ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。お客様がご覧いただいた時点で、情報が変更(生産・販売が終了している場合や、価格、仕様など)されている可能性がありますのであらかじめご了承下さい。電話でのお問い合わせはこちらをご覧下さい。
コニカミノルタと米国UDC社が協業強化
コニカミノルタにて有機EL*1白色発光デバイスの製品化を加速
2006年10月16日
コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社
ユニバーサル ディスプレイ コーポレーション
コニカミノルタテクノロジーセンター(社長:松崎正年、本社:東京都日野市、以下「コニカミノルタ」)と、米国のユニバーサルディスプレイ コーポレーション(Universal Display Corporation, 社長兼COO:Steven V. Abramson、本社:米国ニュージャージー州、以下「UDC」) は、今後コニカミノルタにて有機EL白色発光デバイスの製品化を加速するにあたり、協業関係を強化いたします。
コニカミノルタでは、本年6月に、実用可能な初期輝度1000カンデラ*2/m2で、世界最高発光効率(64ルーメン*2/W)の有機EL白色発光デバイスの開発について発表しました。この開発においては、青色リン光材料・技術をはじめ多層薄膜設計技術などコニカミノルタ独自で開発した有機EL技術・材料に、UDCが基本特許を有する赤色と緑色の有機ELリン光発光技術と材料を組み入れております。
現在、コニカミノルタでは、ディスプレイのバックライトや照明への応用が期待される有機EL白色発光デバイスの量産化に向けて技術開発を加速しており、製品化するデバイスでは3色ともに、リン光発光材料を使用する予定です。
UDCの有機ELリン光発光技術は、従来の有機EL技術と比較し約4倍の発光効率を得ることができ、携帯電話から大画面TVに至るまで各種ディスプレイ用やその他モバイル機器用に大変有望な技術です。UDCでは、ここ数年にわたり、赤・緑・青色の有機ELリン光発光を用いたシステム分野で、次々と画期的な成果を発表しております。UDCの有機ELリン光発光材料は、米国PPGインダストリー社に生産委託しており、現在、数々の電子機器メーカーにて評価中ないし商品に組み入れられ実用化されております。
コニカミノルタはイメージング領域の入出力分野を事業ドメインとし、これからのユビキタス社会に向けて、有機ELをはじめとしたディスプレイ関連材料やコンポーネンツについて積極的な研究開発を進めています。 有機EL用素材については、銀塩写真感光材料開発や色素開発で培われてきた素材の分子設計、精密有機合成技術を活かし開発に取り組んでおり、高効率・長寿命の青色リン光材料の開発に成功致しました。加えて、長年にわたる写真感光材料の開発で培われた層内、層間の相互作用を精密に制御する多層薄膜層設計技術を基に、高効率・低電圧駆動の斬新な積層構成を有する有機EL白色発光デバイスを開発致しました。更にカメラの開発で培われた光学設計技術を活かし、独自の有機EL素子光取出し技術も開発しています。
コニカミノルタテクノロジーセンター社長の松崎正年は、「このたびの有機EL白色発光デバイスの開発では、UDCの協力のおかげで成果を得ることができました。今後、デバイスの製品化に向けてUDCとのパートナーシップを一層強化していきたいと思います」と述べています。
UDC社長のスティーブン・アブラムソンは、「イメージングの領域で世界をリードする革新的企業であるコニカミノルタとの協業では、大変良い成果が出ております。コニカミノルタの有機EL白色発光デバイスの製品化に向けて、UDCとしても最先端の技術と材料で引き続き協力していきたいと思います」と述べております。
- *1
- 有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス): 有機物の発光素子で、低電力で高い輝度が得られ視認性が高い上、薄くて均一に面発光するディスプレイ材料。「蛍光発光」と「リン光発光」があり、「蛍光発光」は既に商品化されているが、効率面で圧倒的に優位な「リン光発光」はまだ開発段階で、次世代有機ELとして注目されている。
- *2
- カンデラ、ルーメン: ともに国際単位系における明るさの単位。数値が大きいほど明るいことを意味する。
コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社の概要
本社所在地 | 東京都日野市さくら町1 |
---|---|
代表者 | 代表取締役社長 松崎 正年 |
設立 | 2003年10月 |
資本金 | 50百万円 |
従業員数 | 約600名 |
事業内容
コニカミノルタグループ内の研究開発、新規技術の事業化推進および知的財産の管理運営、デザインの受託など行なう研究開発の中枢組織。材料・光学・微細加工・画像のコア技術をベースに、それらを融合化・複合化することによる革新的技術の創出に取り組んでいる。今後さらなる用途拡大が期待される有機EL材料、ディスプレイ用コンポーネンツ、デバイス・システム技術を融合したユビキタスイメージング機器など、将来の事業化につなげる技術開発を行なっている。
ホームページ
ユニバーサル ディスプレイ コーポレーションの概要
本社所在地 | 375 Phillips Boulevard, Ewing, New Jersey 08618, U.S.A. |
---|---|
代表者 | Steven V. Abramson, President and COO |
設立 | 1994年 |
資本金 | US$197百万 |
従業員数 | 65名 |
事業内容
有機EL分野におけるリン光発光基本技術の権利を有し、フラットパネルディスプレイ、照明、通信および光学電子機器用の有機EL技術の開発・商品化および有機EL技術のライセンス供与などを行なう同分野での世界的リーディングカンパニー。数多くのグローバル企業をはじめプリンストン大学、南カリフォルニア大学、ミシガン大学などと協力関係にあり、有機ELの更なる技術開発、パートナー企業への技術移転等を行なっている。