目次
オフィスレイアウトにおける感染予防のためのコツ
最後に、先述した「オフィスにおける感染予防のための注意点」をもとに感染予防を意識したオフィスレイアウトへ移行するためのポイントについて解説します。
ソーシャルディスタンスを考慮したレイアウトのコツ
ソーシャルディスタンスを確保する際に、業務遂行で忙しい社員が必要なソーシャルディスタンスを自然に認識できるように、シールやテープなどを利用して、社員が座る位置、立つ位置、動線、使ってはいけないスペースなどを分かりやすくする工夫も必要です。実際、デスク周りの床に半径2mの円を描いている企業もあります。
社内での会議もオンラインで実施できるよう、Web会議専用の機器やデスクを設置したスペースを作成する方法もあります。
社内で人の移動が多い箇所では、一方通行にするといったように人の流れをコントロールすることも検討してみましょう。
飛沫対策に有効なレイアウトのコツ
飛沫対策に効果的なレイアウトとしては、直接飛沫を浴びないような工夫が必要です。例えば、次のような具体策があります。
- 背面型レイアウト
島型レイアウトとは反対に、社員同士が背中合わせになるようにレイアウトを組みます。
- ジグザグ型レイアウト
交互の向きになるように、ジグザグで隣り合わせとなるようにレイアウトを組みます。
また、フリーアドレス制では、座席の指定がないため、あえて近くに座ることなく距離を保ちながら業務を遂行させることができます。フリーアドレス制で、飛沫対策をさらに効果的にするためには、ジグザグに着席することや、アルコール殺菌やクリーンデスクを徹底するなどのルール作りが必要です。
空気の流れを意識したレイアウトのコツ
換気を徹底するためには、空気の循環が良くなるオフィスレイアウトを意識することが重要です。
- 窓の近くに大きな棚を置かない
- 空気が滞留しないよう、間仕切りの設置場所に気を付ける
また、エアコンのみでは空気の循環が十分ではないケースが多いようです。
- オフィスの空調システムの見直しをする
- サーキュレーターを活用する(上記の対応が難しい場合)
換気の効果を高めるためにも、空気がどのような経路で動いていくのか把握しておきましょう。
ルールを設定する
レイアウトを設定した後に、ルールを設けることにより感染症対策をさらに強化することができます。具体的なルールの例は、以下の通りです。
- 会議室の使い方(換気の時間の指定・使用後に室内を除菌するなど)
- デスクの使い方(使用後にアルコール除菌をする・着席不可のデスクをマーキングする・他のスタッフが使用したデスクには、一定時間着席しないなど)
- 人に関するルール(マスク・手洗い・うがいの徹底)
感染予防に配慮したレイアウトを有意義なものとするためにも、抜けの無いルールを設定しましょう。
コロナ禍に対応できるオフィスレイアウトに
コロナ禍においても、社員がつつがなく業務を進めていくためには、オフィスにおける感染症対策は欠かせません。そのためには、オフィスレイアウトについても感染予防の基本を踏まえた工夫が必要です。
社員同士が十分な距離を取ることや、手洗い・うがいなどの個々の感染症対策を取ることはもちろんですが、透明パーティションやブースの活用、デスクや備品などのレイアウトの工夫をすることも重要です。
社員の健康を守り、企業としての発展を継続するために、オフィスのレイアウトについても見直してみましょう。
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