文書削減によりオフィススペースを確保
文書管理から情報・物品への管理意識を根付かせる

株式会社伊勢半本店様 導入事例様 導入事例

株式会社伊勢半本店様

日本だけではなく、海外でも人気のメイクアップブランド「ヒロインメイク」などで知られる老舗化粧品メーカー、株式会社伊勢半を中軸とした伊勢半グループ。グループ各社の管理業務機能を担う株式会社伊勢半本店様では、2017年から文書管理改善プロジェクトを推進しています。コニカミノルタジャパンでは、こちらのプロジェクトの支援を行いました。一体どのようなことが行われたのか、その取り組みをご紹介します。

  • 利用したソリューション
  • 紙文書の削減・運用管理

目的

PURPOSE

  • オフィススペースの有効活用
  • 紙文書削減・文書管理改善プロジェクトの実施

課題

PROBLEM

  • 社員の増加によるオフィススペース不足
  • 文書管理ルールがないことによる情報検索性の低下に基づく業務の非効率化
  • 社員からの社内環境向上の要望への対処

効果

RESULT

  • 紙文書を削減して省スペースを実現
  • 文書管理規程とガイドラインを策定。文書管理意識を社内に定着化
  • 紙文書削減で空いたスペースにリフレッシュルームを整備

導入の背景

好調な業績を背景にオフィスのスペース不足に直面

総務本部 総務部 課長 永谷様

総務本部 総務部 課長
永谷 跡佳 様

株式会社伊勢半本店様は、1825(文政8)年に紅屋として創業した歴史ある化粧品メーカー。グループの株式会社伊勢半では現在、メイクアップ化粧品を中心に、幅広い商品をラインアップしています。特に20歳代の女性が主なターゲットである「ヒロインメイク」は、日本のみならず、海外でも人気のメイクアップブランドとして有名です。

そんな同社では、現在、紙文書削減・文書管理改善プロジェクトを実施している最中。実はこのプロジェクト、コニカミノルタジャパンの提案がきっかけとなっているのです。話は2017年にさかのぼります。当時、伊勢半本店様では、グループの好調な業績を背景に従業員数が増加したことで、本社のオフィススペース不足という課題が持ち上がっていました。
初めは、この課題を解消するためにオフィスデザインを変更しようと考えた同社は、数社の専門業者にコンタクトを取ります。しかし、結果としてデザイン変更では対応しきれないことが判明。一部の事業部門を本社近くのオフィスビルに移転させることにーー。

しかし、このまま引っ越しをしても、時間がたてばまた同じことになるという懸念があったため、オフィススペースを有効に活用する方法を模索していたところ、コニカミノルタジャパンが推奨する紙文書削減・文書管理改善プロジェクトを知り、採用されたのです。

同社総務本部 総務部 課長の永谷跡佳様は、当時をこう振り返ります。
「コニカミノルタジャパンは、はじめに考えていたオフィスデザインの変更で相談していた数社の内の1社でした。そして、オフィスデザインで必要なスペースを確保するのは難しいことが分かった後、オフィススペースの有効活用について相談したところ、キャビネット内にある紙文書を削減して省スペースを実現するという提案があったのです。同じ相談をした他社からは、事務机などを小さなものにするという提案がありましたが、省スペースと作業効率の向上を両立できる紙文書削減プロジェクトに魅力を感じ、採用することを決めました。また、コニカミノルタジャパン自身が、紙文書削減に取り組んだ経験があることも、プロジェクトのパートナーに選んだ決め手のひとつ。特に『一度削減できた紙文書が、リバウンドして、改めて対策を行った』という経験談は印象的でしたね。そういうところも包み隠さず話してくれることや、リバウンドの可能性まで視野に入れてサポートしてもらえることが分かり、安心して依頼することができました」

そして、プロジェクトは、移転する2部門(海外事業本部と品質管理本部)が保有する紙文書を削減する取り組みからスタート。さらに、2018年には、文書管理規程を策定するとともに、紙文書削減を全社に展開し、現在に至ります。

