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40μmの高確度を実現、高い信頼性が要求される工業用途に最適な
「非接触3次元デジタイザ KONICA MINOLTA RANGE7(レンジセブン)」を発売
2008年1月16日
コニカミノルタセンシング株式会社(社長:古川 博 以下コニカミノルタ)は、鋳鍛造・プレス・プラスチック成形パーツ等の3次元形状を高精度に測定できる、「非接触3次元デジタイザ KONICA MINOLTA RANGE7」を新発売します。
商品名 | 非接触3次元デジタイザ KONICA MINOLTA RANGE7 |
---|---|
発売日 | 2008年3月下旬発売予定 |
KONICA MINOLTA RANGE7
3次元デジタイザとは、実在する立体物(部品・模型等)をスキャンして得られる3次元データをコンピュータに取り込む作業(モデリング)を行う装置です。
コニカミノルタは1997年に、レーザ光を利用して物体の3次元形状を非接触で瞬時に測定できる、コンパクトなカメラタイプの非接触3次元デジタイザ「VIVID (ヴィヴィッド)700」を発売開始しました。以後、普及価格帯の「VIVID 300」、文化財・人体計測、各種産業用途向け「VIVID 900 / 910」を発売、非接触3次元デジタイザ市場をリードしてまいりました。さらに2004年には高精度モデル「VIVID 9i」をラインナップに加え、鋳鍛造品、プレス、プラスチック等の各種部品や金型の開発・製造の場において、高い評価を獲得しています。
近年、3次元CADの普及により、従来の図面ベースではなく3次元デジタルデータでのやり取りが一般的になっています。また、ものづくりにおける高いレベルでの品質管理の必要性に伴い、製品や部品の開発・生産の初期段階において問題を早期に発見し解決することが求められています。このような状況の中、非接触3次元デジタイザの市場は、自動車産業を中心としたさまざまな製造業において急速に成長するとともに、さらなる高精度や操作性の向上への要望がますます高まっています。
今回発売する「KONICA MINOLTA RANGE7」は、VIVIDシリーズのコンセプトを継承しつつ、高度な市場ニーズに応える新シリーズの製品です。131万画素CMOSセンサを新規に採用し、ガイドラインVDI/VDE 2634*1に沿ったボールバー*2による精度検査において±40μm※という、非接触カメラタイプとしては最高レベルの保証確度*3を実現しました。
- *1
- VDI/VDE 2634 : ドイツで2002年に発行された光学式測定機の検査に関するガイドライン
- *2
- ボールバー : バーの両端に球が取り付けられた形状の精度評価用装置
- *3
- 確度 : 指定された条件における誤差限界で表した計測機器の精度
ボールバーによる検査方法は、現在策定中のCMM(coordinate measuring machine:接触式および非接触式の3次元座標測定機)の検査に関する日本工業規格案にも、採用が予定されています。コニカミノルタでは、その最も厳しい基準の一つである「VDI/VDE2634 パート2」を基にして産業技術総合研究所*で校正されたボールバーによる検査を、業界に先駆けて「KONICA MINOLTA RANGE7」において導入。本機において全台数実施してまいります。これにより、鋳造等素形材全般、プレス品、射出成形品、各種機械加工品等の分野で、開発から試作段階でのリバースエンジニアリングや図面通りに実物ができているかの検証といった、ものづくりの現場で特に高精度が求められる用途において、高い信頼性を確保します。
- *
- 産業技術総合研究所: 計量の標準や、産業基盤技術の研究、新産業創出に向けた研究と成果普及のため設立された、経済産業省所管の独立行政法人
「KONICA MINOLTA RANGE7」は高い性能とともに、優れた操作性を備えています。従来機種の1/2以下、約6.7kgの軽量・コンパクト設計で、測定現場において高い機動力を発揮。ワンショット約2秒の高速スキャンが可能な上、レンズ交換方式により幅広いスキャンエリアを確保できます。
また、コニカミノルタならではの高度なフォーカシング技術を駆使したマルチフォーカスモードを搭載、高品質な測定結果が簡単に得られます。さらに、測定結果が予測できる3Dプレビュー機能や、ソフトウェア上に操作手順を表示するナビゲーション機能等により操作性の向上を図っており、初めて非接触3次元デジタイザをお使いのお客様にもスムーズにご導入いただけます。
コニカミノルタは、長らく培った高速、高精度3次元計測技術と経験を活かし、今後も研究開発から製造現場に至るものづくりの現場において、価値あるソリューションを提供してまいります。
製品の特長
1.±40μm※ の高確度と使用環境に影響されない高い信頼性を実現
高精細な形状入力が可能な131万画素CMOSセンサを新規に採用、さらに光学系の新設計等により、ガイドラインVDI/VDE 2634に沿ったボールバーによる精度検査において±40μm※という、非接触カメラタイプとしては最高レベルの保証確度を実現しています。
また、現場使用を前提とした設計を徹底し、測定時の本体の傾きや温度変化等の外乱による影響を最小限に抑えることにより、工場等の使用環境においても高い信頼性を発揮します。さらに、新センサ部と独自の新測定アルゴリズムによりダイナミックレンジが大幅に拡大しました。金属面等の光沢のある対象物の測定に威力を発揮します。
2.ワンショット約2秒の高速スキャンとさまざまな新機能により操作性を向上
独自の高速処理回路により、ワンショット約2秒の高速スキャンが可能です。測定対象物の大きさに合わせて交換できる、TELEおよびWIDEのレンズを標準装備しており、幅広いスキャンエリアを確保できます。
