『オフィス移転マニュアル』
計画策定の進め方~設計・デザインから移転当日まで全行程を網羅。自社の大規模移転や100社以上のサポート経験をもとに具体的な実施内容や進め方のポイントを解説!ぜひご覧ください。
オフィスの内装をおしゃれにしたい、快適な空間をつくりたいと考えたことはありませんか?オフィスの内装工事を成功させるには、工事内容やおおよその費用相場を把握しておくことが大切です。
今回は、オフィスの内装をおしゃれにデザインするメリットや工事内容、業者を選定する際に重視したいポイントについてわかりやすく解説します。おしゃれな空間をつくるためのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
オフィスの内装をおしゃれにデザインするメリット
オフィスの内装をおしゃれにすることで、さまざまなメリットを得られます。主な3つのメリットは次のとおりです。
企業イメージの向上につながる
おしゃれなオフィスの印象が来訪者に強く印象づけられ、企業イメージの向上につながることは大きなメリットといえます。雑然としたオフィスよりも、おしゃれで洗練されたオフィスのほうが好印象を与えるのはほぼ間違いないでしょう。
オフィス内の様子を伝える画像は、自社ホームページや求人情報などにも掲載するケースが多いと考えられます。おしゃれなオフィスの様子が伝わることでステークホルダーに与えるイメージが向上し、ブランドイメージをアピールしやすくなるはずです。
優秀な人材の確保を後押しする
おしゃれなオフィスは優秀な人材の確保にも寄与します。求職者が求人情報に関心を寄せた際、その企業のホームページをチェックするケースは少なくありません。オフィスの様子を伝える画像からおしゃれで洗練されたイメージが伝わることは、応募を後押しする有力な要因となるでしょう。
おしゃれで快適なオフィスで働きたいのは、優秀な人材も同じです。結果として優秀な人材が集まりやすくなり、組織全体の能力値が引き上げられるというメリットがあります。
従業員エンゲージメントの向上につながる
おしゃれなオフィスにすることは、従業員エンゲージメントの向上にもつながります。オフィス環境が作業効率や生産性に与える影響は決して小さなものではありません。オフィスの居心地や機能性を改善することで「働きやすい環境」「成果が出やすい環境」を提供できるのです。
できるだけ快適な環境で働きたいのは、これから入社する方々だけではありません。既存の従業員にとっても、おしゃれなオフィスはモチベーションを高める要因の1つとなります。おしゃれなオフィスをつくることは、従業員のモチベーションを高く保ち、定着率を高めるためにも重要な要素です。
オフィス内装工事の内容
オフィスの内装工事にはさまざまな工事が含まれています。主な工事内容は次のとおりです。
・建築工事
・電気工事
・空調・衛生工事
・防災工事
・防犯工事
・電話・LAN工事
それぞれ具体的な工事内容を見ていきましょう。
建築工事
建築工事とは、オフィス内装工事の中でも主に壁や天井、床などをはじめに整えておく工事のことを指します。壁や床の色や素材はオフィス全体の印象を大きく左右するため、おしゃれな内装にするにはこれらの要素を詳細に指定しておかなくてはなりません。また、内装工事を進めるために必要な仮設工事や、空間を区切る間仕切り工事なども建築工事に含まれます。
電気工事
電気工事とは、配線や漏電・分電盤の設置、照明やコンセントの設置などを行う工事のことを指します。オフィスでは多くのOA機器やIT機器を使用することから、配線が膨大な量になりがちです。整然としたオフィスをつくるには、壁内配線や床下配線によってできるだけコードの束を見えないようにする必要があります。また、使用する機器の台数や設置する場所、将来的な増員なども考慮して電気工事を進めることが大切です。
空調・衛生工事
室内の温度を適切に保つ空調設備や、密閉性の高い建物の空気を入れ替える換気設備、給排水や給湯に必要な衛生設備の工事を行います。内勤が中心の部門であれば、従業員は1日の大半をオフィスで過ごすことになるでしょう。また、来訪者にとってオフィスが暑い/寒いと感じたり、トイレの調子が悪かったりすれば大きなマイナスポイントになりかねません。こうした基本的な機能をきちんと備えておくことは、快適な環境を整える上で重要な要素です。
防災工事
消防法で義務づけられている防災機器を設置する工事です。設置基準に則った適切な位置・台数の煙感知器や熱感知器などを取り付ける必要があります。自然災害や火災発生時に従業員の安全を確保するためにも、非常に重要な工事といえるでしょう。
