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世界初、任意の光源下で紙の蛍光量を加味した測定ができる
小型分光測色計を開発

2008年8月20日

コニカミノルタセンシング株式会社(本社:大阪府堺市、社長:唐﨑 敏彦、以下コニカミノルタ)は、世界で初めて、任意の光源下で紙の蛍光を加味した測定ができる機能を搭載し、さらに印刷物の色とディスプレイの色を一台で測定できる小型分光測色計を開発しました。

近年、印刷やデザイン等のグラフィック関連業界のデジタル化に伴い、プリンタや印刷機およびディスプレイについての色調整、色評価の重要性はますます高まっています。

 印刷用紙はその多くが蛍光紙であり、印刷色の評価をするには紙の蛍光は無視できません。また、現在、改定中のISO13655(グラフィック業界向けの分光測色と色彩計算に関する規格)においてD50光源(色温度5000度の昼光)下での蛍光を含む色評価が標準化される予定です。しかし、D50光源下で蛍光量を加味した測色のできる測色計は存在しませんでした。

今回、コニカミノルタが開発した小型分光測色計は、独自開発のVFS(Virtual Fluorescence Standard)技術に基づく測定値の算出により、任意の光源下における蛍光の影響を加味した色評価が可能です。例えばプルーファによる校正刷りとオフセット印刷機による印刷物の測色値の比較などにおいて、これまで不可能であった、印刷業界標準のD50光源下での蛍光を考慮した色評価が可能になります。
さらに、分光放射輝度を測定することにより、ディスプレイのキャリブレーションやカラーマネジメントにも使用できます。
当製品には、校正時に分光反射率のずれだけでなく波長方向のずれも自動的に補正する技術が盛り込まれているため、小型軽量化に伴う測定値の経時変化を自動補正でき、印刷物の測定およびディスプレイの測定ともに、信頼性の高い測定値を得ることができます。

コニカミノルタはこれまで、自動車、プラスチック製品など工業製品の色品質管理用途に、小型・軽量ながらカラー液晶やBluetooth機能を搭載した分光測色計「CM-700d」などの製品をラインアップしており、各産業界にて幅広くご活用いただいています。また、10万対1のコントラストを測定できる分光放射輝度計「CS-2000」や、生産ラインでの調整用途に耐えうる高速測定が可能なディスプレイカラーアナライザ「CA-210」を始めとした、ディスプレイ業界では標準機ともいえる測色計を開発・製造し、高い評価を獲得してまいりました。  今回開発した小型分光測色計は、これらの製品に盛り込まれた技術を基盤として、プリンタ・印刷機やディスプレイの色調整、色合わせといったグラフィック関連業界に適した技術を新開発し、搭載したものです。コニカミノルタでは当製品を、キャリブレーションやカラーマネジメントのソフトウェア等を開発・販売する企業に対して、入力デバイスとして提供していく予定です。

さらに今回、小型分光測色計とは別に、高温の保管環境にも耐えうる三刺激値タイプの小型センサを開発しました。この製品は、ディスプレイ内蔵のキャリブレーション用デバイスとしてご利用いただくことを想定しています。

コニカミノルタは、今回開発した小型分光測色計および小型センサを通じて、グラフィック関連業界に有用な製品・サービスの提供に取り組んでまいります。

製品の特長

1.世界初、任意の光源下での紙の蛍光の定量測定が可能

従来、印刷物の色測定にあたっては、蛍光の影響を除去するUVカットフィルタを搭載したタイプか、特定の光源下のみで蛍光の影響を加味して測定するタイプしかなく、目的に応じて使い分ける必要がありました。 今回開発した小型分光測色計は、独自開発のVFS(Virtual Fluorescence Standard)技術により、蛍光の影響を除去した測定はもちろん、紙の蛍光成分の測定および、標準光源AやD50などの任意の光源下における、蛍光の影響を加味した測定値の出力が可能です。

各波長の強度と2分光放射係数から、任意の光を照射した場合の蛍光量を算出する技術

2.印刷物の色とディスプレイの色を一台で測定可能

印刷物の測定に加えて、分光放射輝度を測定することにより、ディスプレイのキャリブレーションやカラーマネジメントにも使用できます。多くのディスプレイメーカーで基準とされている、コニカミノルタの分光放射輝度計の基準に沿ったトレーサブルなデータを得ることが可能です。

3.波長の自動校正機能により、高信頼性を確保

分光測色計では一般的に、白色校正において分光反射率係数(縦軸)の校正を実施します。当製品は、センサに内蔵したUV LEDによる校正機能で、白色校正ごとに波長方向(横軸)の校正も自動的に行うことによって、測定値の信頼性を格段に向上させています。

4.マウス機能の一部代替が可能

マウス様の形状を活かして、測定ボタン以外に2個のキーを付加しています。それぞれのキーには、当製品を使った測定に関する任意の機能を割り当てることが可能です。たとえば、あるキーに測定キャンセル機能を割り当てることで、測定に失敗した場合にも、測色計をパソコン用のマウスに持ち替える操作なしにキャンセルが可能になり、作業効率が向上します。
(キーへの機能割り当てについては、ソフトウェアベンダーでの設定を想定しています。)

5.高速スキャンにより、連続測定が可能

毎秒約400回の高速スキャンが可能です。これにより、スキャンが早過ぎることに起因するエラーが少なくなり、手動による連続測定の際の作業負荷が低減します。

蛍光測定しないモードのみ
  • ここに記載の内容、仕様および外観は都合により予告なしに変更する場合があります。

お問い合わせ先
コニカミノルタセンシング株式会社
TEL. 072-241-3272
E-mail:di-sensor@konicaminolta.jp

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