オフィス内での活発なコミュニケーションを実現するには、実は空間設計のあり方がとても重要! デスクの向き一つで、人の行動や心理は大きく変わるんです。 本資料では、「部門間交流」や「活発な会議」など、課題別に最適なレイアウト、空間設計のアイデアを紹介します!
社内コミュニケーションはパフォーマンス発揮に直結!
活性化のための最新アプローチ&2社の実践事例を語り合いました
こんにちは!空間デザインチーム プロモーション担当 Ooga です。
2022年9月5日、イトーキさまをゲストにお迎えし、
“パフォーマンス向上のための社内コミュニケーションの活性化”
をテーマにトークセッションを開催しました!
社内コミュニケーションとパフォーマンスの関係とは?
課題解決のための有効なアプローチ方法とは?
2社の具体的な経験談を交えながら、お伝えします!
目次
働き方改革の最前線を走る3名がトーク!
ファシリテーターを務める、コニカミノルタジャパン 奈良です。
2021年の本社移転プロジェクトでは、働き方改革推進を担当し、現在は営業部長としてお客様への提案活動を行っています。
それでは、スピーカーの2名をご紹介します。
コニカミノルタジャパンの星野です。
デザイングループのリーダーを務めており、本日ご紹介する自社オフィスのデザインや、お客様のオフィス構築に携わっています。
本日は、イトーキ 佐々木さんをゲストにお迎えし、色々話をしていきたいと思っています!
イトーキ 商品開発本部の佐々木です。
私はイトーキのプロダクトのうち、デジタル系のサービスを担当しており、特に健康経営やウェルビーイング関連の研究・開発を行っています。
本日はよろしくお願いします。
何のためのコミュニケーション活性化?パフォーマンス向上につなげるには
社内コミュニケーション×パフォーマンスの関係
社内コミュニケーションは、多くの会社が抱えている課題だと思います。
しかし、「なぜコミュニケーションを活性化する必要があるのか」
「活性化した結果、どういう効果が得られるのか」という本質的なところまでは、あまり掘り下げられていないのではないでしょうか。
イトーキ 佐々木さんに詳しくお伺いしましょう。
社内コミュニケーションの活性化による恩恵は、 創造性向上やイノベーション創出などさまざまです。 その中でも本日は特に、イトーキが研究し、着目しているワーカー個人と組織のパフォーマンス向上を切り口にお話ししたいと思います。
パフォーマンスの定義はさまざまありますが、イトーキでは、
「組織や個人が持っている能力が発揮されている度合い」としています。
特に、働き手が減っていく今の日本においては、社員一人一人の“パフォーマンス”向上は最優先のテーマとなっています。
本来の能力が発揮されていない=パフォーマンスが低い、という状況は、大きな経済的損失にもつながります。
佐々木さんによると、そのような「パフォーマンスが発揮できていない状態」を
学術的には「プレゼンティーイズム」と呼び、アブセンティーズム(欠勤)や医療費を上回る損失となっているそうです。
欠勤時よりも、出勤時の不調による損失の方が大きいとは驚きですね。
「プレゼンティーイズム」とは、ちょっと聞き慣れない言葉ですが、具体的にどういう状態を指すのでしょうか?
