社員が成長するから、会社が成長する【組織/文化について】

2022.11.8

コニカミノルタ情報システムは、コニカミノルタグループ唯一の情報システム機能会社として1981年に誕生しました。世の中の外部環境や時代の要請に合わせ、コニカミノルタ情報システムに求められている役割も変化しています。

今回は、時代の要請とともに変化しているコニカミノルタ情報システムの事業活動のあり方。そして、変化する事業活動の中で、大切にしている組織運営のあり方、人財育成に対する考えなどを代表取締役社長の小林のインタビューを通じてお届けします。ぜひご覧ください。

コニカミノルタ情報システムの【事業について】はこちらからご覧ください!

小林 昇(Noboru Kobayashi)
2003年に親会社であるコニカミノルタからコニカミノルタ情報システムに出向。複数のSAP導入プロジェクトやJ-SOX対応などのPMを担当。コニカミノルタのITサービスを支援する本部の副本部長、その後にIn-houseのアプリケーション、インフラストラクチャを統括する部門の本部長を経て2018年3月よりコニカミノルタ(中国)投資有限公司して中国地域のIT統括に従事。帰国後の2022年6月にコニカミノルタ情報システム株式会社代表取締役に就任。ユーザ業務知識とITスキルを活用し業務改革に取り組んだ経験をベースに社長として会社をけん引している。


「人こそ財産」だからこそ、思い切りチャレンジさせたい

– コニカミノルタ情報システムとしての期待が高まってくる中で、どのような役割を強化していくのですか。

コニカミノルタ情報システムでは、グループの基幹システムやインフラ周りだけではなく、ユーザーへと価値を提供する事業サイドにも貢献を強めていくための体制を強化しています

具体的には、2016年に「事業貢献」を合言葉に新組織(現:ビジネスIT推進本部)を立ち上げ、当時、私も副本部長として参画していました。グループ会社とは言え、仕事が勝手にやってくるわけではありません。当時は本当に手探り状態の中で、あるのは人脈だけでした。

私たちコニカミノルタ情報システムは、内販100%の会社ですので、コニカミノルタグループ各社だけが私たちの直接の顧客となります。しかし、既存のベンダーもいる中で、簡単に仕事につながるわけではありません。会議に参加させていただいて、「我々はこういうサービスをしています」というセールス活動をしたり、顧客の実現したいことに耳を傾けてアドバイスしたりと、リレーションを作っていく草の根活動をしてきました。

今ではそのような取り組みが少しずつ実っており、いくつもの事業貢献を軸にしたプロジェクトが動いています。同じグループ会社であることはお互いに安心感や帰属意識を生むことにもつながりますし、顧客の先にいるユーザーまで想像力を働かせることは、私たちの仕事の幅を広げることにつながっていますね。若手メンバーにも積極的に同席してもらって、打ち合わせの場に参加することで成長を促せるのも、同じグループであることのメリットだと感じています。

– コニカミノルタ情報システムとして、さらなる競争力を高めていくためにどのようなことが必要だとお考えでしょうか。

よく企業経営で言われている「会社の財産は社員である」というのは、私たちITサービス業にとって、正にその通りだと感じています。私たちの競争力である技術やナレッジは、全て人に紐付いて資産となるものですし、だからこそ社員が思い切ってチャレンジできる風土が必要だと思っています。

この業界の技術トレンドはとても早いもので、市場に評価されなくなった枯れた技術を使い続けていては、一気に競争力が減退してしまいます。「技術探索」という言葉を使っていますが、常に新しい技術ややり方を求め続けていく風土は、このIT業界においては競争力に直結するわけです。

私たちコニカミノルタ情報システムは、会社の規模感的にもまだ200人弱のサイズ感ですので、いろいろなことを自分たちで試すにはちょうど良いサイズの規模の会社だと思います。スモールスタートで始めてみて、仮に上手くいかない時は止めるのも比較的簡単にしやすいサイズです。

