの次の段階としては、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)という考えが浸透してきました。これは、働く場所や時間を、それぞれの仕事に合わせて選べる、柔軟で生産性の高いオフィスを実現する取り組みです。
例えば、外部からの刺激を遮断し作業に没頭できる席を設けたり、議論を活発にする場や創造的な仕事場、そして特殊な機能や環境が用意された場を設けたりします。そのため、担当する業務やその日の仕事内容によって、利用するスペースが決まっていきます。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
コニカミノルタジャパンのオフィスでもABWを導入しております。オフィス見学ツアーも実施していますので、ABWを検討中の企業様はお気軽にお問い合わせください。
まとめ フリーアドレス導入ではDX推進と目的を明確にする取り組みが成功のカギ!

本記事では、フリーアドレス導入を失敗させないための予防策を中心に解説してきました。フリーアドレスの導入にはさまざまな事柄が関係しており、取り組むべきことは多岐にわたりますが、本記事内で紹介してきた課題を解決することで、大きく改善されるかもしれません。
フリーアドレス導入で失敗する原因は、大きく2つに分けられます。
ひとつは、ペーパーレスやペーパーストックレス、ICT活用などを含むDX推進が不十分であること。もうひとつは、フリーアドレス導入の目的を明確にし、それを経営層だけでなく全従業員に周知する取り組みが不十分であることです。
本記事をフリーアドレス導入の検討材料として、あるいは改善策の立案のヒントとして、お役立ていただければ幸いです。
フリーアドレスの目的から導入手順のほか、“全員でのフリーアドレスは難しい” という場合の選択肢、導入後の課題と解決策までまるっとご紹介!オフィス改善のヒントに、ぜひご覧ください。
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