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「日本は働きすぎ」今も思ってませんか?
それって古いですよ。
日本の労働時間が世界各国より長いって本当? その原因を探る
日本の労働時間は、世界に比べて本当に長いのでしょうか。
実は違います。日本の総労働時間は減少しているのにもかかわらず、長時間労働の実態は変わっていません。長時間労働を変えられる職場と変えられない職場、その違いは、いったいどんなところにあるのでしょうか。
日本の今の労働状況を紐解きながら、長時間労働に変化をもたらしたDXの取り組みをご紹介します。
データでは、労働時間は短くなったように見えますが
世界各国の労働時間を比べてみると、日本人はイタリア人やアメリカ人より働いていない、という意外な結果が出てきました。なのに一方では、働き方改革で長時間労働の是正が検討されていて、実態としては長時間労働が続いているようです。このからくりは、1990年代前半に15%程度だったパートタイム労働者が、2017年には31%と倍増したことが背景にあります。パートタイムで働く主婦や高齢者の労働時間は正社員の半分程度なので、パートタイムの比率が上がれば一人あたりの平均労働時間が減っていきます。さらに、パートタイムの労働時間は2000年代後半から短くなってきており、全体の労働時間を押し下げる要因となっているのです。結論として、パートタイムを除く一般労働者の労働時間は20年近く2,000時間以上と、日本では長時間労働がまったく改善されていない実情が浮かび上がっているのです。
出典:OECD (2019), Hours worked (indicator). doi: 10.1787/47be1c78-en (Accessed on 01 December 2019)

長時間労働の原因と対策とは?
日本企業で働く正社員の労働時間は20年以上2,000時間以上と、長時間労働が解消されていません。では、この原因と対策には何が考えられるのでしょうか。
原因は?
正社員の労働時間が高止まりしているのは、不景気が長引いた結果、パートタイム労働者を減らしたり新卒採用人数を抑えた上で、正社員の労働を強化した企業が多かったためです。本来、景気の回復に伴って正社員を増やすべきですが、企業は新卒採用や教育のコストから、採用するより既存社員の労働を強化する方向を選んだ結果ともいえます。
対策は?
長時間労働を解消できれば、労働者のモチベーションと従業員満足度を高めることができ、人材の定着度を高めることに効果的です。また、魅力ある職場環境づくりの成果は、業務の効率化や社外へのアピールで優秀な人材採用にもつながります。
働き手には、こんな思いがありますよね
魅力ある職場環境づくりの取り組み方として、まず従業員に対して職場環境に関するアンケート調査をするのも一案です。どこに問題と改善点があるのかを、しっかり把握しましょう。
◼オフィス環境への思い
「オフィスが狭い」、「椅子や机が使いにくい」、「周囲の音がうるさくて集中できない」などオフィス環境に関する不満点があらわになった場合などは、オフィスレイアウトを変更するのも効果的です。
◼働き方改革の実践
「テレワークがしたい」、「紙での業務を見直したい」など、効率的に業務を行いたいという意見も多々あるはずです。働き方や業務の効率化について、社内で推進チームを立ち上げるなど対応を考えてみましょう。
◼ホームページの作成
従業員にとって働きやすい環境を整えたら、ぜひホームページなどでアピールしましょう。テレワークをはじめとした柔軟な働き方に注目が集まる今、働きやすい職場環境は求職者にとっても魅力的なポイントです。