チャレンジして失敗という結果になったとしても、次につなげられれば良いのです。失敗は次の成功の糧になりますし、安全策を取って何もチャレンジしないよりも何倍も得られるものがあるはずです。


100点を目指すよりも、チャレンジしてやり切った70点を目指そう

– 人財育成に対するお考えを教えてください。

私たちが強みとして目指していくアカウント体制やプロジェクト運営力は、一朝一夕で簡単には身につかないものだと考えていますが、「会社の成長のベースは、社員の成長」との思想のもと、いかに社員が成長できる場を提供し、自分の成長を感じてもらうかが経営陣の最大のミッションだと思っています。

人も技術も、そして会社という組織も同じですが、チャレンジせずに放置してしまうと特定の領域しかできなくなってしまい、先細り感のある状態になってきます。そのような会社には未来を感じにくいですし、期待も持てませんよね。

これまで現場で行ってきたこと、顧客に向き合ってきたこと。そういった一つひとつの取り組みを大切にしながら、もう一歩大きな視点で考えて「顧客のためにできることはないか?」という気持ちを持つだけでも、前進していけると思います。顧客の想いに向き合い、受け止めることで、チャレンジしようという意欲が湧いてきますからね。

新しく迎え入れる人財と、これまで当社を支えてくれている人財。それぞれの強みを持ち寄って相乗効果を発揮しながら、成長の道筋をつけていくことが私をはじめとした経営メンバーの役割です。そして、会社としてチャレンジし、ステップアップしていく過程の中で、社員自身にも成長を実感してもらえることが理想です。

– 若手社員に対しても同様でしょうか。

若手はどんどん失敗して良いと思っていますし、実際に社員たちにもそのように伝えています。ただ、失敗には”やり切った失敗”と”やりきらない失敗”があります。私自身も過去の仕事の中で失敗してきましたが、やり切った失敗は、納得感と悔しさがありました。ですが、やり切っていない失敗は、次につながる積み上げが無いのです。

また、上手くいった時でも同じく”やり切った成功”体験が大切です。上手くいった時はすごくワクワクしたり、達成感や充実感を感じるものだと思いますが、チャレンジしない場合はやり切り感が無いので、特に若手は「先輩社員の言うことを聞いていたら、何となく上手くいきました」ということも起きやすいですよね。

「上手くいった」「できた」という結果は良いのですが、その結果しか残っていなくて、その人の成長につながっていなければもったいないと思います。ですので、特に若手にはこの「やり切る」ということは、私が大切にしたい一つのキーワードです。

最終の結果は水物です。私自身の経験でも、確実にできるテーマを選んで100点を取るよりも、難しいテーマにチャレンジして、「頑張ってやり切ったけど、70点しか取れませんでした」という方が成長につながりました。若手は吸収力が高く、伸び代があります。失敗する特権のある若手に、変に守りに入ってしまうことで、成長のチャンスを失ってほしくないと感じています。


インフラ面からでも、チャレンジはできる

– 失敗に寛容になるということは、本人の意欲だけではなく、組織としての安心・安全な場があるなどの文化も大切な気がします。

そうですね。失敗を許容するためには、マネジメントする立場の者が、人事評価する時に気をつけないといけないと思います。

「できた」「できていない」という結果だけで判断するのではなく、頑張りのプロセスなども見て、プロセスの中で得られたようなものを個人の成長につなげられたか、チームや組織の力につながったか、顧客の新たな価値につながったかどうか、などもしっかりと判断していかないといけません。

上司は若手のチャレンジしたいという意欲を引き出し、背中を押してあげられる立場でいてほしいですね。意欲に火がつけば、人は会社のフィールドを思う存分に活かして、成長していってくれるはずです。

吸収力のある若手には、成功でも失敗でも良いので、たくさん経験をしてもらって、そこからの振り返りを自分の中に取り込んでもらえれば、それが本人の成長のためでもあり、会社の資産にもなっていきますから。

