フリーアドレスの目的から導入手順のほか、“全員でのフリーアドレスは難しい” という場合の選択肢、導入後の課題と解決策までまるっとご紹介!オフィス改善のヒントに、ぜひご覧ください。
中堅~大手企業を中心にリモートワークが当たり前になりつつあります。この状況は、新型コロナウイルス感染症が収束しても、継続されると考えてよいでしょう。
オフィスに目を向けると、従来の固定席からフリーアドレス制へと大きく変化させる企業が増加しました。コロナ禍以前の状態に戻るとは考えにくく、オフィスに対してはさらに機能性や快適性が求められるようになることが予想されています。
このような状況のなかで、オフィスにはどのような機能や役割が必要であると皆様はお考えでしょうか?本記事を通して、この疑問に対してご一緒に考えてみませんか?
目次
働き方の新たな選択肢 ハイブリッドワーク
テレワークとオフィスでの働き方を考えるにあたり、双方のメリットをあわせもつハイブリッドワークが注目されています。
コワーキングスペースを展開するWeWorkジャパンによると、「オフィス勤務とテレワーク勤務の両方が認められている人」は、22年時点で55.6%に上ります。
同調査によると、ハイブリッドワークという働き方は、多くの従業員が魅力的であると感じており、その理由としてはストレスのない環境であること、家族との時間やワークライフバランスといった時間の活用方法に関することが挙げられています。
また、リモートワークによる柔軟性が好まれる一方で、出社することによる仕事の効率性やオフィスでのコミュニケーションの重要性も再認識されています。
テレワークでオフィスのあり方はどのように変わったのか?
テレワークの導入やDX推進により、オフィスのダウンサイジングを進める企業が増えました。働き方改革の一環として、フレックスタイム制度を導入したり、通勤時間や移動時間を削減する取り組みとしてサテライトオフィスを拡充したりしながら、本社を移転し規模を縮小しています。
「働き方改革関連法」は2019年4月1日から順次施行されています。少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、育児や介護との両立など、労働環境の改善と多様化への対応が求められていくのは間違いありません。
ただし、テレワークを積極的に推進している企業にとっても、完全テレワーク化は困難です。企業活動の拠点として対外的な窓口となり、社外の方との商談をはじめ、社員で集まってブレインストーミングを行いたい時やリアルでコミュニケーションを取りたい時、あるいはより業務に集中したい時などのためにオフィスは必要です。こうした明確な目的をもったオフィス出社が、今後広がるとみられます。
一方、働く場所や時間などの自由度を高めるとともに、業務環境を重視するABW(Activity Based Working)も注目されています。
多くの企業では、テレワークの浸透とともに従来の固定席からフリーアドレスへ移行し、オフィスのダウンサイジングやライトサイジング(適正化)を実現しています。フリーアドレスはオフィス面積の効率化とコスト削減、そして席の自由化や保管場所の省スペース化など、業務環境の最適化を主な目的にしています。一方、ABWはオフィス内の環境改善や多様化などが目的です。さらに、働く場所として社外まで対象範囲を広げます。
新型コロナウイルス感染症の流行を機に、オフィスのあり方は大きく変わりました。そうしたなか、政府は2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザと同等の「5類」へ変更することを正式に決定。テレワークやハイブリッドワークを実施していた企業でも、出社が増えることを見越し、再び広いオフィスへの移転を検討するケースも見られています。
ただ、コロナ禍以前の状態に完全に戻るとは考えにくいでしょう。テレワークやサテライトオフィスの利用などは継続され、オフィスに対しては機能性や快適性などがこれまで以上に求められそうです。そして、ABWの考え方も浸透していくと考えられます。
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