ウェルビーイングとは何か?企業において重要な要素と、とるべき対策も解説
- #働きやすい環境づくり
企業が売り上げや利益を最大化するためには様々な要素がありますが、なかでも重要なのは従業員がベストなパフォーマンスを発揮できる環境を用意することです。これを実現するためには「ウェルビーイング」という考え方が重要です。しかし、この言葉を初めて耳にした方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、ウェルビーイングとは何なのか、ウェルビーイングを向上させるために企業は何に取り組むべきなのかについて、詳しく解説します。
INDEX
ウェルビーイングとは
「Well-being」を日本語に直訳すると、「幸福な状態」や「健康な状態」という意味を表します。
そもそも、「ウェルビーイング(well-being)」という概念が初めに出てきた時期は、今から70年以上前の1946年にまでさかのぼります。当時、ニューヨークで開催された国際保健会議の中で世界保健憲章が採択され、「健康」のことを「肉体的・精神的・社会的にすべてが満たされた状態」と定義しました。現在では、これをウェルビーイングの考え方と位置づけるケースが多いです。
ただし、研究者や専門家によってもウェルビーイングの捉え方や定義は様々で、さらに状況を細かく定義しているものも少なくありません。例えば、厚生労働省が公開している「雇用政策研究会報告書(案)」の中では、ウェルビーイングのことを「労働者が自ら望む生き方に沿った豊かで健康的な職業人生を送れるようになることにより、自らの権利や自己実現が保障され、働きがいを持ち、身体的、精神的、社会的に良好な状態になること」と定義しています。
総合的に捉えるとすれば、ウェルビーイングとは「健康で幸福であること」と言えるでしょう。
企業において従業員のウェルビーイングを左右するもの
ウェルビーイングは様々な場面で用いられる概念や言葉ですが、ビジネス業界ではどのように捉えられているのでしょうか。より分かりやすく理解するために、企業において従業員のウェルビーイングを左右するものとして「オフィス環境」と「労働環境・働き方」が挙げられます。
オフィス環境
「オフィスが狭く圧迫感がある」「窓が小さくオフィス全体が日中も暗い」「オフィス内がうるさく仕事に集中できない」など、オフィス環境が悪いと従業員に対して様々なストレスを与えることとなります。また、オフィス全体の環境以外にも、デスクの広さや椅子の座り心地などもウェルビーイングを左右する要素と言えるでしょう。
劣悪なオフィス環境の中では、従業員が仕事に集中できず、生産性が低下する懸念もあります。また、体に合わない椅子やデスクを長時間使用し続けていると、無理な姿勢での作業が続き体調に異変をきたす場合も考えられます。
従業員の健康を維持することはもちろん、企業として生産性を高め事業の持続的な成長を実現するためにも、ウェルビーイングの一要素としてオフィス環境を整えることは重要なポイントと言えるのです。
労働環境・働き方
オフィスそのものやオフィス用品などのハード面の要素以外に、労働環境や働き方といったソフト面もウェルビーイングを左右するポイントと言えます。
例えば、毎日の通勤が負担になっているケースや、長時間労働が蔓延している職場、休暇が取得できない職場においては、従業員がストレスを抱え、十分なパフォーマンスが発揮できないことも考えられます。
働き方改革の実現に向けて取り組む企業が増えている現在、長時間労働の是正や有給休暇の取得率向上は多くの企業にとって重要な経営課題の一つでもあります。働き方改革は従業員のウェルビーイングに直結する取り組みでもあるため、改めて現状を分析し改善の余地がないかを検討してみましょう。
ウェルビーイングを向上させる上で重要な取り組み
企業において従業員のウェルビーイングを向上させるためには、具体的にどのような対策や取り組みを行えば良いのでしょうか。上記で紹介したウェルビーイングを左右する「オフィス環境」と「労働環境・働き方」の改善につながる取り組みやポイントについて紹介します。
オフィス環境の改善
オフィス環境を改善するためには、まずは従業員に対してオフィス環境に関する不満や改善点をアンケートで調査することから始めてみましょう。経営層にとっては快適でオフィス環境に問題がないと考えていても、特定の部署やフロアでは働きにくいという意見が出ることもあります。
オフィスの移転・引っ越しによって執務環境を大幅に改善できることも多いですが、もう一つの方法としてオフィスのレイアウト変更も効果的です。
例えば、フリースペースやミーティングルームに多くの空間が取られており、従業員一人当たりのデスクスペースが狭い場合には、無駄なスペースを削減し執務エリアを拡大する方法もあるでしょう。また、テレワークやフリーアドレスを導入することで、全従業員のデスクスペースを確保する必要がなくなり、ゆとりのあるオフィス空間 が確保できるようになります。空いたスペースにはコラボレーションが促進されるエリアや集中できるエリアなどにすることで有効活用できます。そのほかにも、オフィス内のあちらこちらに観葉植物を置いて、緑が視界に入るように工夫をする、あるいは、休憩できる開放的なスペースを作るなどでもオフィス内の印象は変わり、ストレス軽減に期待ができます。