– インフラなどは安定稼働が大前提という価値観も根強く、失敗することが難しいのではないでしょうか。

過去には、石橋を叩いても渡らないくらいの保守的な雰囲気があったのも事実です。ただ、外部環境として世の中のトレンドも変わってきて、ITの主役がアプリケーションからインフラに移ってきた流れもあります。いわゆる、「DevOps」などが脚光を浴びているのは、その流れですね。

昨今のITサービスには、安定性もさることながら、スピード感が重要視されるようになり、アジャイル型でどんどんチャレンジしていく流れにあります。もちろん、クラウド環境の普及やさまざまなツールが出てきていることによって、スクラッチで開発するよりも、いかに便利なものをつなぎ合わせてスピーディーに導入をしていくか、という要請に、世の中の価値観も変わってきているのではないでしょうか。

とにかく使ってみて、上手くいかなかったら引き返すなど、インフラ面においてもスピード感や柔軟さが重要視されつつあり、許容されるようになっているのではないでしょうか。


ワークしやすい選択肢を提供することが経営の役割

– コニカミノルタ情報システムでは、当初より社内DXとしてリモートワーク・在宅勤務などのワークスタイルに取り組んでこられましたが、今後はどのようにしていく方針でしょうか。

アフターコロナを見据えて、出社に切り替えていくところもありますが、当社では今後もリモートを中心とした働き方は継続し、 その中でいかにパフォーマンスを上げられるかを模索していきます。

もうコロナ以前のやり方に戻ることはないと思います。これまでのように、当たり前に会社に来て、会議室に入ってミーティングをするなど、組織としてしっかりと機能するのであればその環境に捉われる必要はないと考えています。

ただ、オンサイトワークとのバランスは大切です。業務内容によっては、会社に来て集まったり、対面で行ったほうが効率が良いこともあります。そこは、マネージャーがしっかりと見極めてやってもらえれば良いと考えています。

リモートワークの場合は、どうしてもソロワークになりがちです。プロジェクトの立ち上げのようなチームビルディングへの影響や孤独感・疎外感といったメンタル問題が起こらないように、社員の健康管理という観点からもオンサイトワークも組み合わせて、上手く使っていきたいですね。

– ハイブリッドワークのような形を目指していくイメージでしょうか。

そうですね。そのためにも、オフィスのあり方や使い方も変えていかないといけません。今のオフィスは、従前の働き方をベースとしたオフィスレイアウトになっていますが、オンラインミーティングも増えていますので、ミーティングスペースやパーソナルスペースを多くするなど、ハイブリッド型で効率良く仕事ができるようなオフィス設計にしていく必要があります。

私は、働き方やワークスタイルを強制させるのではなく「自分たちで最適なカタチを考えて、選べる、使い分ける」という選択肢を提供したいと思っていますし、その環境を準備するのが経営の役割だと考えています。我々、経営陣がオンサイト、オフサイトを強制するのではなく、自らの意思で最適な方法を選べるようにしていくことが大切だと思っています。

冒頭から「チャレンジして、もっと失敗しよう」という話をしていますが、このワークスタイル・働き方の変化に関しても同様です。初めてやることですから、間違っていても良いのです。トライ&エラーをして、上手くいかなかったら変えてみて、そんな試行錯誤の中から未来につながる学びがあれば、きっと良い方向に行くでしょう。

これも技術探索の一つです。ワークスタイルに関しても同様に、保守的にならず積極的に新しいことを試していって、私たちが自らで学びを得ていきたいですね。そして、そのナレッジをコニカミノルタグループ各社に還元していければ、もっと良いと思います。

社員自身が自分の成長を感じ取り、その結果、新しいこと・高度なことにも臆することなく取り組める。チャレンジすることによって、「社員が成長」→「より高度な仕事で成果が出る」→「会社が成長する」→「さらに社員の経験値が向上・成長する」といった好循環サイクルを生み出し、もっとレベルアップさせていきたいですね。

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