防犯工事
機密情報や個人情報を扱うオフィスには、防犯設備が必須です。監視カメラシステムや入退室管理システム、無人受付システムなどを設置し、不法侵入や情報漏洩を防ぐ必要があります。たとえば防犯カメラの場合、オフィスの入口付近に存在感のあるカメラを設置することで抑止効果が高まるでしょう。一方で、オフィス内に設置するカメラはできるだけ目立たない外観のものが適しています。このように、オフィスの機能や設置の目的に応じて適した機器や設備を設置することが大切です。
電話・LAN工事
オフィスの内装工事には、電話回線やインターネット回線などの工事も含まれます。使用する機器の台数や設置する場所によって工事内容が大きく異なることから、オフィスレイアウトと照らし合わせながら工事を進めなければなりません。また、無線LAN(Wi-Fi)に関しては、オフィス内のどの場所でも問題なく通信できるよう設置する場所や台数を考慮する必要があります。工事内容を計画段階でしっかりと固めておくことが大切です。
オフィスの内装工事を進める手順
オフィスの内装工事を進める手順を見ていきましょう。基本的な流れは下記のとおりです。
1. 内装工事の目的を決める
2. コンセプトを決定する
3. 業者の選定
4. 設計書の確認と費用見積もり
5. 契約締結・スケジュール策定
6. 竣工・引渡し
各工程について詳しく解説します。
1. 内装工事の目的を決める
はじめに、オフィスの内装工事を行う目的を決めておくことが重要です。現状のオフィスが抱えている課題や従業員が感じている問題点を整理し、改善が必要なポイントを明確にしておく必要があります。
オフィスの内装は「よりおしゃれに」「より使いやすく」しようと思うと、必要な工事や費用が際限なく膨れ上がってしまいがちです。必須の改善点を絞り込み、優先順位をつけて内装工事の目的を定めましょう。
2. コンセプトを決定する
内装工事の目的が決まったら、次にオフィスのコンセプトを検討します。自社の業種や従業員数、来訪者の有無や頻度、事業運営の形態などに合ったコンセプトを打ち出すことが大切です。
オフィス内装のデザインを事業者へ委託する際にも、コンセプトが明確になっていれば意図や目的をスムーズに伝えられます。オフィス内装工事は予算の範囲内で進める必要があることから、現実的な工事費用に収まるかどうかも考慮してコンセプトを決定することが大切です。
3. 業者の選定
内装工事を委託する業者を選定します。内装工事に対応可能な業者には多くの種類があるため、自社が掲げたコンセプトを実現できる依頼先を選定することが大切です。主な業者として、次の種類が挙げられます。
・デザイン設計会社
・工務店
・什器メーカー
・空間デザイン部門のある事業者
前述のとおり、内装工事の内容は多岐にわたることから、工事の種類ごとに別々の業者に依頼すると打ち合わせに時間がかかるほか、トータルの費用も高くなりがちです。オフィスデザインの企画から竣工まで一括で委託できる事業者を選ぶことで窓口を一本化できたり、費用を抑えられたりするメリットがあります。
4. 設計書の確認と費用見積もり
オフィスレイアウトや設計図の確認後、見積もりを依頼します。工期や作業内容のほか、アフターフォローの有無などを十分に確認しておくことが大切です。見積もり内容に不明点や疑問点があれば、必ず問い合わせて解決しておく必要があります。実際に工事が始まってから認識の相違が明るみに出ることがないよう、費用面だけでなく工事内容をしっかりと確認しましょう。
5. 契約締結・スケジュール策定
見積もりに問題がなければ、契約締結へと進みます。より詳細な施工スケジュールについて業者と打ち合わせを重ねましょう。
内装工事の内容や規模によっては、工事期間中はオフィスを利用できないことも想定されます。計画に沿って早めに社内告知を行うとともに、必要に応じてオフィスの一時移転などの情報を社外関係者へ伝えておかなくてはなりません。告知が必要な関係先をリストアップし、抜け漏れなく対処していくことが大切です。
6. 竣工・引渡し
工事中は施工業者任せにするのではなく、定期的に進捗状況をチェックしましょう。内装工事完了後には竣工検査を実施します。設計図やレイアウト図と照らし合わせながら、計画どおりに工事が完了しているか一つひとつ確認することが大切です。竣工検査が完了したら、工事完了確認書などにサインした上で引渡しとなります。
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