Webサイトリニューアルの失敗事例から学ぶ
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Webサイトリニューアル担当者は失敗につながる要因を事前に察知し、回避しておくことが重要です。他企業のリニューアル例を探すと成功例ばかりが目立ちますが、その陰には失敗事例がいくつも隠されています。今回はWebサイトリニューアルの失敗事例をもとに、成功へとつなげるポイントについて解説します。なかなか目にすることのない失敗事例を学び、自社サイトのリニューアルを成功させる手段について検討してみましょう。
目次
Webサイトリニューアルの失敗がビジネスに与える影響
企業にとってWebサイトは、人々を出迎える最初の入り口。だからこそ、信頼関係を築くための重要な役割も担っています。ただしWebサイトはビジネスに与える影響が大きい分、サイト制作やリニューアルが失敗してしまうと逆効果になってしまうこともあります。検索してもサイトが見つからず、新規顧客だけでなく既存顧客も離れてしまったり、デザインやユーザビリティが変わることで企業イメージが低下したりしてしまう恐れもあるでしょう。
Webサイトリニューアルの成功には、明確な目標設定と事前の計画が必要です。サイトリニューアルにおけるゴールを設定し、プロジェクトの進め方と、各フェーズで起こりがちなトラブルを事前に把握しておくことが大切です。まずは何をすべきかをしっかりとおさえて、Webサイトリニューアルは、企業の将来を左右する重要なプロジェクトであることを忘れてはいけません。Webサイトリニューアルを成功させるため、まずは失敗事例の確認をおすすめします。
Webサイトリニューアルのよくある失敗事例とは?
まずはWebサイトリニューアルで失敗しがちな事例をチェックしてみましょう。

せっかく時間と費用をかけてリニューアルしたにもかかわらず、なぜこのような失敗が起きてしまうのでしょうか?
その原因は課題分析が十分にできておらず、企業が肝心のリニューアルする目的を見失っているからかもしれません。「Webサイトが古いから新しくしたい」という気持ちだけでスタートしてしまうと、ただ更新時期が新しいだけの企業サイトになってしまいます。リニューアルを失敗させないためには専門知識や技術力などが必要になりますが、企業サイトにとってはもっと重要なポイントもあります。
Webサイトリニューアルが失敗する原因は制作会社の技術力や対応力ではなく、企業内にあることを覚えておきましょう。要件定義や事前の設計が大切ですが、その際に社内で起きるよくある失敗事例についてチェックしておいてください。
あるある事例!失敗する原因は社内関係者の交通整理不足
Webサイトの制作や運用はテクニカルなポイントが注目されがちですが、他にも多くの失敗ポイントが隠れています。たとえば「社内の意見がまとまらない」や「一度決まったことが覆る」など、進行のプロセスにも気をつけなければなりません。社内関係者の交通整理ができていないばかりに意見がまとまらず、進行が遅れる。必要事項が関連部署に伝わらないまま進行してしまい、後から修正が発生するなどの失敗事例です。

