目次
オフィスセキュリティーとゾーニングの関係
オフィスセキュリティーとゾーニングには密接な関係があります。オフィスづくりでゾーニングが重要な理由と、プランなしでゾーニングを進めるデメリットについて押さえておきましょう。
オフィスづくりでゾーニングが重要な理由
オフィスづくりでゾーニングが重要とされているのは、業務効率とセキュリティーを両立させる必要があるからです。かつてセキュリティーが重視されていたのは、開発や研究を行ったり危険物を扱ったりするなど、特殊な分野における企業というイメージでした。しかし、個人情報やマイナンバーの取り扱いに厳重さが求められる昨今は、一般的なオフィスにもセキュリティーへの高い意識が求められるようになっています。個人情報や顧客情報の流出といった事故は、企業への信頼が損なわれ、社会からの評価を低下させます。オフィスづくりをする上で、セキュリティーに関する視点は欠かせないものとなりました。
たとえば、人の出入りが多い場所と機密性の高い書類の保管場所が隣接していると、情報漏えいのリスクが高くなります。また動線を間違えると、必要のない箇所を通り抜けるといった無駄な動きが生じ、業務内容を無関係の人にのぞかれるケースも含め、セキュリティー効果が低下する可能性が高まるでしょう。このようなリスクを回避するために、業務効率の向上だけでなく、セキュリティーの観点からもゾーニングを慎重に考える必要があるのです。
プランなしのゾーニングのデメリット
十分に検討されていないゾーニングによってオフィスレイアウトを決定した場合、下記のようなデメリットが生じるおそれがあります。
・人の動きが考慮されておらず、業務効率の悪いオフィスとなる
・業務開始後に不備が見つかり、間仕切りや防犯カメラなどの追加設置が必要になる
・関係部署が必要とする資料の保管場所が離れているなど、使い勝手が悪くなる
・部署間の連絡が不便になり、コミュニケーションに支障をきたす
こうしたリスクを回避するには、あらかじめゾーニングを十分に検討した上で、実際のオフィス利用を想定したレイアウトにする必要があります。自社のオフィスの用途や性質をきちんと把握した上でのゾーニングが不可欠です。
ゾーニングを検討する際の段階別セキュリティーレベル
適切なゾーニングをするためには、セキュリティーレベルを理解しておく必要があります。一般的なオフィスで考えられる段階別のセキュリティーレベルを確認しておきましょう。
レベル1:公共性の高い場所
・特徴
関係者以外も利用する空間です。ビルのエントランスやエレベーターホール、廊下など、関係者のみならず誰もが自由に入れるエリアがレベル1に相当します。
・必要なセキュリティーレベル
もともと関係者以外も使用できる場所のため、最も制限や制御を必要としないレベルといえます。他のテナントに入居している事業者も使用する共用部であることから、自社の一存でセキュリティー対策を講じられないケースも多いでしょう。
レベル2:共用スペース
・特徴
社外関係者も利用する空間です。オフィスの受付やロビー、ミーティングスペースなど、従業員を含め、顧客や取引先の担当者といったオフィス来訪者、あるいは許可された人だけが共同で利用できるエリアがレベル2に相当します。
・必要なセキュリティーレベル
入退室管理や通行ログなどの記録を取ったり、通行証が必要な仕組みにしたりするケースが多く見られます。このレベルから防犯カメラの設置を検討し始める企業も少なくありません。
レベル3:業務スペース
・特徴
基本的に社内関係者が利用する空間です。執務室や会議室など、許可された従業員のみが入室できる内部ゾーンがレベル3に相当します。
・必要なセキュリティーレベル
入室管理が厳しくなり、IDカードによる立ち入り権限の管理を行うケースが多く見られます。IDカードを所有していない人は基本的に入室できません。
レベル4:最高位のセキュリティーが必要とされる場所
・特徴
社内でも特定の部門や関係者のみが利用する空間です。役員室や金庫室、書類管理室、資料室、サーバールームなど、内部ゾーンの中でも特定の重要情報資産を保管・設置するエリアがレベル4に相当します。
・必要なセキュリティーレベル
IDカードによる立ち入り制限に加え、監視カメラや指紋認証、カードキーといった施策を組み合わせた厳重な管理が求められます。
オフィスセキュリティー対策に役立つ機器・設備の具体例
オフィスセキュリティー対策の強化には、さまざまな機器・設備が活用されます。具体的な機器・設備の例を見ていきましょう。
入退室管理システム
従業員のほか、社外の関係者も含めて出入りを管理するシステムです。権限を付与された人だけが入室できます。主な認証方法は次の4点です。
・テンキー方式:出入り口に設置されたテンキーに暗証番号を入力する方式
・ICカード認証:ICチップが埋め込まれたカードをかざして入室する方式
・スマホ認証:専用アプリをインストールしたスマホをかざして入室する方式
・生体認証:指紋や顔、虹彩、静脈パターンなどによって認証する方式
テンキー方式やICカード認証の場合、暗証番号の漏えいやICカードの紛失などのリスクがあります。より高いレベルでセキュリティー対策を実現するなら、偽造のリスクが低い生体認証などを活用するのが得策です。求められるセキュリティーレベルに応じて、適切な認証方法を選択しましょう。
防犯カメラ
オフィスのエントランス付近やロビーなどに防犯カメラを設置するケースが多く見られます。不審者が侵入した場合には映像を記録できることに加え、防犯カメラそのものが外観上の抑止効果を発揮するため、効果的なオフィスセキュリティー対策といえるでしょう。
鍵付きの収納
重要な機密文書などは、金庫や鍵付きの書庫などに収納しておくことが大切です。ただし、鍵そのものが厳重に管理されていなければセキュリティーの意味をなしません。近年はICカードや生体認証によって施錠・解錠が可能な収納も登場しています。保管する資料類のセキュリティーレベルによっては、こうした対策を検討しておくのも1つの方法です。
シュレッダー
機密情報や個人情報が記載された書類をそのまま廃棄した場合、悪用されることが懸念されます。こうした書類は必ずシュレッダーにかけ、復元が困難な状態にしておくことが重要です。裁断されるサイズが大きい場合、つなぎ合わせれば容易に復元できてしまう可能性があります。シュレッダーの刃の形状にも注意してください。
また、シュレッダーにかけるべき書類・そのまま廃棄しても問題のない書類の区別を周知徹底することも大切です。書類別に機密レベルを設定し、記号や番号によってシュレッダー処理の必要有無を確認できるようにしておくとよいでしょう。
まとめ:セキュリティー対策を講じて安全なオフィスを実現しましょう
セキュリティー効果の高いオフィスづくりは、オフィスデザインの段階から意識する必要があります。オフィスで発生し得るリスクを把握した上で、自社の情報資産の状況を把握し、必要な対策を講じていきましょう。
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