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世界最軽量、ワイヤレスタイプの
カセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR(エアロディーアール)」 新発売
2011年4月20日
コニカミノルタエムジー株式会社(本社:東京都日野市、社長:児玉 篤、以下 コニカミノルタ)は、世界最軽量※1、ワイヤレスタイプのカセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR(エアロディーアール)」を発売いたしました。
商品名 | AeroDR 製造販売認証番号 222AIBZX00035000 |
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標準価格 | 32,750,000円(税別) |
発売日 | 2011年3月18日 |
主な特長 | ・世界最軽量※1 ・ワイヤレスタイプ(無線データ送信対応) ・CR※2の約半分のX線照射量でも高画質 ・省電力設計 |
医療情報のIT化が急速に進む中、X線撮影の分野においても、新たなデジタルX線撮影装置として画像をダイレクトに取得出来るDR※3が実用化され、この10年間でX線装置一体型のDRとして大病院を中心に普及してきました。しかしながら、カセッテ撮影の多くは、依然CR※2が使用されているのが現状です。カセッテタイプDRも徐々に導入されつつありますが、カセッテ用途には重量が重く、また、パネルへの電源供給とデータ通信を兼ねた有線ケーブルが付属しているなど、作業性に影響する問題を多く残していました。コニカミノルタは、カセッテ型DRに求められる要件と機能を分析し、これらの問題を解決したカセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR」を開発しました。
今回発売した「AeroDR」は、画像データの送信が無線で行えるワイヤレスタイプのカセッテ型DRとしては世界最軽量※1の2.9kgを実現。整形外科領域の撮影などで、カセッテをハンドリングする際の作業性を格段に向上させます。さらに、独自に開発した自社生産のヨウ化セシウム(CsI)シンチレータ(蛍光体)※4使用により、CRに比べ約半分のX線照射量でも高画質の診断画像を得ることができます。
また、環境・エネルギー分野を中心に次世代バッテリーとして注目されているリチウムイオンキャパシタ※5を業界初採用。安全性が高く発火の危険性が無い、充電速度が速い、充放電を繰り返しても劣化しにくいという特長があり、30分でフルチャージが完了する高速充電を実現しました。さらに、画質性能や処理能力とトレードオフの関係にある消費電力問題を新開発のICや様々な設計技術により解決。大幅な消費電力の削減にも成功しました。
カセッテサイズはISO4090に適合しており、既存の撮影台にそのまま使用することができます。このためコスト面も含めて導入し易く、より多くの医療現場でX線照射量の低減とデジタル画像診断のさらなる効率化に貢献できるものと考えます。
コニカミノルタは、今後も医療用画像分野において最先端の技術開発に挑戦し、質の高い製品・サービス・ソリューションを通じてお客様へ新たな価値をご提供できるよう取り組んで参ります。
カセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR」の主な特長
1.世界最軽量※1
重量は内蔵されたバッテリー含め2.9kgと、ワイヤレスタイプDRとして世界最軽量を達成しました。
また、パネル筐体(外装)に、カーボンファイバーを採用し、これを継ぎ目の無い筒状モノコック構造として仕上げたため、荷重や衝撃に強い、堅牢性の高いパネルを実現することができました。
2.ワイヤレスタイプ
無線対応のワイヤレスタイプですので、操作の妨げとなるケーブルなどが無く、CRカセッテ使用時と同様の撮影環境を提供します。
また、X線曝射後1秒台でコンソールモニターにプレビュー画像が表示されますので、撮影が適正だったか等の確認を瞬時に行う事ができ、これまでに無い快適な操作性を実現します。
3.CRの約半分のX線照射量でも高画質
本製品では、右図のように保護膜(Protective layer)を介さずにヨウ化セシウム(CsI)シンチレータ(蛍光体)※4をTFTセンサーパネル※6上に直接接触させる「直接貼りあわせ技術」を採用したため、シンチレータで発した光をTFTとの接触面で拡散させることなくフォトダイオードまで導くことが可能となり、より精細な画像を形成します。
この新構造と独自のCsI柱状結晶成長技術により、CRに比べ約半分のX線照射量でも高画質の診断画像を得ることができます。