現在、企業からも注目を集めているオフィス内で自由に座席を選べるフリーアドレスや、フリーアドレス制のオフィスにおいて、出社する従業員が事前に座席を予約して利用するシステムのホテリングを取り入れたオフィスデザインもそうした工夫の一つだと言えるでしょう。
このように、自社に合わせたオフィス環境を構築するためにおすすめなのが、コニカミノルタが提供するオフィス移転・リニューアル支援サービス「Office Right Sizing」です。オフィスを縮小するべきか迷っている、テレワークによって出社率が減り、使われていない固定席をどうにかしたいなどのお悩みをお持ちの企業におすすめのサービスです。さらに、コニカミノルタでは2021年5月にリニューアルした本社 オフィスの見学ツアーも開催しています。見学いただけるオフィス(東京浜松町オフィス)では、実際にフリーアドレスやホテリングを取り入れたオフィスデザインを確認していただくとともに、上記で紹介したようなオフィス内に観葉植物を配置した、開放感のある環境を体感していただけます。また、オフィスづくりと並行してテレワークを導入したい企業に対しても、業務フローや業務プロセスの見直しをサポートしています。
ぜひ、見て、体感して、新しいオフィスデザイン構築への参考になさってください。
さらに、働き方改革を働く人の業務環境を重視する視点で取り組みたい場合は、以下の記事もご覧ください。
労働環境・働き方の改善
労働環境や働き方を根本から改善するためには、オフィス環境のヒアリングと同時に、労働環境・働き方に関するアンケート調査も実施してみましょう。
例えば、通勤が負担になっている従業員が多い場合には、テレワークを導入することにより通勤時間が削減され、肉体的な負担を軽減できることも考えられます。テレワークによってオフィスへ出勤する従業員の数が減れば、オフィス空間の有効的な活用ができ、労働環境の改善に役立てることにもつながるでしょう。重要なのは、テレワークまたはオフィスワークいずれか一辺倒な働き方を整備するのではなく、従業員が業務内容だけではなく、育児や介護への対応といった生活状況に応じて柔軟に働き方を選択できる環境を整備することです。重視すべきなのは、従業員がプライベートを犠牲にすることなく、自分のキャリアを充実させていける環境を整えることです。
また、これ以外にも調査をすることで、長時間労働が慢性化しているケースや、安全衛生対策が不十分といった問題が可視化される場合もあります。
このような労働環境や働き方の問題点を可視化するためには、コニカミノルタジャパンが提供する「働き方診断チャート」でまずは簡単に現在の状況を把握してみましょう。より具体的に調査をする際には「いいじかん可視化サービス 働き方状況把握アンケート」がおすすめです。「テレワーク/ICT」「文書管理」「意識調査」「オフィススペース」などのジャンルごとに設問内容が決められ、自社の状況を正確に把握できます。
コニカミノルタが考える改善によって得られる効果
コニカミノルタジャパンでは、働く人の時間を「創造じかん」「作業じかん」「自分じかん」の3つに分け、企業と従業員に最適な「いいじかん」を増やすための工夫をする「いいじかん設計」のコンセプトのもと、お客様の働き方改革をご支援しています。例えば、いままでの働き方改革では、「作業じかん」の中に生じた非効率な時間を削減することに焦点を当てた取り組みが中心でした。しかし、大切なのは、「作業じかん」のなかの余白を「創造じかん」として活用し、創造の質を高めるために「自分じかん」を充実させて幅広い経験と視野を得るための活動までも設計することが重要だと考えています。
働き方改革に取り組む企業のなかには、「社員満足度が低いが、何が原因なのかが分からない」「様々な改善策を試みてみたものの、良い結果につながらなかった」というところもあるでしょう。コニカミノルタジャパンでは、そのような場合でもお客様の会社と社員に最適な「いいじかん」を増やせるよう、それぞれの企業の状況に合わせた最適なプランを提示した上で、労働環境や働き方の改善策をご提案しています。お気軽にご相談ください。
持続的な成長を続ける企業の条件としてもウェルビーイングへの取り組みは重要
従業員のウェルビーイングを向上させることは、企業の生産性や業績の向上にも直結します。アメリカ イリノイ大学名誉教授のエド・ディーナー博士らの研究では、幸福度が向上することで、生産性が31%、売り上げも37%向上するという結果が報告されています。
従業員の満足度向上の視点のみならず、企業が持続的な成長を続け、社会貢献も含め存在意義を認められるためには、ウェルビーイング向上への取り組みは重要で意味のあるものと言えるでしょう。そのためにも、オフィス環境の改革や、テレワークとオフィスワークの併用など、様々な取り組みを検討し実行してみてはいかがでしょうか。
「IDEA SHOWROOM」では働き方改革の課題を解決するソリューションをご覧いただけます。オフィス環境の改革が気になるお客様向けのおすすめ見学コースもご用意していますのでお気軽にご覧ください。また、中小企業での働き方改革の取り組み事例を「いいじかん設計 動画カタログ」でご紹介中です。こちらもあわせてご覧ください。
いいじかん設計 編集部