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時代の変化を見据えて、企業体質の強化を

2009年1月1日

コニカミノルタホールディングス株式会社
代表執行役社長 太田 義勝

    謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

    昨年は、米国より始まった金融不安や信用収縮が、世界経済に波及し、株価の暴落や急激な為替変動など、未曾有の金融環境の混乱を引き起こしました。この影響は、実体経済にも大きな影を落とし、わが国の経済も、ドル、ユーロの急落など、為替の影響を諸に受けた輸出製造業を中心に、多くの企業が業績の見直しを迫られるという厳しい状況下にあります。

    このような経済状況下にあって、海外売上比率が70%を越す弊社グループも大きな影響を受けています。昨年の第2四半期決算発表では、為替レートをドルは100円から95円へ、ユーロは155円から120円へと見直し、それをベースに売上、利益、共に下方修正を行いました。“厳しい為替レート設定”との評価もあるようですが、敢えてこの設定にした根底には、グローバル事業を展開している弊社にとって、為替変動という当然織り込むべき外的変動要因を、その都度「業績下方修正」の言い訳にしてはならないとの思いがあるからです。

    中核事業の情報機器事業では、オフィス向けカラーMFPや印刷市場向け高速MFPの販売に注力すると共に、積極的な提携やM&Aを行い、商量拡大では一定の成果を収めましたが、北米及び欧州での価格下落や為替変動の影響により、通期では、減益予想となりました。戦略事業と位置付けるオプト事業ではVA-TAC(視野角拡大フィルム)やBD(ブルーレイディスク)用ピックアップレンズやガラスハードディスク基板の販売が拡大し、上期は増収増益基調でしたが、今後は景気後退の影響を視野に入れた、より慎重な生産管理や投資判断が必要になると思われます。

    この厳しい経済状況は長期化するとの見方も多く、景気の一段の冷え込みが危惧される、“冬の時代の到来”とも言えますが、今回の景気後退や円高を一過性のものと捉え、単に経営環境の好転を待つ姿勢では、この困難を乗り切ることはできないと考えます。世界経済のパラダイムシフトを冷静に受け止め、その環境下にあっても利益を生み出せる、強い企業体質の構築を図るべく、抜本的な企業革新を行う良い機会と、捉えるべき時ではないでしょうか。

    弊社グループは今後も継続的な成長を図っていく所存ですが、そのためにもコニカミノルタならではの圧倒的な強みを持つ商材を育成すべく、「選択と集中」を徹底しメリハリの効いた経営資源の投下が肝要であると考えます。一例をあげるならば、高いエネルギー効率を持つ有機ELを始め、環境親和性の高い技術を活用した事業分野への挑戦も今後の重要な取り組みの一つです。 いかなる先進的な機能を備えたマシンであれ、それが地球環境に貢献し得るものでなければ、これからの社会では、“価値ある存在”とは成り得ないでしょう。

    また販売活動では、逆風となった急激な円高も視点を変えれば、グループ外にある有望な技術や新規チャネル獲得の為のM&Aにおいては、プラスに作用する面もあるはずです。我々の強みをより深化させることを意図したM&Aや業務提携は、今後も積極的に取り組んで行く考えです。そして、これらの施策を確実に実現していくうえで求められるのが、社員一人ひとりの“大胆な発想と勇気あるチャレンジ精神”かと思います。弊社グループでは、この思いを「simply BOLD」と言う合言葉に凝縮し、昨年よりグループ全社員を対象とした企業風土の改革を進めております。

    コニカミノルタグループは、今後も経営理念 “新しい価値の創造”の下、大胆な発想で勇気ある挑戦を続け、イメージング領域で必要不可欠なグローバル企業としてステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいります。

本年もなお一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう何卒、宜しくお願い申し上げます。

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