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鋳鍛造・プレス・プラスチック成形パーツ等の3次元測定に最適な
工業向け非接触3次元デジタイザ
「コニカミノルタ VIVID(ヴィヴィッド) 9i」を発売

2004年5月10日

コニカミノルタセンシング株式会社(社長:古川 博)は、鋳鍛造・プレス・プラスチック成形パーツ等を高精度に3次元測定できる、工業向け非接触3次元デジタイザ「コニカミノルタ VIVID 9i」を発売します。

コニカミノルタ VIVID 9i
標準価格 4,830,000円(税抜4,600,000円)(ポリゴン編集ソフトウェア、交換レンズを含む)
発売日 2004年7月下旬
3次元データ統合ツール「Easy Align Tool II」(仮称・別売)
標準価格 2,835,000円(税抜2,700,000円)(ハードウェア、ソフトウェア一式)
発売日 2004年8月下旬

   当社は1997年以来、物体の3次元形状を非接触で瞬時に測定できる、従来に例のないコンパクトなカメラタイプの非接触3次元デジタイザ「VIVID シリーズ」を、大学、官公庁をはじめ一般企業向けに販売し、非接触3次元デジタイザ市場をリードしてまいりました。

  3次元デジタイザとは、実在する立体物(部品・模型等)をスキャンして得られる3次元データをコンピュータに取り込む作業(モデリング)を行う装置のことで、工業系分野を始め、研究機関、CG制作等、さまざまな分野における3次元データ制作の効率化を実現します。
  この度発売する「VIVID 9i」は、新設計のハードウェアと測定アルゴリズムの改良により、当社従来機の約4倍、50μmの測定確度※1を実現し、自動車の鋳鍛造・プレス・プラスチック成形パーツ等の3次元測定に対応できます。モックアップや試作品の形状・寸法データを設計図面に反映させるリバースエンジニアリング※2や試作、量産プロセスにおける形状確認、型承認、品質検査などにご活用いただけます。

   さらにオプションとして、フォトグラメトリ(写真測量)技術を活用した、「VIVID 9i」専用の3次元データ統合ツール「Easy Align Tool II」(仮称)を発売します。これによって自動車のドアやバンパー、インストルメントパネルなど、従来機では測定データの統合が困難であった比較的大きなパーツも、すばやく高精度に測定・データ統合ができるようになりました。

  工業用非接触3次元デジタイザは従来1000万円以上、システムでは2000万円を超えるものが、一般的でしたが、「VIVID 9i」は、システム価格を1000万円以下に抑えながら、工業用途に耐えうるハイスペックを実現した3次元デジタイザです。
  当社では、本システムにより、これまで主なユーザー層であった完成品メーカーのみならず、パーツサプライヤーへの普及を促進し、設計・製造部門など、ものづくりの現場における3次元CAD/CAM/CAE/CATをはじめとするデジタルプロセスツールが、これまで以上に効率よく運用できるようなソリューション、「Digital Process Re-engineering」 を提案してまいります。

  「VIVID 9i」は、以下の業種、用途などにご利用いただけます。

自動車、二輪メーカーやパーツサプライヤー

  • 鋳造、鍛造パーツの寸法検査、2次加工シロのチェック
  • プレス・プラスチック成形品の精度検証、部品検査、機構部品との干渉チェック、型の検証
  • シート、タイヤ、衝撃緩衝材等の検査、解析
  • シート、ヘッドレスト、ホイールなどの実物やモックアップ、スケールモデルによるリバースエンジニアリング※2

重工、鉄鋼、重機メーカー

  • タービンブレード、鋼管、鋼板などの検査および重機デザイン

他メーカー

  • 外壁材、内壁材、ユニットバス等の検査やリバースエンジニアリング
  • 電車レール、水力発電用タンク、タービンブレード等の磨耗チェック

  なお、「VIVID 9i」は、2004年5月19日~21日に開催の「人とくるまのテクノロジー展2004」(会場:パシフィコ横浜・展示ホール)、および2004年6月16日~18日に開催の「DMS第15回設計・製造ソリューション展」(会場:東京ビッグサイト・東ホール)に出展いたします。

  当社は今後も確かな技術と充実の製品ラインアップで、さまざまなお客様のニーズに合致したソリューションを提供しつづけます。

主な特長

1. 当社従来機の約4倍、最高±50μmの測定確度※1を実現

VIVID 9iは1スキャンあたりわずか2.5秒で計測を行い、高精細な3次元データを取得することができます。新設計のハードウェアと測定アルゴリズムの改良により、従来機(VIVID 910)に比べ約4倍の、±50μmの測定確度※1を実現、鋳鍛造・プレス・プラスチック部品等の精度検証・形状検査に最適です。
また、レンズ交換や環境変化で起こりうる精度低下をキャンセルする、新開発のユーザー校正システムを標準装備。使用前の簡単な校正作業により、工場出荷時の高い信頼性を維持できます。

XYZ軸/TELEレンズ使用時、距離0.6mの時。当社条件による。

2. フォトグラメトリ(写真測量)技術を活用した3次元データ統合ツールで、統合精度が大幅に向上

オプションとして、フォトグラメトリ技術を活用したコストパフォーマンスの高い、VIVID 9i専用の3次元データ統合ツール「Easy Align Tool II」(仮称)を発売。VIVID 9iと合わせて使用することにより、自動車のドアやバンパー、インストルメントパネルなど、従来機では測定データの統合が困難であった比較的大きなパーツや、凹凸のような特徴的な形状がない面でも、すばやく高精度に測定・データ統合ができます。(適用物体サイズ:0.5m~2.0m)

