「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい！新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。
働き方改革や新型コロナウイルス感染症などの影響により、多様な働き方が求められるようになってきた現代において、オフィスのあり方もまた変わってきています。今の時代に即した機能をもち、かつ「おしゃれな」オフィスレイアウトとはどのようなものなのでしょうか。本記事では、オフィスレイアウトの基本的な考え方を抑えながら、機能的でおしゃれなオフィスレイアウトについて、事例も交えて解説します。
目次
事務所をおしゃれにレイアウトするコツ
「おしゃれな事務所」を作るには洗練したセンスが必要だと考えている方が多いかもしれません。センスの重要性は間違いありませんが、一定の法則・コツがあります。ここでは4つを紹介します。
リラックス効果のある色や素材を取り入れる
一般的にリラックス効果がある色は、茶色や緑などの自然色（ナチュラルカラー）だといわれています。青などの寒色系は清潔感・開放感を、緑色や茶色などの中性色系は高級感・落ち着き・緊張緩和を、オレンジなどの暖色系は活発性やエネルギー感を表現できます。素材は天然素材を使えば高級感や落ち着いた感じを表現できますが、最近は人工素材でも十分にリラックス効果のあるデザインを作れます。
シンプルで整理整頓しやすくする
表現するデザインに特殊性があったり、世界観を表現するために設置する備品が多くなったりする場合があります。しかし複雑になるほど、人の好みでおしゃれと感じるかどうかが左右されやすくなります。逆にシンプルで洗練されたデザインは、多くの人を惹きつけます。またシンプルな方が整理整頓などの管理がしやすく、オフィスの清潔感を維持することにも役立ちます。事務所はあくまで勤務空間であって、掃除や整理に手間がかかるものではいけません。
コーポレートカラーや企業イメージを取り入れる
事務所は企業の世界観を最もわかりやすく表現できる場所です。レイアウトを工夫すれば、来訪者に向けて企業が大事にしていることを説明しやすくなります。また従業員も毎日その空間に身を置くことで、企業の世界観を五感から理解しやすくなるでしょう。多くの企業がコーポレートカラーを事務所で意識的に使うなど、積極的に世界観を表現するための工夫をしています。
洗練されたデザインの家具を取り入れる
事務所のレイアウトにおいて、フローリングや壁・照明などは重要な要素ですが、家具も重要な役割を担っています。従業員や来訪者が意識的に見るものの多くは家具であり、家具のデザインが洗練されているかどうかで、事務所に対するイメージが変わるといっても過言ではありません。レイアウトを検討する際は、家具を含めて調和の取れたデザインをするように意識しましょう。
おしゃれな事務所の事例10選とこだわりポイント
ここからはコニカミノルタジャパンが手がけたオフィスの中で、おしゃれなオフィスを10事例ピックアップして紹介していきます。
企業のアイデンティティーを表現
西濃シェンカー様
貨物ロジスティクスを展開する西濃シェンカー様は、ブランドスタイルである「多種多様な地域」を感じられるグラフィックをあしらったデザインを取り入れました。人と人、人とモノ、さらには世界に夢を届けるというテーマで、リニューアルされたオフィスです。世界を駆け巡る航空輸送や海上輸送を手がける同社らしく、ブランドスタイルである「多種多様な地域」を感じられるグラフィックをあしらい、企業のアイデンティティーを表現しています。ポップでカジュアルながら、機能性にも配慮し、シームレスに働ける空間になっています。
居心地よく人が集まりやすいオフィス
旭化成ネットワークス様
宮崎県延岡市でデータセンター運用事業を手がける旭化成ネットワーク様は、自然あふれる九州・延岡をイメージしたグラフィックも取り入れ、地元への思いを表現したデザインにしています。機能面では、さまざまな場面で利用できるオープンな打ち合わせスペースや、ガラスを採用し圧迫感なく内外の空間を分けるなど、「Collaboration」と「Connection」をコンセプトとして、居心地よく人が集まりやすい事務所になっています。
ストーリー性を意識し、開発現場を再現
ビーネックステクノロジーズ様
技術者人材事業を展開するビーネックステクノロジーズ様は、人材の研修・教育から旅立ちまでを表現するデザインを事務所に取り入れました。半導体の製造に使われる実機を設置したり、工場や開発の現場を表現しており、来訪者を案内して事務所内を回遊することで、研修内容を具体的に説明しやすいレイアウトにしています。この空間は、会社の世界観や事業内容の表現だけでなく、研修生のリクルーティングも意識しています。
