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コニカミノルタホールディングス株式会社 2007年入社式 社長訓示

2007年4月2日
コニカミノルタホールディングス株式会社
代表執行役社長 太田 義勝

新入社員の皆さん、本日は入社おめでとうございます。
コニカミノルタを代表して皆さんの入社を心から歓迎いたします。

  当社は2003年夏に、経営統合により誕生した“コニカミノルタ”ですが、発足からすでに3年半が経過しました。この僅か数年の間においても、市場環境の変化、技術の進化など、経営環境の変化は速く、かつ激しく、これに遅れることのないように当社の経営も積極的に変革を進めています。

  昨年1月には、かつてのコニカ、ミノルタそれぞれの創業の事業でもあったフォトイメージング事業の終了を決断し、5月には新たな中期経営計画『FORWARD 08』を発表しました。
私達は、いつまでも過去の成功体験に拘るのではなく、ここぞと言う成長領域を見極め、その領域でトップポジションの獲得を目指す「ジャンルトップ戦略」を掲げ、グループ一丸となって事業の強化・発展に取組んでいます。

  ご存知のように、コニカミノルタの経営理念は“新しい価値の創造”であり、経営ビジョンは“イメージングの領域で感動創造を与え続ける革新的な企業”、“高度な技術と信頼で市場をリードするグローバル企業”です。この理念やビジョンの中に、“コニカミノルタがお客様にとってどのような企業であるべきか”、との思いが込められておりますので、皆さん一人ひとりの胸にしっかり刻んでおいていただくことを希望するものです。

  さて、当社グループでは、皆さんが各職場に配属後、それぞれの任務に励んで頂くにあたって、大切な考え方となる「人事理念」を設けてあります。この人事理念は“イメージングの領域において市場をリードする企業を目指し、過去の成功体験や慣習にとらわれずに、お客様の視点に立ち、常に変革し続ける人”を尊重していくことを提唱しています。
この人事理念を一言で表すものとして、社内で自然発生的に「とんがり」と言う言葉が生まれました。この言葉が想定する人材像とは、例えば“少々角が立っても構わない、それぞれが考えるところを存分に意見として戦わせ、周囲を説得し組織を動かす人”、“組織の中にあっても常に危機感を持ち高感度のアンテナを張り、自らを変えながら新しい事に挑んで行く人”そして“既成概念を壊すことを恐れぬ人”です。このような人達がコニカミノルタ内に大勢居て、日頃から切磋琢磨する、そんな活力溢れる企業集団で在り続けたいと考えています。

  では、私から、新入社員としての皆さんに望むことを三つお伝えしたいと思います。

  一つ目は、コニカミノルタ社員としての基本的な心構えですが、「グローバル化」と言う事を常に意識して頂きたいと言う点です。コニカミノルタグループは、世界40ヶ国に拠点を持って世界中で広く事業展開を行っている日本屈指のグローバル企業であり、海外売上比率は70%を超えています。これがコニカミノルタグループの特徴であり、“強み”にもなっています。同様に当社に投資する株主も40%以上が海外株主となったと見込まれています。
当社のシンボルマークである「グローブマーク」は、コニカミノルタの無限の広がりと世界中のお客様に対する新しい価値の提供を表現したものです。今日から皆さんは世界をフィールドとしてそれぞれの業務にあたっていただきますが、そこで求められるのが、環境問題も含めて、地球規模で物事を眺め考える「視野の広さ」です。開発・製造・販売あるいは人材活用の面においても、日本を基準にしかおいていない発想では、とてもグローバル競争の中で勝ち残っていくことは出来ません。
また、文化や生活習慣の異なる人々を理解し、未知の分野を切り拓いてゆく“行動力”も重要な要素です。そこにあっても、“Open”、“Fair”な姿勢、即ち、物事を広く捉え合理的に行動していくことが不可欠であり、お客様やパートナーと確かな信頼のベースを構築していくためにも普段から“グローバル”と言うことを意識して取組んでいただきたいと思います。
そのような円滑なコミュニケーションを図っていく上では、やはり語学力は必須となります。皆さんの柔軟な思考や誠実な行動を、より多くの人達に正しく分かって頂く手段として語学には、若い内に積極的に取組んで下さい。会社としても、語学力の向上に意欲のある方には、様々な支援体制を準備しています。

  二つ目は、皆さん一人ひとりが、新しい“コニカミノルタ”ブランドを創り上げていくのだ、という自覚を持っていただきたいことです。
“コニカミノルタ”は、長らく写真産業を世界規模で展開し、世界的な知名度と高い技術への信頼の証ともなってきました。また膨大な数のお客様との接触をもってきたのですから、今なお、カメラやフィルムの会社と言うイメージが残っています。将来を見据えてこの事業の終了を昨年度に発表し、この一年を掛けて事業終了に関わる作業を概ね完了しましたが、折角、多くのお客様に馴染んでいただき信頼を勝ち得たブランドイメージを無為に風化させてよいものではありません。“何を作っている会社”か“どんな価値を提供している会社”なのかが分からないまま放置してよい訳はありません。

  当社の事業は、世界のトップレベルにあるカラー複合機・プリンタを擁する情報機器事業、先進的な各種光学デバイスを掌るオプト事業、そして医療・印刷機器の事業、産業用計測機器事業、産業用インクジェット事業、プラネタリウム事業という具合に、直接一般消費者を対象としたものから、所謂B2Bと言われる領域に移ってきています。私は、イメージングの分野において先進的な技術を追求し、常にお客様から高い信頼を受け満足していただける課題解決型の企業として、また多くのお客様をわくわくさせるそういう企業のイメージを築きあげたいと考えています。
しかしそのようなイメージは、けして広告や宣伝のみで構築できるものではなく、私達の製品や日頃の仕事を通じて、コニカミノルタに接して頂く世界のお客様に対してお約束した価値が正しく提供でき、満足が積みあがっていくことでこそ、広がり高まっていくものだと言えます。従ってコニカミノルタで働く私たち一人ひとりがお客様から高く評価される存在となっていくことが重要であり、ブランドイメージを体現する私たち自身であると言えます。

  三つ目は、フレッシュマンである皆さんだからこそ出来ることとして、会社の中に“新しい空気”を大いに吹き込んで欲しいと言うことです。
組織と言うものは、年数が経てばどうしても過去の成功体験や従来思想で前例を踏襲し、それで良しとするところがあります。これを打ち破るのは新鮮な発想です。
コニカミノルタは誕生して3年半ですが、その多くは統合以前からの事業や人たちで構成されています。皆さんは当社に来られるまでは学生として、最も新しい学問に触れ、新鮮な社会の空気を吸ってこられた訳ですから、最もフレッシュな感覚を持っておられるかと思います。ぜひ皆さんには躊躇することなく、職場に新しい空気、新鮮な風を積極的に吹き込んでいただきたいと思います。

今日から皆さんはコニカミノルタの一員です。お客様の期待に応え、グローバル市場における競争に勝ち抜き、発展を続けていくには皆さんの若い力が必要不可欠です。
私もコニカミノルタの発展のために全力を傾けてまいりますので、皆さんも思う存分、持てる力を発揮するべく“とんがって”考え、“とんがって”行動してください。
そして新しいコニカミノルタを築いていきましょう。皆さんの可能性に大いに期待しています。

本日は入社、誠におめでとうございます。

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