導入の効果

まずはオフィス移転をする2部門で大量の紙文書を削減

2017年にスタートした紙文書削減プロジェクトでは、対象となる海外事業本部と品質管理本部にどのような文書があるのかを、コニカミノルタジャパンが細かく洗い出す作業から始まりました。そして、「廃棄」「電子化(スキャニング)」「外部倉庫へ移管」の3種類に分類するためのガイドラインを作成していったのです。

「実際の仕分けは、引っ越し作業と併せて、2部門の社員が行いましたが、コニカミノルタジャパンには、文書を保管するかどうかを判断するためのフローチャートや仕分けした段ボールに貼るシールなども用意してもらったので、現場も混乱なく、作業することができました」(永谷様)とのこと。

取り組みの結果、既存の紙文書の約6割削減に成功。想定以上の成果を挙げられたといいます。
実際に取り組みを行った社員の方からは、「紙文書が無くなったことで業務が滞っている」というような不満もなく、「やってよかった」「仕事がやりやすくなった」という評価の声がよく聞かれるようです。

文書管理規程を策定し、文書削減の対象を拡大

総務本部 総務部 副参事 鈴木 義則 様

総務本部 総務部 副参事
鈴木 義則 様

続いて2018年には、文書管理プロジェクトを全社的に展開するために、文書管理の方針、基本的な考え方、具体的な実施方法を体系的にまとめた「文書管理規程」を策定。こちらのプロジェクトでは、コニカミノルタジャパンは「文書管理規程」や「文書管理ガイドライン」の作成を担当しました。

また、以前から、部門ごとに文書保管やファイリングのルールが異なっていて、部署を異動した際などに「保管の仕方がわからない」あるいは「必要な情報が探しにくい」という声が現場から上がっていましたが、文書管理規程が整備されたことで、そのような課題も解消されました。

「元々、紙文書が多いことに対する課題意識はありましたが、フタを開けてみると、特に会議資料や他部門への依頼資料などに、無駄な書類が多かった印象ですね」と語るのは、株式会社伊勢半本店 総務本部 総務部 副参事の鈴木義則様です。
「例えば、会議資料のように、社内に1部保管されていれば事足りるものも『文書を管理する』という意識がなかったため、全出席者がそれぞれ保管していたわけです。また、今では必要のない書類が、20年、30年保管されっぱなしというケースも少なくありませんでした。具体的には文書管理規程の整備により、すべての書類について『この書類は○○年過ぎたら廃棄してよい』という判断が誰でもできるようになりましたが、社員の中に『保管していても意味のない文書がある』という意識が芽生えたことが大きな収穫だと考えています」
2020年2月には、紙文書削減によって空いたスペースを活用してリフレッシュルームを設置。かねてから要望があった社内環境の向上にも一役買っているのです。

さらに取り組みの効果は思わぬところにも現れているようです。
「商品サンプルなどの物品が多いことも当社のオフィスの特徴ですが、各部門から『物品の管理も行ったほうがよいですね』という声が聞かれるようになりました。今回のプロジェクトはあくまで文書が対象で、事務局としては、物品の管理は、今後取り組んでいくつもりですが、現場はすでに先を考えている。これも、文書管理プロジェクトを進めてきたことで『業務上必要なものは管理するべきだ』という意識が根付いた結果なのは言うまでもありません」(鈴木様)

社内文化や業界ルールへの細やかな対応に高評価

なお、コニカミノルタジャパンのサポートに対して、永谷様は「丁寧なアドバイスはもちろん、例えば、文書管理規程の作成において、使用する言葉を社員になじむように変更してくれるなど、柔軟な対応でこちらに寄り添ってもらったという印象が強いです」と話します。

また、同社で扱う文書には、医薬品医療機器等法で保存が定められているものもありますが、この点に関しても「きちんと調べてもらったので、安心している」(鈴木様)とのこと。実際に、文書管理規程などで提案した内容は、ほとんどそのまま運用いただいているようです。

文書管理プロジェクトを成功に導いた要因とは?