腰痛、肩こりや感染症、アレルギーなどの体の不調、そして心の不調です。
近年の研究では、ソーシャルコンディション、つまり人間関係がパフォーマンスの発揮に大きな影響を与えることが分かってきています。
まさに今回のテーマ、「社内コミュニケーション」に関わる部分ですね。
パフォーマンスを左右する要因は、大きく3つに分かれるそうです。
・組織のコンディション
・心のコンディション
・身体のコンディション
ワークスタイル(働き方・働く環境)におけるコミュニケーションのあり方は、
組織のコンディションと心のコンディションに大きく影響しているといいます。
「パフォーマンスとはそもそも何か」
「パフォーマンスと社内コミュニケーションはどう関連しているか」が分かったところで、具体的にどう課題に向き合っていけばよいのか、みていきましょう。
課題解決のための重要ポイント
実際にコニカミノルタでも、テレワークによるコミュニケーションのやりづらさが、業務に支障をきたしていました(下図参照)。
しかし、改善しようとしてもなかなか難しいですよね。
課題の優先順位がつけづらかったり、現場の実態に寄り添っていなかったり…。
コニカミノルタでは、そういったさまざまな課題を分かりやすく紐解きながら、
オフィス空間を構築していく、独自のフレームワーク「プログラミングデザイン」を提案しています。
課題をしっかり抽出・整理し、そのうえで働き方やオフィスのあり方を考えるというロジカルなアプローチです。
例えば、
・現状課題の把握:サーベイや空間利用調査により、現状の働き方の実態を明らかに
・社員参加型のインプット:勉強会やオフィス見学ツアーを実施し、ビジョンを明確化
・社員参加型のアウトプット:ワークショップや、社内向けアンケートの実施
・ワークスタイル検討:6つの行動特性で分類・整理し、職種や業務に応じた適切なワークスタイルを定義
など。
それぞれの企業の働き方に寄り添ったアプローチ、とてもよいですね。お客様からは、どういったご相談が一番多いのでしょうか。
今回のテーマにあるような、社内コミュニケーションのご相談もよくありますね。
しかし、立ち返ってみると、コロナ禍を受けて働き方改革の見直しが進んだとあって、「オフィスに出社することの意味」を考えているお客様が多くいらっしゃるな、と感じます。
コミュニケーション活性化のための、2社の最新アプローチ
ここからは、より具体的な改善の取り組み例として、
・コニカミノルタの実践事例
・イトーキの最新研究データ
について、詳しくお話いただきたいと思います。
コニカミノルタ:
リアルコミュニケーションのニーズを、オフィスデザインの工夫で満たす
コニカミノルタは、2014年の本社オフィス大規模移転を機に、2013年に働き方改革プロジェクトが発足。
また、コロナ禍を受けて、2021年には浜松町本社オフィスをABW化。
オフィスならではの役割、人とひとのつながりを生む「つなぐオフィス」としました。
私たちコニカミノルタも、新しいオフィスづくりに向けて
社内のワークショップやアンケート調査を重ねてきました。
自社のワークスタイルを分析し、機能や役割に応じた7つのエリアを設けています。
特に、社内コミュニケーションに関わるエリアが、
「High Collaboration」、「High Creativity」、「High Community」です。
「つなぐオフィス」がオープンしてから1年ほど経った今。
社員向けのアンケートからは、興味深い結果が出たそうです。
調査の結果、約半数の社員が「テレワークでもチームワークは高められる」と感じながらも、実際は、対面コミュニケーションを目的にオフィスに出社していることが分かりました。
まとめると、まさに“ハイブリッドワーク”の実現ですね。
テレワークで十分な業務を整理しつつ、出社の重要性を理解し、必要に応じて選択できている。
そのような環境を構築することが、円滑なコミュニケーションにもつながっていると感じます。
また、ABWの導入により、コミュニケーションが活性化したという調査結果も。
「これは非常に大きな投資対効果」と語る星野さん。
実際にどのような活用がなされているのでしょうか。
一番人気は、目的に応じてレイアウトや家具を選べるオープンスペース。
次に、ハイカウンターの座席エリア。座っている人と立っている人の目線が合うので、会話がしやすいんです。
3番目は会議室。壁やテーブルがホワイトボードになっていて、アウトプットや情報共有がしやすい工夫がなされています。
こういった機能や体験は、リアルのオフィスだからこそ実現できたのではと思います。
つなぐオフィスには、他にもさまざまなエリアや工夫たくさんあります。
気になった方は、ぜひオフィス見学ツアーにお越しください!