4.省電力設計
画質性能や処理能力と消費電力はトレードオフの関係にあるため、高画質や高速処理を実現しようとすると、相応の消費電力が求められます。コニカミノルタは、このトレードオフ問題に挑戦。画質を左右する重要部品でありながら消費電力が高いReadout IC※7の省電力設計に成功しました。また、無線LANモジュールやCPUの省電力駆動の採用、センサー部への電力供給を維持したまま、その他の部品への電力供給をストップする「センサーオン待機」の実現など、様々な「ダイナミック電力制御技術」により、画質性能、処理能力を維持したまま大幅な消費電力の削減を達成しています。
このため、フル充電後では120画像/2時間の撮影が可能。パネル電源をONしたまま14時間待機させた後でも、約10枚程度の撮影が可能です。
5.業界初リチウムイオンキャパシタ※5採用のバッテリー
環境・エネルギー分野を中心に次世代バッテリーとして注目されているリチウムイオンキャパシタ※5を業界で初めて採用し、パネル本体に内蔵しました。
リチウムイオン二次電池に比べ、リチウムイオンキャパシタは安全性が高く、過充電、落下衝撃などに起因する発火の心配がありません。
また、充電速度も速く、クレードル(専用充電器)を使用した高速充電では、わずか30分程度でフル充電が完了します。バッテリーが残量ゼロの状態からでも3分間の充電で十数枚の撮影が可能なため、緊急の撮影にも即座に対応できます。
さらに、充放電を繰り返しても劣化しにくいことから、バッテリー交換の必要も無く、交換の手間とコストがかかりません。バッテリー交換用の取り出し口が無くなり、バッテリー内蔵の一体型構造が可能となるため、製品強度も格段に高くなっています。
6.既存の撮影台にそのままセット可能
本製品は、X線撮影用カセッテのサイズを規定したISO4090(国内対応規格:JIS Z 4905)に適合しているため、既存の撮影台にそのままセット可能です。コストを抑制しつつX線画像システムのDR化を行うことができます。
また、ローミング技術の採用により、1枚の「AeroDR」を複数のX線撮影室で共通に使うことができます。他にもパネルを複数枚導入した場合にバックアップ運用が行えるなど、安心で効率的な作業環境を低コストで実現することができます。
- ※1
- 2011年4月20日現在。
- ※2
- Computed Radiography: 従来のX線フィルムに代わり、イメージング・プレート(IP)上にX線画像を記録し、これを読み取り装置でデジタル画像に変換する。
- ※3
- Digital Radiography: 照射されたX線をセンサーパネルで受光し、ダイレクトにデジタル画像を得るため、一般的にCRよりも画質が良く、また即時性に優れる。
- ※4
- 放射線を受けて可視光(蛍光)を発光する蛍光体。この発光効率向上により鮮鋭性に優れた放射線診断画像を得られる。
- ※5
- キャパシタとは、静電容量(キャパシタンス)により、電荷を蓄えたり放出したりする電子部品の総称であり、日本ではコンデンサとも呼ばれている。
- ※6
- Thin Film Transistor(薄膜トランジスタ)センサーパネル。
- ※7
- センサーの各画素から電荷を読み出すための部品。
カセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR」の仕様
製品タイプ | カセッテ型ワイヤレスフラットパネルディテクタ |
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シンチレータ(蛍光体) | CsI(ヨウ化セシウム) |
外形寸法 | 383.7(W) ×460.2(D) ×15.9 mm(H) (14×17inch カセッテ同等) |
重量 | 2.9kg |
画素サイズ | 175 μm |
画像領域 | 348.95 × 425.25 mm (1994 × 2430画素) |
耐荷重 | 点荷重:150kg@40Φ 面荷重:300kg@有効画像領域全面 |
通信 | 専用有線イーサネット接続/無線LAN(IEEE802.11a準拠) |
ダイナミックレンジ | 4桁 |
プレビュー表示時間 | 1秒台 |
バッテリー種類 | リチウムイオンキャパシタ |
フル充電所要時間 | 30分以内(専用クレードル使用時) / 60分以内(専用有線ケーブル使用時) |
バッテリー寿命 | パネル製品寿命同等 |
フル充電時撮影可能画像数 | 120画像/2時間 ※60秒サイクル撮影時 |
フル充電後の待機時間 | 約16時間 |
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