そのためWebサイトリニューアルを検討する際には、着手する前に社内の交通整理をしておくことが重要になります。企業がWebサイトをリニューアルする際には多くの関係者を巻き込む必要がありますが、多くの関係者がいる分、さまざまな意見も出てくるでしょう。
また、コーポーレートサイトのリニューアルは規模が大きく、一部の担当者だけでは細部を見落としがちになり、失敗に終わる事例も少なくありません。リニューアル後の成果が思ったほど出なかっただけでなく、予算オーバーというコスト問題に発展する失敗事例もあります。
Webサイトの制作やリニューアルでは制作会社とのコミュニケーションが重視されがちですが、それよりも社内のコミュニケーションを見直し、連携を図らないと目的を達成する企業サイトは作れません。社内関係者の交通整理ができていないと、下記のような事例が発生します。
- コンペで社内の意見が割れてしまい、ベンダーが決まらない
- 上司の思いつきを、担当者がそのまま制作会社に伝えて話がまとまらなくなる
- 部署それぞれが他部署を意識しない要望をくみ取った結果、全体に統一感がなくなる
- 指示系統がバラバラで、様々な担当者が直接制作会社に要望を伝えて工数が増大する
作業の手間が増えてスケジュールが長引くうえに、完成したWebサイトは見にくく使いにくいものになってしまうかもしれません。このような失敗の原因は、社内関係者の調整不足にあるといえるでしょう。社内担当者や決裁者、相談すべき上司や担当部署などを明確にし、指示系統や判断の役割をきちんと整理しておかないと、せっかくのリニューアルプロジェクトが失敗事例のひとつになってしまうことを覚えておきましょう。
他にもよくあるWeb制作の失敗事例と原因
Webサイトのリニューアルや制作が失敗する原因は、社内関係者の調整不足だけでなく他にもあります。企業が外注にてWebサイト制作を依頼する際に起こりがちな、失敗事例と原因をご紹介します。
Webサイトをリニューアルすることが目的になる
Webサイトリニューアルで達成すべき目的が不明瞭で、「リニューアルすること」がゴールになってしまうケースです。そもそも何を達成すべきかを見失っていると、Webサイトはリニューアルしたけれど成果が感じられないということになります。「そろそろWebサイトをリニューアルしたい」という思いだけで、目的もなくリニューアルをしてしまうのは予算と時間を無駄にした失敗事例になってしまうでしょう。
制作会社に丸投げしてしまう
Webサイト制作においてよくある失敗事例は、「思っていたものと違った」という声です。イメージなどの共有をせずにプロだからとお任せしたばかりに、本来の企業らしさと異なるデザインが完成してしまうこともあります。逆にデザインには満足したものの、リニューアルの目的を達成できないWebサイトになってしまうケースもあります。失敗の背景には、依頼内容の曖昧さやWebサイトに訪問する人の視点がくみ取れなかったことなどが挙げられます。着手前にターゲットユーザーを明確にし、外注先と意識を共有することが重要です。
費用を抑えることにこだわりすぎる
Webサイトリニューアルの見積額を複数チェックし、安さだけで制作会社を選ぶと、完成したサイトのクオリティが低く、失敗に終わるケースもあります。結局は修正等に追加料金がかかり、低予算では済まなくなったという事例もあります。見積もりの内訳を丁寧に確認したうえでスタートさせるよう注意してください。
また、費用を抑えたい旨を相談しつつ、修正や追加事項が発生した際にどのように対応してもらえるのか?事前に確認しておくといいでしょう。費用だけでなく、信頼できる制作会社かどうかを見極めることが大切です。
完成後の運用を考慮していない
Webサイトはリニューアル後に運営し続けていくことが大切です。完成を大きなゴールにしてしまうと、肝心の運営が行き詰まり失敗に終わります。Webサイトのリニューアル後に更新が滞り、情報を最適なタイミングで届けられないという失敗事例もあります。リニューアル後の運用を事前に明確にして社内で共有し、外注先には納品後のエラーなどに迅速に対応をしてもらえるのかなど、アフターサポートについても確認しておくといいでしょう。
外注にて失敗を避けるにはコミュニケーションを十分にとり、お互いの認識をすりあわせておく必要があります。Web制作会社に依頼をする際には見積もりと対応してもらえる範囲や内容をしっかり確認し、自社に合うところを見つけるようにしてみましょう。
自社サイトを失敗事例にしない3つのポイント
よくある失敗やつまずきポイントを知っておけば、Webサイトリニューアルは成功へと近づきます。リニューアルを検討中という方は、自社サイトを失敗事例にしないためのポイント3つをおさえておきましょう。

POINT1:手段と目的を分ける
サイトリニューアルは手段であり、本来の目的とはしないこと。目的と方針を明確化したうえで、理想と現状のギャップを埋めるための項目をWebサイトに落とし込みましょう。
POINT2:社内関係部署を把握
Webサイト担当者は、リニューアルに関わるすべての関係部署と担当者を事前に把握しておきましょう。各部署が抱えている問題点や改善策などを確認して、Webサイトに必要なポイントを擦り合わせしてください。社内で顔が広い方をプロジェクト主幹担当者にすると連携がとりやすくなります。
POINT3:リニューアルの成果を共有
Webサイトをリニューアルする目的や達成したい成果を明確にして社内で共有しましょう。社内全体が共通のゴールを持つことで、Webサイトリニューアル担当者以外の社員からの協力も得られます。お互いに協力体制を築き、プロジェクトを進行しやすい環境をつくりだしましょう。
Webサイトは担当者だけでなく、企業全体にとっても重要な役割を果たします。各部署や社員一人ひとりが密接に関わっていることを意識して、みんなで目指すゴールを共有することが大切です。企業全体にとってリニューアルの方向性が明確になれば、社員も協力しやすくなるでしょう。
社員の関係者を意識すれば連携もとりやすくなり、プロジェクトの進行で失敗することもなくなるかもしれません。最初に目的が明確であれば、ベンダーも提案しやすく各部署も懸念点を素早く確認できます。スケジュールを共有して進行に協力してもらえれば、適切なタイミングで要望を汲み取ることもできるでしょう。
Webサイトリニューアルにおいて漠然とした不安を抱えていた方は、ぜひ失敗事例を参考にしてみてください。
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コニカミノルタジャパンでは実際にあった実例をもとに、「Webサイトリニューアルで頻出するつまずきポイント」と「不安を回避する方法」をご紹介しています。Webサイトの技術的な面ではなく、社内でリアルに起きやすい失敗事例をまとめています。
各企業にあわせた実践的な様々な課題解決プランをご紹介していますので、Webサイトのリニューアルをご検討の方は、まずは最初の一歩として是非ご活用ください。