メンバーの思考を止めないマネジメントで価値を生み出す
2024.8.26
コニカミノルタ情報システムで働いている社員にスポットを当て、社員のリアルな想いを届ける「コニカミノルタ情報システムの“ヒト”」。今回は、新卒で1999年に入社されたSさんです。(インタビューは2024年8月の情報です)
・ITサービス本部 オフィス・コミュニケーション部 グループリーダー
・埼玉大学 工学部 出身
・1999年新卒入社
先端のITコミュニケーションを推進・展開する部門を牽引
-現在グループリーダーを務めておられるオフィス・コミュニケーション部は、コニカミノルタグループの中で主にどのような役割を担っているのでしょう。
オフィス・コミュニケーション部は、メールツールをはじめ、動画やファイル共有、チャット機能を備えたTeamsやSharePointなどのMicrosoft365関連のコミュニケーションサービスの導入・運用・改善を担っている部門です。
Microsoft製品のライセンス契約の最適化や更新支援、ネットワーク・セキュリティ領域の運用、「インストールがうまくできない」といった問合せ対応など、グループ社員がITを活用しながら効率的に業務を遂行していくために重要な役割を担っています。
-コニカミノルタグループ全体となると、カバーされている範囲は海外拠点にも及ぶのですか?
そうですね。海外のユーザーから「ライセンスの割当をお願いします」といった依頼が入ってくるケースもあります。基本的には、各アプリやサービスがインストールされた状態でPCが配布されますが、入れ直しが必要なケースもあったりするので、手順を追ってアナウンスして、スムーズに使えるよう管理しています。全世界にユーザーがいますので、規模的には万単位のユーザーをサポートしている形ですね。
-Sさんが入社から今の管理職のキャリアに至るまでの経緯を教えてください。
まず、新卒で入社した後は、ビジュアルベーシック(VB)やパスカル(Pascal)を使ってプログラミングする開発部門に所属していました。3ヶ月スパンで様々な案件を経験し、入社2年目の終わりからコニカミノルタのヘルスケア部門へ異動することになりました。レントゲン画像といったデジタルデータの配信や保存を行う医療系システムの開発・保守を主導する業務を担当していました。主には、仕様書作成や検証などを担うソリューション担当のような形で、9年ほど働きましたね。
その後、コニカミノルタ情報システムへ戻って基盤技術部に14年ほど身を置き、サーバーストレージやVMwareのようなプライベートクラウド、AWS、Azureへと範囲を広げながらクラウドインフラサービスの主に運用保守を中心に担ってきました。
最後の3年近くは管理職としての経験も積み、2024年の4月から現在のオフィス・コミュニケーション部でグループリーダーとして15名ほどのメンバーのマネジメントを任されています。
対面コミュニケーションで、正しく温度をもって伝える
-多様な領域で経験を積まれたのですね!メンバーのマネジメントを行うことで心がけていることは何ですか。
こちらの考えや気持ちを正しく伝えることですね。チャットやメールは便利ですが、キャッチボールのスピードを考えた時に、やはり会話することがいちばん早いというのが私の考えです。
テキストで完結に物事をまとめて正しく伝えることは難易度が高く、齟齬も生まれやすいです。文字だけだと感情が乗りにくいですし、悪気はなくてもどこか冷たく受けとめられてしまうこともあります。ですので、ニュアンスがきちんと伝わるように対面で直接コミュニケーションを取って、行き違いや齟齬をなくすことを大切にしています。これは社内メンバーに限らず、ユーザーや社外の人とコミュニケーションを取る時も同じスタンスですね。
-たしかにテキストでの指示や共有は効率的な部分もある一方で、冷たく捉えられるケースも多いですし、ちょっとしたニュアンスや温度感がうまく伝わり辛いことはありますね。リモートワークですと、より難しさもあるのではないですか。
そうですね。メンバーと顔を合わせる機会も少なくなっていますからね。今、コニカミノルタ情報システムでは、生産性向上を目的に出社とリモートワークの併用(ハイブリット勤務)が全社的に推進されていますが、グループの出社日をセッティングして、みんなで顔を突き合わせて仕事をする日を設けています。新人などがいる場合は、もう少しコミュニケーションを取れるような出社日設定をしています。