また、測定結果が予測できる3Dプレビュー機能を搭載しており、スキャンエリア内の奥行きや死角、表面状態によるスキャン結果の良否を事前に把握することができるため、スキャンミスを大幅に軽減できます。さらに、コニカミノルタならではのオートフォーカス(AF)機能を進化させ、フォーカス位置を自動でずらすことにより高精度で鮮明な3次元計測データが得られるマルチフォーカスモードや、ユーザーが指定した位置にピントを合わせられるポイントAF機能も備えており、測定対象の微妙な位置を気にすることなくスキャン作業を行うことができます。
3.従来機種の1/2以下、約6.7kgの軽量・コンパクト設計
専用測定スタンドに装着した測定例
質量、体積ともに従来機種の1/2以下という軽量・コンパクト設計により、カメラとコントローラの一体型ボディで約6.7kgを実現、現場環境で高い機動力を発揮します。
また、オプションの専用測定スタンドを使用することで、本機を動かして測定する必要のある場合でもストレスなく作業できます (従来機と同様に三脚への取り付けも可能) 。さらに、ユーザー校正もスタンドに取り付けたまま行えます。
4.大容量データ処理が可能、操作性を向上させた新開発スキャンソフトウェア
「RANGE VIEWER」の画面例:インテークマニホールド(鋳造部品)の測定データ
本体のスキャンコントロール、測定データの位置合わせ、統合までの編集機能を持つ、新開発の3次元データ処理ソフトウェア「RANGE VIEWER」を標準付属。スキャン作業とスキャンデータの編集作業がシームレスに可能な新GUIを採用しました。また、Windows Vista 64bitに対応し、大容量データの取扱いが可能です。さらに、ナビゲーションウインドウに操作方法や手順を表示するナビゲーション機能も備えており、初心者の方でも簡単、迅速に操作できます。
- ※
- ガイドラインVDI/VDE 2634に沿ったボールバーに基づく検査による。
TELEレンズ使用、距離450mm、環境温度20℃±1℃ その他当社指定条件において。
非接触3次元デジタイザ KONICA MINOLTA RANGE7 仕様
測定方式 | 三角測量 レーザ光切断方式 | ||
---|---|---|---|
光源 | 半導体レーザ λ=660nm | ||
レーザクラス | クラス2 IEC60825-1 amendment2 | ||
撮像画素数 | 131万画素(1280×1024) | ||
測定距離 | 450mm~800mm | ||
受光レンズ(交換式) | TELE /WIDE | ||
測定範囲 (単位:mm) |
X×Y | Z | |
TELE 距離450mm |
79×99 | 54 | |
TELE 距離800mm |
141×176 | 97 | |
WIDE 距離450mm |
150×188 | 109 | |
WIDE 距離800mm |
267×334 | 194 | |
XY方向測定間隔 (単位:mm) |
TELE 距離450mm |
0.08 | |
TELE 距離800mm |
0.14 | ||
WIDE 距離450mm |
0.16 | ||
WIDE 距離800mm |
0.28 | ||
確度(球間距離)*1 | ±40μm | ||
精度(Z,σ)*2 | 4μm | ||
オートフォーカス | 有 | ||
オートエクスポージャー | 有 | ||
スキャン時間 | 約2秒~(1スキャン) | ||
プレビュー機能 | 有(約0.4秒/スキャン) | ||
スキャン可能環境光 | 500 lx以下 | ||
ファイルフォーマット*3 | 入出力:独自フォーマット.rgv、.rvm 出力のみ .stl | ||
出力インターフェース | USB2.0 HighSpeed | ||
電源 | 専用ACアダプタ- ACA-324 | ||
AC商用電源100-240V(50-60Hz) | |||
定格1.4A(100V AC入力時) | |||
外形寸法 | 295(幅)×190(高さ)×200(奥行)mm(グリップ、レンズを除く) | ||
質量 | 約6.7kg | ||
動作保証温度範囲 | 10~40℃(相対湿度65%以下/結露しないこと) | ||
保管温湿度範囲 | -10~40℃(相対湿度85%以下[35℃の時]/結露しないこと) |
- *1
- VDI/VDE2634-2 に定めるボールバー(2球)について当社条件により球間距離を測定した場合
当社条件:温度20±1℃/TELEレンズ使用/距離450mm/ウォーミングアップ 20分/当社処理ソフト使用/校正あり/測定対象:当社標準器(2球)/測定物配置 当社基準位置(測定空間内の10箇所)/標準器の値付けの不確かさは含みません - *2
- 測定条件:温度20±1℃/TELEレンズ使用/距離450mm/ウォーミングアップ 20分/測定対象 当社基準平面チャート/当社処理ソフト使用/1σ値
- *3
- 当社処理ソフト使用
3次元データ処理ソフトウェア RANGE VIEWER 仕様
データ読み込み | 独自フォーマット: .rgv(1ショットデータ群) .rvm(複数データ) |
---|---|
データ出力 | ASCII点群、バイナリ点群(法線ベクトル含む) |
独自フォーマット: .rgv、 .rvm | |
測定機能 | モニタ画像、プレビュー、AF・AE、測定 |
回転ステージ制御(当社別売アクセサリに対応) | |
編集機能 | データ位置合わせ、データマージ(結合)、点群削除 |
描画 | 点群シェーディング |
OS | Windows Vista 64bit(x64) |
---|---|
CPU | Core2Duo、Xeon以上 |
RAM | 4GB以上 |
ディスプレイ | 1280×1024以上表示可能なグラフィック機能 |
グラフィックボード | OpenGL対応ボード (当社にて動作確認済みボードの使用を推奨) |
インターフェース | USB2.0ポート |
- ここに記載の内容、仕様および外観は都合により予告なしに変更する場合があります。
- ここに記載の会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。