一般的な文書管理改善プロジェクトでは、社内に管理意識が定着するのには、長い時間が必要です。それに比べて伊勢半本店様の取り組みは、社内に意識が定着する時間が非常に短い印象です。まだ取り組みは途中ですが、一定の成果も現れており、成功事例といえるでしょう。

そこで成功の要因について、鈴木様と永谷様のお二人にたずねたところ、「文書管理実行責任者の頑張り」との答え。
文書管理実行責任者とは、部門ごとに設置した文書管理責任者(本部長クラスが担当)のもとで、実務を行う担当者のこと。このような運用体制を構築することは、コニカミノルタジャパンからの提案でしたが、文書管理実行責任者の方が積極的に取り組みを進めることで、社内の意識変革にも、社内に合った文書管理規程を作成するのにも大いに役立ったといいます。

また、先述したリフレッシュルームの設置や、スペースが空くことで今後人員が増えてもオフィスを移転するようなことがなくなるといった、具体的なメリットを社内にアナウンスし続けたことや、プロジェクトスタートの折に澤田晴子社長自らがメッセージを発信したことも、功を奏したようです。

文書管理プロジェクト実行前後のキャビネット

左:文書管理プロジェクト実行前のキャビネット
右:文書管理プロジェクト実行後のキ ャビネット 書類が分類され、キャビネットに空きスペースができるように

今後の展開

まずは紙文書のデジタル化を実現
BCP強化&働き方改革推進のベースに

文書管理改善プロジェクトの今後について、伊勢半本店様では紙文書のデジタル化を実現させていく考えです。それは、このプロジェクトと並行して取り組みを進める、BCP対策や働き方改革を実現させるためにも必要不可欠だといいます。

「現在、情報システム部門と共にBCP対策の強化を進めています。例えば、その中でテレワークを導入するにも、紙文書に縛られない働き方の実現が求められます。紙文書があると、どうしても保管されている事務所に行かなくては仕事になりませんので——」(永谷様)

紙文書に縛られることがなくなれば、当然、業務効率化や、それによって生まれる時間をクリエイティブな作業に充て、業務の質が高まることで、企業競争力の向上という成果につながっていくことが期待されます。オフィスの省スペースを目的として始まったこの取り組みが、同社の事業に今後ますます大きな影響を与えることは間違いないでしょう。

コニカミノルタ担当者から

伊勢半本店様の事務局とプロジェクトチームの皆様の熱意が成功のポイントに。文書管理の明確な目標を掲げ、運用の定着を実現

関東エリア営業統括部 第3営業部 営業1グループ
井桁 将俊

執務スペースが不足しているというご相談をいただき、紙文書削減を生かした執務エリア創出の提案をさせていただきました。当社自身の失敗経験を生かした内容に共感をいただき、信頼できるということでご採用いただきました。①目指すべき姿を最初に明示できたこと②お客様事務局や各部門のプロジェクトチームの方々が熱心に協力をしてくださったこと③当社ドキュメントグループのメンバーが非常に近いところでサポートをさせて頂けたことが成功したポイントだと感じています。今後も業務効率化等のご支援ができればと考えています。

ソリューション応用サービス部ドキュメントグループ
平山 義一

このプロジェクトでは、大きく2点に注意し実行しました。 ひとつは法律面です。化粧品や医薬部外品を扱うため、関連法令にて保存が必要な文書等を把握しなくてはいけません。もうひとつは運用の定着です。ルールを作っても、運用を定着させなくては意味がありません。そのため運用状況のチェックや効果測定、改善をあらかじめ計画に盛り込みました。運用の定着を図り、今後はさらなるデジタル化による業務効率向上につながるご支援ができればと思います。

コニカミノルタの文書管理改善サービス [満足ポイント]

  • 自社実践の経験に基づく的確なサポート体制
  • 社内の独自の文化やルールに合わせた柔軟な対応
  • 確実に運用にのせるための具体的なアドバイス

株式会社伊勢半本店様

グループ事業内容
メイクアップ化粧品、基礎化粧品、医薬部外品など化粧品全般の製造・販売
創業
1825年
従業員数
350名(正社員・契約社員・パート)
(2018年12月31日現在)
ウェブサイト
https://www.isehan.co.jp/
株式会社伊勢半本店様

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今回導入したソリューション