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生産性改善のための具体的な施策例
製造業の生産性改善に向けた取り組みの参考となる、具体的な施策例を紹介します。
安全にも配慮した動線:人の往来をデザインする
製造業では工場にオフィスが併設されている場合が多く、人の往来がひんぱんにある企業も少なくありません。その場合、工場とオフィスの動線をスムーズにすることも生産性改善の重要なポイントとなります。
アクセスのしやすい場所や角度であること、また汚れのつきやすい工場の場合には自動ドアが必要となることもあります。安全に配慮したデザインであり、工場とオフィスの連動性についての最適化を図ることで、双方で働く従業員の生産量向上への貢献が期待できます。
現場の作業効率向上:作業効率を図りやすい工夫をする
現場のペーパーレス化促進も、生産性向上に大きな効果が期待できます。記載済み図面のデータ化、各種書類のペーパーレス化により、リアルタイムでの共有が可能となり、キーワードによる検索が容易になります。仕様書の確認、機械操作やトラブル時の対処、部品や部材の在庫確認、出庫・返品のチェックなど、現場の作業効率化を多角的に進めることが可能です。
労働力不足に対応できる柔軟な働き方・多様性を享受する環境:自由度の高い働き方へ対応する
働き方改革の推進と女性、若年層を考慮した環境整備などが、労働力不足改善に向けた取り組みです。働きやすい職場環境を実現することにより、若年層の採用や優秀な人材の確保・定着を促します。
製造業のように製造現場とオフィス業務が分かれている企業では、全社一律の制度の実施は現実的ではありません。ある事業者の成功事例では、工程やセクションごとのチームによって、成果達成に取り組んだ結果、生産性向上・残業削減が実現しました。別の事業者でも同様に、デスクワーク、工場、研究所、営業所などの各現場に合った取り組みを導入し、有給休暇の取得促進や長時間労働の抑制を進めています。
有給休暇取得率、女性育児休暇取得率の向上、従業員の意見聴取の機会創出、会議の時間短縮など、企業をあげての取り組みが、労働力不足という高いハードルを越える力に変わっていきます。
ストレス緩和のための環境整備:併設オフィスのゆとりをデザインする
工場併設のオフィスでは、オフィス業務がメインとなる企業に比べ、コストと機能面重視の設計が多くなりがちです。しかしどのようなオフィスにも、心にゆとりを持てる環境を整備することが、社内の人間関係の円滑化や従業員の心身の健康を保つために大切なポイントとなります。
ストレスの多い職場は、思わぬ事故を生み出す原因ともなりかねません。工場併設という通常とはやや異なる条件にあるオフィスでは、特にストレス緩和策を講じる必要があります。
例えば、視覚的ないやし効果もあるグリーンの設置、アロマの香りによるリラックス効果、気軽に会話ができるカフェスペース、業務から離れてオフの状態になれるリラックススペースなど、心にゆとりをもたらす環境の整備が、企業全体の生産性向上に影響する可能性もあります。
工場併設オフィスの事例については、以下の記事で詳しく解説しています。
社員のモチベーションUPをかなえる倉庫一体型オフィス」
生産性向上への取り組みでは企業全体を俯瞰する視点が重要
日本の基幹産業である製造業界も、時代の流れとともに変革を余儀なくされています。今後も継続的に生産性を高めていくためには、単に自動化するだけではなく、生産現場と営業・管理部門やバックオフィスとの連携を緊密にすることも重要です。また、女性や若年層などの多様な人材に活躍してもらえる環境整備も、生産性向上への大きなポイントといえるでしょう。
コニカミノルタでは、多様な労働環境に対応し、新しい働き方の実現に必要なITや業務フローの構築も含めて提供しています。新たな製造業のあり方を模索するうえで、参考となる事例も多数公開しています。
働き方改革と生産性向上に向けた取り組みに、ぜひご活用ください。
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