テレワークではできないコミュニケーションを実現
東京化成工業様
試薬の製造販売を手がける東京化成工業様は、「“集う”オフィス」と題して、従業員同士のコミュニケーションを促すレイアウトを積極的に取り入れつつ、目的別に異なるデザインの空間に仕上げました。たとえば、リラックスしたコミュニケーションをしやすいカジュアルな空間や、カウンターテーブルを設置して偶発的なコミュニケーションを促す空間に仕上げています。また試薬会社ならではのデザインも使いながら、清潔感と信頼感を与える空間も作りました。
社員の思いに寄り添ったデザイン
三井物産ケミカル様
塗料や樹脂などの化成品を扱う三井物産ケミカル様は、かつてのイメージを覆す明るく洗練された雰囲気のデザインを目指しました。従来の島型のデスクレイアウトを大きく変えて、先進的なABW（Activity Based Working）を軸に据えて、フリーアドレス制も導入しました。当初は大きな変更に戸惑う従業員も多かったそうですが、「他部署とのコミュニケーションが増えた」「以前よりもワクワクした気持ちで出社できる」といった前向きな反響が多く寄せられたそうです。
オープンで“明るい”オフィス
コクサイエアロマリン様
国際物流業務を手がけるコクサイエアロマリン様は、シンプルかつモダンをベースに、間仕切り窓からの光や木目を効果的に取り入れたデザインを採用しました。テーマは「出社したくなるオープンで”明るい”オフィス」です。自然光が入る明るいエリアをリフレッシュエリアにするなど、従業員同士の明るいコミュニケーションを実現するための工夫を凝らしています。
木材やタイルをふんだんに使った空間
ネットワールド様
ICT事業を展開するネットワールド様は、まるで本物のカフェのようにこだわりぬいた空間を作り、従業員をもてなす姿勢を明確に示しています。テーマは「大人の隠れ家」です。限られたスペースに小さなアイデアを多くちりばめ、入った瞬間からワクワクするように作っています。社内懇親会やソロワークなど、幅広い用途で使える居心地のよい空間です。
多様性と一体感を表現
アイキューブドシステムズ様
スマートデバイス向けソリューションの開発を手がけるアイキューブドシステムズ様は、限られたスペースの中で、働くシーン別に多様な空間を作り上げています。多様性をもたせつつも、事務所としての一体感、清潔感、機能美を表現しており、従業員にとっても働きやすい空間になっています。
自然と交流が生まれる公園のようなオフィス
東光電気工事様
内線事業を展開する東光電気工業様は、「公園にいるようにのびのびと！自分らしく！」をコンセプトに、グリーンカラーを調和の取れた形で、積極的に取り入れています。観葉植物やグリーンの装飾のほか、床や天井にも森林をイメージした色味を使用しました。フリーアドレスにして、オフィスをシンプルで開放的な雰囲気に仕上げつつも、大きな変化に抵抗感がある従業員への配慮もしており、固定席も一部残すといった社内調和も意識しています。
持続可能な未来を築くオフィスデザイン
日本船主責任相互保険組合様
船主の相互保険事業を行う日本船主責任相互保険組合様は、大事にしている2つの軸を表現するデザインを実現しています。1つ目が部署や役職を越えたコミュニケーション、2つ目が環境への配慮（サスティナビリティ）です。フリーアドレスにしてコミュニケーションの活性化を促しつつ、サウンドマスキングで自分や同僚の声が気にならなくなる工夫も凝らしました。また植栽を多く取り入れたり、漁網を活用した什器を採用したりするなど、環境を意識するアイデアも取り入れています。
まとめ
ポイントをしっかり押さえたデザインをすれば、おしゃれな事務所を作ることができます。そこに自社ならではの世界観や従業員への思いを反映することで、唯一無二の事務所ができあがるのです。従業員も来訪者も愛着がもてるオフィスこそ素敵なオフィスといえるはずです。ぜひ皆様にとっての「おしゃれ」とは何なのか、検討してみてはいかがでしょうか。
コニカミノルタジャパンは、コンセプト・空間・デザイン・社内インフラ整備など、オフィス移転・リニューアルに必要な作業を、お客様と伴走型で取り組むサービスをご提供しています。
「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい！新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。