出社日は、部内に限らず、他のグループや違う部門の人とも関わりを持つように働きかけています。コネクションを作っていくという観点もありますが、やはり一緒に仕事をしていく上で、相手の人となりや何がどんなレベルでできる人なのか…などの情報が持てていると、信頼度も上がりますし仕事もうまく進んでいきますからね。そういう対面コミュニケーションをみんなが大切にしていくような価値観を育んでいけたら良いなと考えています。
-お互いを少しでも知っているというだけで、リモートでの仕事が軌道に乗りやすいというのは大いにありますよね。
はい、そういった関係が構築されていないまま、リモートでいきなりプロジェクトを進めていくのは難しい部分がありますね。以前、コロナ禍でリモート中心で案件を進めたことがありますが、共通の目的や、どういう風に進めていくのかをしっかり握って案件を進める大切さを実感しました。めざすゴールや熱量に掛け違いがあると、なかなかうまくいかないケースもあるなと思います。
-リモートワークを望む声は多いですが、一方で“フル”リモートは避けたい、という声が増えているという話もよく聞きます。リモートオンリーになってしまうと関係性の構築が難しく、孤立してしまうケースも…。生産性向上や成長の促進を考え、出社スタイルとリモートワークをバランス良く組み合わせたハイブリッドを志向する傾向が強いようです。
そうですね、例えばリモートだと、質問して良いタイミングも迷いがちかなと思います。オフィスに出社していれば、ひと目見るだけで「会議終わったみたいだから今は空いていそうだな」というのも分かりやすいですしね。対面だと質問なども圧倒的にしやすいと思います。
物理的な空間や距離の問題だけに限らず、本人の性格や積極性によっても上司や先輩へ相談を持ちかけ辛いこともありますので、私はいつでも窓を開けていますよというアナウンスをするように心がけています。例えば、「予定が空いているところは自由に会議を入れてもらっていいよ」「会議中でもメンションを投げかけてもらったら後で折り返すよ」といった風に、スムーズなコミュニケーションを促す土台を作っておくことも大事にしていますね。
嘘のない誠実な行動の積み重ねが、信頼関係を築いていく
-マネジメントを行う中で、コニカミノルタ情報システムに根付く文化として大切にしている考えや意識していることはありますか?
コニカミノルタには、「6Values」というフィロソフィーがありますが、その中でも「Open and honest」を重視しています。やはり、信頼関係ができているからこそ仕事はうまく進みますから、相手からの信用に足る人でなければ、満足してもらうサービスを提供するのは難しい。その“信頼”を作る上では、“誠実なコミュニケーション”が必要である、と考えているからです。
-「honest」=「誠実さ」というのは、コニカミノルタ情報システムさんでの業務や活動において、どういった行動や姿勢のことを指しますか?
言葉で表すのは難しいのですが、“人として嘘をつかない”というか、性善説という言い方が近いかもしれません。嘘偽りなく、自分の中で考える最大限の正解をユーザーに対して実直に提案することが第一ではないでしょうか。例えば予算や工数、リソース的な問題でオーダー通りの実現が困難という時も、何が課題として発生しているのか、どんな解決法が考えられるか、落としどころを詰めていける、向き合っていくということが“誠実さ”の形の一つかなと思います。
-そうした姿勢が「この人は信頼できるな」というところに繋がっていくのですね。こうした姿勢はコニカミノルタ情報システム全体に浸透しているのでしょうか。
そうですね。私自身も何か障害やトラブルが起きた時は、すぐに上長にエスカレーションしますし、対応にしても自分の考えだけで先走らず、関係者と相談してベストな方法を模索します。新しいサービスの導入や改善にしても、メリットだけでなく将来のリスクやネガティブな要素なども全て並べた上で、アプローチをしていくようにしています。
-短期で導入したら終わり、自分たちの利益だけ考える、という仕事の仕方は最終的にはしっぺ返しがきますよね。クライアントに向き合って、正直に実直に最善を尽くすからこそ信頼が得られる、という価値観がコニカミノルタ情報システムさんには根付いているのですね。
トップダウンでなく、意見形成を促せるリーダーが理想
-目指す理想のリーダー像を教えてください。
