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新しいスペースを作り出すには?
オフィスのレイアウトを変えたり、休憩スペースやカフェなどを設けたりしたいと考えても、そもそもスペースが足りないので実行できない……というケースもあるでしょう。しかし、場所づくりも工夫次第。例えば、書類保管用の棚が大きな面積を占めている場合、文書電子化を行えば、保管用の棚を置くスペースを減らせるでしょう。また、複数の社員が同じ種類の分厚い資料をそれぞれ持っている場合、使用頻度が低ければ、1冊か2冊を共用にするなどの工夫もできるでしょう。屋上やロビーといったスペースを活用したり、給湯室を改装したりする方法もあります。そのほかにも、さまざまな工夫ができるかもしれません。「新しいスペースを生み出すには?」という目線で一度職場を見回してみてはいかがでしょうか。
社員の意見を吸い上げる
なかには、「現在のレイアウトでも社内コミュニケーションは十分にうまく行っている」という職場もあるでしょう。しかし、一見活気あふれるオフィスでも、コミュニケーションが取りにくいと悩んでいる社員の声が届いていないだけということも。現場の本音を探るために、アンケートを実施するのも一案です。また、レイアウト変更後も、実際にコミュニケーションを取りやすくなったか、活発に議論できる職場になったかといった点について、社員のフィードバックをもらい、さらなる職場環境の改善につなげるのもよいでしょう。
「WORKTECH18 Tokyo」から見るオフィスの変化
上述したようなオフィスレイアウトの変更が、社内において何らかの変化を起こすことは分かっていても、実際にどんな手法が成功しているのか、気になる担当者も多いかもしれません。実際の活用例として、2018年4月に開催された「WORKTECH 18 Tokyo」で紹介された最新のオフィス情報をチェックしてみましょう。
WORKTECHとは、イギリスのUnwired Ventures社が主催するカンファレンスで、ワークスタイルの変革に注目し、不動産やワークスペース、テクノロジーの活用法などを提案するというもの。2018年には、国内初となる東京開催となり、「働く“人”にフォーカスし、人とワークプレイスとの関係性を重視する」という視点からさまざまな講演やパネルディスカッションが行われました。いくつか注目される事例を紹介します。
柔軟で多様なレイアウトのポイントは「コントロール」にあり
The WORKTECH Academyディレクターのジェレミー・マイヤーソン氏が提案するオフィスづくりのポイントのひとつが「コントロール」にあるとのこと。座席を自由に選べるのはもちろん、デスクの高さやイスの種類といった細かい点まで、社員自身がコントロールできる環境をつくることで、社内環境の活性化とともに生産性の向上につながるとしています。働き方を選択でき、さらにオフィス自体もフレキシブルに選択できることで、働ききやすい環境につながります。
社員への感謝を伝えるレイアウト(自動車配車サービスUber社)
ウェブサイトやアプリを利用し、配車サービスの利便性を高めたUber社では、空間デザインが人に与える影響を重視し、オフィス内のインテリアにこだわることで社員への感謝を表現しています。コミュニケーションの活性化は、社員同士だけでなく、企業と社員の関係においても求められるものです。Uber社では、リビングルームのような執務スペースがあり、壁紙や家具の質にこだわることで、企業が考える社員への思いを形にしました。