フリーアドレスの目的から導入手順のほか、“全員でのフリーアドレスは難しい” という場合の選択肢、導入後の課題と解決策までまるっとご紹介!オフィス改善のヒントに、ぜひご覧ください。
オフィスの機能性や外観を大きく左右する要素の1つに「デスクの配置」が挙げられます。オフィスの移転やリニューアルに際して、オフィスのレイアウトをどうすべきか迷っている事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、オフィスレイアウトの重要性や主なレイアウト・運用パターン、配置を決める際に必要な計画についてわかりやすく解説します。おしゃれなオフィスの配置を実現するコツや、レイアウト検討時の注意点にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
業務におけるオフィス配置の重要性
はじめに、業務におけるオフィスの配置がなぜ重要なのか、主な理由について解説します。デスクの配置がオフィスの機能に与える影響を把握しておくことが大切です。
業務と相性の良い配置でなければ働きにくい
デスクの配置は、オフィスにおける働きやすさに大きく影響します。とくに業務内容との相性が十分に考慮されているかどうかが非常に重要なポイントです。機能的で働きやすいオフィスだからこそ、業務効率や生産性の向上を実現しやすくなります。
たとえば、図面など大判の書類を広げる機会が多い職種であるにもかかわらず、小型のデスクが所狭しと並んでいるようでは窮屈で作業しにくいでしょう。やや大型のデスクをゆったりと配置することで、従業員は図面を広げてじっくりと作業に集中できます。このように、デスクの配置が業務効率や生産性に与える影響は決して微々たるものではありません。
コミュニケーションに大きな影響を与える
デスクの配置は、社内のコミュニケーションにも少なからず影響を与えます。たとえば、共同作業が多い職種であれば円卓が配置されていることで、必要に応じて円卓に集まって作業ができるでしょう。共同作業が必要になるたびに会議室を予約する場合と比べると、コミュニケーションのハードルが大きく引き下げられることは想像に難くありません。
人と人とのコミュニケーションは環境に大きく左右されるものです。気軽に声をかけやすい距離にいることで自然と会話が生まれ、会話の機会が増えることで信頼関係が構築されていきます。社内の結束を強め、信頼関係を醸成していくためにも、コミュニケーションを図りやすいオフィスレイアウトが求められているのです。
主なオフィスレイアウト・デスク運用のパターン
オフィスレイアウトは各社が自由にデザインして決められますが、多くのオフィスで採用されているレイアウトには相応の合理性があるものです。主なオフィスレイアウトとデスク運用のパターンを押さえておきましょう。
オフィスレイアウト8選
代表的なオフィスレイアウトの種類とそれぞれの特徴は下表の通りです。
レイアウトの種類 | 特 徴 |
---|---|
対向式 | ・デスクを向かい合わせて配置する島型レイアウト ・部署やチームごとにデスクをまとめられる ・適度な距離感を保ちつつ省スペースで運用できる |
背面対向式 | ・お互いが背を向けて座る ・周囲の視線が気になりにくい ・振り返れば会話ができるためコミュニケーションもとりやすい |
ベンゼン型 | ・チームごとに背中合わせで座るスタイル ・集中しやすさとコミュニケーションの取りやすさを両立可能 ・チームを超えたコミュニケーションは取りにくい |
同向式 | ・すべてのデスクを同一方向に並べるスクール式の配置 ・テレフォンオペレーターやデスクワーカー向き ・コミュニケーションはやや取りにくい |
左右対向式 | ・隣り合うデスクを逆向きに配置するレイアウト ・集中できる空間を確保しやすい ・コミュニケーションはやや取りにくい |
卍型 | ・4台のデスクを卍型に並べるレイアウト ・プライバシー確保とコミュニケーション円滑化を両立できる ・場所をとるため広い空間が必要 |
リンク式 | ・ブーメラン型のデスク3台で1つの島をつくるスタイル ・集中しやすさとコミュニケーションの取りやすさを両立可能 ・場所をとるため広い空間が必要 |
個別ブース | ・フルクローズ型または半個室型のブース席 ・集中できる空間を確保しやすい ・集中スペースとしてオフィスの一角に取り入れるケースが多い |
デスク運用4選
代表的なデスク運用の種類とそれぞれの特徴は下表の通りです。
デスク運用の種類 | 特 徴 |
---|---|
固定席 | ・各自の自席があり、基本的に同じ席で就業するスタイル ・席が近いメンバーとのコミュニケーションを深められる |
グループアドレス | ・部署やチーム内での固定席を設けず自由席にするスタイル ・部署・チーム内のコミュニケーション活性化に寄与する |
フリーアドレス | ・固定席を決めず、全面的に自由席にするスタイル ・偶発的なコミュニケーションが生まれやすい |
ABW | ・オフィス内外を問わず、働く場所や時間を自由に選べるスタイル ・多様な働き方に対応できる |
オフィスの配置を決める際に必要な計画
オフィスの配置を決める際には、計画に組み込んでおきたいポイントがいくつかあります。中でも「ゾーニング」「動線」「寸法」については必ず押さえておくことが大切です。
ゾーニング
ゾーニングとは、オフィスに求められる機能をどの位置(ゾーン)に配置するかを決めることを指します。一つひとつの機能に問題がなくても、配置によって不都合が生じるケースがあるため注意が必要です。
たとえば、自社にとって重要な資料が保管されているスペースや、サーバールームのようなセキュリティー面で重要な部屋については、人の出入りが多い場所に設置するのは適していません。反対に、日常的によく参照する資料であれば執務スペースの近くにあったほうが使い勝手が良いでしょう。セキュリティレベルに応じたゾーニングを計画する必要があります。
動線
動線とは、人が動く経路のことを指します。レイアウトを計画する際には、明確な目的や狙いをもって動線を設計することが重要です。
一例として、複合機のような共用のOA機器を使用するたびに椅子を引かなくてはならないとしたら、その席に座っている従業員にとって大きなストレスとなりかねません。OA機器周辺には人が余裕をもって通れるスペースを確保する必要があります。このように、オフィスの使い勝手を考慮して動線計画を立てていくのがポイントです。
寸法
デスクを配置する際には、基本となる必要スペースを把握しておく必要があります。スペースが不足すると窮屈な印象を抱きやすく、業務効率の低下につながりかねません。一般的なオフィス配置の基準となる寸法は下記の通りです。
・標準的なデスクサイズ:700mm×1,200mm
・デスクに座って作業するための必要スペース:400〜600mm
・椅子の稼働に必要なスペース:750mm
・デスクと通路の距離:1,800mm
・通路スペース:800mm以上
・人が無理なくすれ違える幅:1,600mm程度
- 1
- 2