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国の経済の根幹を支える製造業では、生産性の向上が喫緊の課題とされています。一方で、ニューノーマル時代を視野に入れた働き方改革の推進も重要な課題です。オフィス内の業務が主体の一般的な業界とは異なり、製造業では、工場での現場業務が仕事のなかで大きな比重を占めています。製造業で、生産性の維持・向上と新しい働き方の両立ははたして可能なのでしょうか。今回は、製造業における生産性の向上と働き方の改善について、解決の方向性を探っていきます。
目次
日本の製造業は生産性が低いといわれる背景
国レベルで諸国と比較した場合、日本の生産性の低さが課題とされています。製造業の現場においても、事情は変わりません。はじめに、日本の製造業の生産性の現状を解説します。
製造業の生産性の現状
製造業は、日本においてGDP・就労人口ともに全体の2割程度を占める重要な基幹産業です。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年前半以降、売上高は急速に悪化しました。2022年の時点では、感染前の水準に戻っていないものの、回復傾向が見える位置にあります。
さまざまな社会的要因の影響下にあって、有効求人倍率は好調を示しています。一方、人材不足数は年々高まっており、解消の好材料は見つかりません。働き手の不足を補うためには、1人当たりの生産性を向上させるのがもっとも効果的な方法です。下記は時間当たりの労働生産性を比較した表です。
※公益財団法人日本生産性本部「OECD諸国の労働生産性の国際比較」より引用
2021年発表のデータ によると、2020年の日本の時間当たり労働生産性は49.5ドル(5,086円/購買力平価換算)で、OECD加盟38カ国中23位でした。また、2019年の日本の製造業の労働生産性は95,852ドル(1,054万円/為替レート換算)で、OECD加盟主要31カ国中18位でした。いずれの数字を見ても、加盟国中の中位より低い位置にいる状況です。
各企業では、この現状を放置しているわけではありません。富士電機が全国の製造業従事者を対象に行った調査「製造業における働き方改革・生産性向上に関する調査2019」によると、製造業において、働き方改革・生産性向上に関する取り組みを行う事業者は半数以上を占めています。働き方改革への具体的な取り組みとして、「長時間労働の是正」「業務効率化」に加え、「生産性の向上」をあげる企業も多く見られます。
生産性の劇的な上昇という成果はいまだ確認されないものの、働き方改革の推進と生産性向上を両立・同時進行させようとする姿勢が感じられます。
一方で、ものづくりの長い歴史を持つ業界内では、既存設備の老朽化が大きな課題となっています。改善の希望が見えない慢性的人材手不足とともに、重くのしかかる課題への解決策を模索し、悩む経営者は多いと考えられます。