3. イメージング機器メーカーならではのレンズ交換システム、AF/AE技術を搭載

イメージング機器メーカーのコニカミノルタならではの高性能専用レンズを使用。測定対象物の大きさにあわせてTELE・MIDDLE・WIDEの3種類のレンズを交換できます。またAF/AE技術により、厳密な測定距離の設定は必要ありません。測定対象物の表面状態に応じた自動レーザー強度設定等、高精度ながら、従来のVIVIDシリーズ同様、簡単・フレキシブルな測定作業が可能です。

4. ポリゴン編集ソフトウェアをバージョンアップ

測定した3次元データの編集や汎用フォーマットへの変換を行うポリゴン編集ソフトも、一段とパワーアップしました。処理スピードの向上と、VIVID 9i用に開発した新GUIにより、大量の測定データもさらにすばやく簡単に、データ統合・編集・汎用3次元データフォーマットへの変換作業ができます。

5. 高精度の計測を実現しながら、1000万円以下の価格帯でシステム化が可能

従来工業用3次元デジタイザは1000万円以上、コンピュータや3次元形状処理ソフトウェアを加えたシステムでは2000万円を超えるものが一般的でしたが、「VIVID 9i」では、ハイスペックでありながらシステム価格1000万円以下の価格帯でシステム化が可能となりました。

※1
確度:指定された条件における誤差限界で表した計測器の精度。
※2
リバースエンジニアリング:コンピュータ上にデータのない実物から、スキャンしてデータをおこすこと。

VIVID 9iの主な仕様

ハードウェア

型名 非接触3次元デジタイザ VIVID 9i
測定方式 三角測量 光切断方式
受光レンズ(交換式) TELE:焦点距離 f=25mm、MIDDLE:焦点距離 f=14mm、WIDE:焦点距離 f=8mm
測定距離 0.6~1.0m (スタンダードモード)、0.5~2.5m(エクステンドモード)
レーザースキャン方式 ガルバノミラー方式
レーザークラス クラス2 (IEC60825-1)、クラス1(FDA)
測定範囲 X方向:93~463mm(TELE) 165~823mm(MIDDLE) 299~1495mm(WIDE)
Y方向:69~347mm(TELE) 124~618mm(MIDDLE) 224~1121mm(WIDE)
Z方向:26~680mm(TELE)  42~1100mm(MIDDLE) 66~1750mm(WIDE)
確度 TELE XYZ:±0.05mm/±0.10mm
MIDDLE XYZ:±0.10mm/±0.20mm
WIDE XYZ:±0.20mm/±0.40mm
(距離 0.6m/1.0m) (ユーザー校正システム使用時、当社条件による)
精度(Z,σ) TELE 0.008mm/0.024mm、MIDDLE 0.016mm/0.048mm、
WIDE 0.032mm/0.096mm
(距離 0.6m/1.0m) (当社条件による)
入力時間(1スキャン) 2.5秒
撮像素子 3次元データ:1/3インチ34万画素フレームトランスファCCD
カラーデータ:3次元データと共通(回転フィルタによる色分解方式)
出力画素数 3次元データ・カラーデータ:640×480
ファインダ 5.7型LCD(320×240画素)
出力インターフェース SCSI II(DMA対応同期転送)
電源 AC商用電源 100-240V(50-60Hz)、定格0.6A(100V AC入力時)
外形寸法 221(幅)×412(高さ)×282(奥行)mm
質量 約14kg
動作保証温湿度範囲 10~40℃、相対湿度65%以下/結露しないこと
保管温湿度範囲 -10~50℃、相対湿度85%以下(35℃のとき)/結露しないこと

ソフトウェア(システムに標準付属)

主な機能
データ読み込み 独自フォーマット:CAM、VVD、SCN、CDM、CDK 汎用フォーマット:STL
データ変換 独自フォーマットから各汎用フォーマットへの変換
ポリゴン:DXF、Wavefront、SOFTIMAGE、VRML2.0、STL、MGF
点群:ASCII
機 能 自動データ位置合わせ、データ貼り合わせ、スムージング、均一的データ削減、適応的データ削減、ポリゴンチェック、テクスチャブレンディング 等
編 集 点群の回転・移動・削除・データ補間付き穴埋め 等
カメラリモート操作 撮影、測定基準距離設定、ダイナミックレンジ拡大モード、レーザパワー設定、カメラデータの読み出し
表 示 ワイヤーフレーム、シェーディング、テクスチャマッピング
必要動作環境
Windows 2000/Windows XPが正常に動作するPC-AT互換機
OS Windows 2000(Service Pack2以上)
Windows XP(Service Pack1以上)
CPU Pentium III以上(Pentium IV 3GHz 以上を推奨)
メインメモリ 512MB以上(1024MB以上を推奨)
ディスプレイ 1024×768以上表示可能なグラフィックス機能
グラフィックボード OpenGL対応ボード(動作確認済みボードのご使用を推奨)
SCSIインターフェース Adaptec社製SCSIカード
ドライブ CD-ROMドライブ
CFカードリーダ(「Easy Align Tool II」(仮称)使用時)
記載の仕様および外観は都合により予告なしに変更する場合があります。
記載の会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。

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