グイグイと旗を振って先陣を切るというよりは、うまく現場から情報を引き出して、意見交換して、方向性を柔軟に決めていけるリーダーを目指しています。最終的には自分が決断を下すにしても、リーダーが先に「正解はこれだ」と答えを出してしまうと、メンバーのみんなが考えることを止めてしまうのですよね。みんなに知識を出し合ってもらって、じゃあ私たちとしてはこの方向で…という“意見形成”をうまく整理・誘導していく、メンバーの思考を止めないマネジメントがリーダーの役割だと考えています。
-時代的にも、みんなのベクトルと組織が向かうベクトルを、どうリンクさせ、どう支援するかがリーダーの形として求められてきていますよね。それこそ若いメンバーの方が技術や知識を持って画期的なソリューションを知っているケースも大いにありますし、そういった知見をいかに活かすかを考えていくことが大事なのだなと思います。
そうですね。コニカミノルタ情報システムでも、全て自分で決めてトップダウンで引っ張るようなリーダーより対話型のリーダーが多い印象です。
-これまでも若手の方にインタビューさせていただきましたが、皆さん共通して「どんどん意見を発信して」という環境があると仰っていました。みんなで知恵を絞って導き出した答えに向かって取り組んでいくので、チームとしてのまとまりも生まれていくのでしょうね。
悩んで思考を止めるより、“まず動く”ができる人が伸びる
-どんな人財が、コニカミノルタ情報システムで活躍できるのでしょう?
相手の目線に立って物事が考えられる人ですね。ITの知見も豊富で技術的に進んでいるユーザーもいれば、まだこれから段階を踏んで着手するユーザーまで様々です。それぞれの状況やニーズ、目的を見極めながら要望を叶えていくことが大事になっていく仕事ですしね。
また、頭で考え過ぎるよりも、「まずやってみる」ができる人は伸びやすいですし、そういう人財が増えれば、会社もどんどん良くなると思います。先行きが不透明で何が正解か分かり辛い時代ですので、「導入はもうちょっと調べて検証してから」「情報がもっとないと良いか悪いか判断できない」といったケースは往々にしてあります。でも、そうやって悩んでばかりだと停滞しますので、まずは新しいサービスに触れてみて操作してみて、情報をどんどんインプットして判断材料を増やしていく、そういうスピード感、行動力が大切です。
-説明書を読み漁る方が逆に効率が悪くなることもありますし、物事の1つの事象から仮説を立てて、その論理を全体に当てはめていく演繹法でいく方がスピードは早くなるかもしれないですね。
仰る通り、仮説を立てるのも一つの手です。3次元の物体があるとして、高さも幅も奥行きも分からないと大きさの想像が全くつきませんが、そのうち高さと幅の座標軸だけでも分かれば、ある程度の大きさは想像できますよね。何も内容が見えない段階で考えすぎてもなかなか結論は出ませんから、まずは動いて判断材料を集めていく。人は体験してないものは想像できませんから、どんどん動いてまずは一方向でも軸を作れば物事は前に進むということですね。
-最後に、これからの目標を教えてください。
現在所属するオフィス・コミュニケーション部の業務は、コニカミノルタグループの社員に向けたサービス提供が中心ですので、いずれは“社会”という広いマーケットに対して貢献できるような仕事に関わりたいですね。もちろん今もグループ企業を通して間接的には社会に役立つ仕事をしていますが、より深く実感できるキャリアを描いていけたらと思っています。
また、Microsoftは新サービスの市場投入スピードが早いですから、積極的に最新のツールを導入・運用したいユーザーに対して、いかにタイムリーに展開していけるかも大切です。ITを効率的に活用できる地盤を、安全に、スピーディーに整え、コニカミノルタグループ全体の生産性向上や革新的なサービスの開発へと繋げていくことが、私たちのグループがめざす目標です。
私が大切にしたいコニカミノルタのバリュー
Open and honest
誠実なコミュニケーションを取ることを大切にしています。仕事をうまく進める上で、深い信頼関係が構築できていると、仕事もスムーズに進みますし、より満足度の高いサービスを提供することができます。信頼を得る上で最低限必要なのが、“誠実”な姿勢です。周囲とのコミュニケーションにおいて、“心理的安全性”を感じてもらえる存在でありたいと考えています。