プロが教える!紙文書削減の進め方のコツ
オフィスに紙があふれスペースがなく、捨てたいのだけど何から手を付けたらよいかわからない。そんなお悩みにこの1冊。紙削減のやり方から効果測定までプロの技をお伝えします。
こんにちは!文書管理ソリューションを担当しているTarumiです。
コニカミノルタでは、オフィスデザインや移転の際に重要なポイントとなる社内にある文書管理に関しても専門に取り扱っています。オフィス内の文書管理は課題が多くあるため、まずはどこから取り組んでよいかわからないという声を多く聞きます。しかしながら、正しく文書管理を行うことで、オフィススペースの削減や情報共有の効率化など様々なメリットがありますので、ぜひ取り組んでおきたいテーマです。
文書管理をテーマとした第1回となる今回は、紙文書の削減と文書管理改善の概要についてのお話です。
目次
組織における文書管理の必要性
最近、公文書の改ざんや不存在などの問題をきっかけとして、公文書管理の厳格化が求められています。主権者に対する正確な説明責任などの点から求められているといえます。
このことは公的な組織にだけ要求される事でしょうか。民間の組織であってもステークホルダー(利害関係者)に対して説明責任を果たす必要があります。また、官民を問わず、法律や社内の規程などから、一定期間の保存が求められている文書ですが、保存だけではなく、有効に活用できるような状態にしておくことで、文書が持っている情報の価値を最大限に活用し、知識の継承、業務の効率化などにつなげることができます。このような点から、全ての組織において適切な文書管理が求められているといえます。
文書管理上の課題
前述した文書管理の重要性については、よく知られていることだと思いますが、多くの組織でその的確な運用が課題となっていると思います。以下のような事項が課題として頻繁に挙げられています。
(文書管理の課題の例)
- 文書が多い
- 必要な文書をすぐに探すことができない
- 知識・情報の継承ができない
- 文書管理のきまり(規程等)はあるが、守られていない
弊社には文書管理の改善についてのご相談を頂く機会も多いのですが、ご担当者の方からは、「いつ取り組んだいいのか」、「どのように取り組んだらいいのか」「どこから手を付けたらいいのか」などが分からないということをよくお聞きします。
文書管理改善の第一歩は「削減」
文書管理の改善を考えた時、まずどこから手を付けたらいいのでしょうか。文書管理の現状によっていろいろと考えられますが、経験上、まずは文書の削減をお勧めすることが多いです。改善にあたっては、保有する文書の正確な把握が必要になりますが、保存期間が経過して廃棄できる文書、コピーした参考資料、現在は使わない以前の担当者の資料など本来オフィスになくていい文書が保管されていないでしょうか。不要な文書をオフィス内から取り除いた上で、現状保有している文書を把握するようにしましょう(場合によっては、先に現状を把握した後に文書の削減を行うことがあります)。
オフィス移転、レイアウト変更は紙文書の削減の絶好の機会
文書管理の改善への取組は、課題として感じられた時から始めて頂く事が望ましいことはもちろんですが、何か機会がないと組織として取り組みにくいこともあるかと思います。一つのきっかけとして、オフィスの移転やレイアウトの変更が絶好の機会になります。移転、レイアウトの変更が予定されている場合、デスクやキャビネット等の什器の数や保有している文書、物品の整理に対する従業員のモチベーションも高く、組織として取り組みやすい状況となるためです。紙文書を削減することによって、オフィススペースの有効活用に繋がります。
紙文書削減は組織全体で行うことがポイント
紙文書の削減を行う場合のポイントは、組織的に行うことです。経営トップから紙を削減することをメッセージとして出して頂き、組織をあげての取組とすることが望ましいです。文書の削減は部署や個人に割り当てられているスペースの削除、これまでの業務のやり方の変更に繋がることも多く、反対の考えを持つ方が出ることもあります。その際には、組織を挙げて取り組んでいるということが、削減の推進を支えることになります。担当者や文書管理主管部署など一部の部署だけで削減活動を推進していくことは、難しい場合が多いです。
また、削減の実務にあたっては、” いつ”、” 何を”、” どこに”、” どのように捨てる”ということを明確にすることも必要です。この点が明確でない場合は、メリハリがない、何を捨てるか分からないという状況になってしまいます。
”いつ”については、削減活動を集中して行う期間を設定して、イベント的に行うとうまくいく場合が多いです。
” 何を”、” どこに”、” どのように捨てる”については、基準を明確にして従業員に伝えるということが必要になります。
削減後に文書量がリバウンドしないために
削減した文書ですが、一般的に時間の経過に伴い、増えていきます。文書量の増加を抑え、削減活動直後の文書量を維持するためには、削減活動を定期的に行うことが必要になります。文書管理主管部署を主体として、削減活動を文書管理活動の年間スケジュールに組み込み、少なくとも半期または年に1回など定期的に行うようにしましょう。
さらなる改善にむけて、改善の第一歩として紙文書の削減が終わると、オフィス内には必要な文書のみになっている状態だと思います。この状態を元に文書管理のルールの作成、検索しやすい仕組みの検討など、文書の管理、つまり文書が持つ情報の有効活用の検討を行いましょう。
皆さんのオフィスの文書管理はどのような状態でしょうか。紙が多い、必要な文書が探せない、情報共有ができていないなどの課題がありましたら、文書管理の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。きっと業務の効率化、オフィス環境の改善につながることと思います。
より詳しく知りたい方は、基本的な進め方をまとめた「紙文書削減の進め方マニュアル」が無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
プロが教える!紙文書削減の進め方のコツ
オフィスに紙があふれスペースがなく、捨てたいのだけど何から手を付けたらよいかわからない。そんなお悩みにこの1冊。紙削減のやり方から効果測定までプロの技をお伝えします。