東京の他、全国6拠点でも開催中です。
イトーキ:
パフォーマンス/コミュニケーションの状態を定量的に分析
コニカミノルタさんのお話のように、施策を考え実行した後は「実際どういった成果・結果だったか」を検証する必要があります。
イトーキでは、組織や個人のパフォーマンスを可視化するツールPerformance Trailを開発しました。
こちらの開発背景などを踏まえながら、パフォーマンス向上の評価についてお話ししていきます。
Performance Trailは、イトーキが開発した
社員アンケートを通してパフォーマンスを可視化するクラウドサービスです。
社員個人だけではなく、組織全体のパフォーマンススコアも算出します。
パフォーマンスに影響を与えるコンディションを可視化。
さらに、コンディションに影響している因子を特定するなど、問題の原因も明らかに。
結果は個人・管理者・管理部門の各階層にフィードバックされ、
浮き彫りになった課題に対して、それぞれで取り組めるような仕組みになっています。
「コミュニケーション」の項目をさらに分解してみると
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)
ザッソウ(雑談・相談)
があることが分かります。
今回注目したいのは、「ザッソウ」の方です。
イトーキが実施した調査によると、コロナ禍においても、業務関連のコミュニケーション(ホウレンソウ)には大きな変化が見られませんでした。
一方で、業務外のコミュニケーション(ザッソウ)に関しては気になる結果が。
交流ツールの導入が進んでいるものの、在宅勤務時の雑談量はオフィス出社時に比べて激減。
ツールを導入しただけでは、「ザッソウ」コミュニケーションの増加にはつながらないことが分かりました。
解決策のひとつとして、在宅勤務時に不足しがちな挨拶や雑談を、オフィスで補完する環境や仕掛けづくりが有効といえます。
また、コミュニケーション活性化における総務の心得も。
「人」を起点に、「人(のパフォーマンス)を良くするための取り組みである」
というメッセージングが、社内外の理解を得るのに役立つとアドバイスいただきました。
「ザッソウ」コミュニケーション、とても印象に残りました。
オンラインコミュニケーションが増えてきた中で、決められた人と、決められた時間に…と最適化されすぎてしまうのが悩ましいところですよね。
やはり、偶発性やイノベーション、新たな気づきといったものは、リアルな会話から生まれてくるものだと思います。
こういった視点が、今後の働き方やオフィス空間をつくる上で重要になってきますね。
参加者からのQ&A
参加者のみなさまからも、たくさんのご質問をいただきました!
その一部をご紹介します。
Q:「コミュニケーション活性化」と「パフォーマンス」の計測方法について教えてほしい!
「パフォーマンス」は、回答者本人の主観で回答してもらいます。
学術的にはそれだけでも妥当性があると言われています。
Performance Trailでは、より正確性を高めるために、「コンディション」から予測されるパフォーマンスの値を加味しています。
自分ではパフォーマンスが出ている!と思っていても、コンディションが悪ければ、実はそこまで発揮できていないのでは…といったところまで分析します。
これは、イトーキだけでロジックを構築したのではなく、弊社が経済産業省「健康経営オフィスレポート」制作の事務局を務めた際に、専門家・研究者と共にまとめた理論や効果モデルがベースになっています。
コニカミノルタの「つなぐオフィス」では、座席予約システムを通して、利用後のアンケートを取得しています。
利用してみてどうだったか、という社員のフィードバックを蓄積しながら、オフィスの効果測定や改善につなげています。
作ったら作りっぱなしにしない、ということが大事です。
Q: 「ハイフォーカス(集中)」エリアを弊社も導入しました。高集中環境を提供する一方で、コミュニケーションの活性化と相反するという指摘も。
その点をどのように整理していますか?
なぜオフィスに出社するのか?という目的が周知・理解されているかによると思います。
例えば、家庭の環境でテレワークが難しい場合に活用してもらう、など。
ソロワークブースの活用が定着したら、コミュニケーションエリアの活用は別の問題として、次のステップとしてどうしていくかを分けて考えた方がいいですね。
コミュニケーションがしやすい、したくなるような環境が、本当に実現できているかどうか考える必要があると思います。
「出社させる」「コミュニケーションさせる」ではなく、自然と出社やコミュニケーションが促される設えになっているかどうか。
ハード面だけではなく、ソフト面での視点も重要ですよね。
パフォーマンス向上やコミュニケーション活性化に取り組みたい!という方へ
具体的な改善に落とし込みづらい、パフォーマンス向上やコミュニケーション活性化の課題。
今回は、効果的なアプローチや向き合い方について、最新情報を交えながらトークを交わしました。
とはいえ、自社内だけで取り組むのはとても大変ですよね。
「ぜひやってみたいけれど、何から始めればよいのか…」
「具体的にどういったサポートができるの?」
という方は、まずはお話をお聞かせください!コニカミノルタ、イトーキがお力になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
さいごに
今回は、「パフォーマンス」や「コミュニケーション」といった
少し抽象的なテーマにトライしました。課題感はあるものの、根本原因がとらえづらく、もどしかしい思いをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな難しい問題も、ハード・ソフトの工夫や、データの活用で道筋が見えることが分かった今回。今後のよりよい働き方実現に向けて、希望が持てる内容でした!
佐々木さまはじめ、ご協力いただいたイトーキの皆様、本当にありがとうございました!
オフィス内での活発なコミュニケーションを実現するには、実は空間設計のあり方がとても重要! デスクの向き一つで、人の行動や心理は大きく変わるんです。 本資料では、「部門間交流」や「活発な会議」など、課題別に最適なレイアウト、空間設計のアイデアを紹介します!