グループ唯一のSIerとしての存在価値を発揮する【事業について】
2022.11.7
コニカミノルタ情報システムは、コニカミノルタグループ唯一の情報システム機能会社として1981年に誕生しました。世の中の外部環境や時代の要請に合わせ、コニカミノルタ情報システムに求められている役割も変化しています。
今回は、時代の要請とともに変化しているコニカミノルタ情報システムの事業活動のあり方。そして、変化する事業活動の中で、大切にしている組織運営のあり方、人財育成に対する考えなどを代表取締役社長の小林のインタビューを通じてお届けします。ぜひご覧ください。
コニカミノルタ情報システムの【組織/文化について】はこちらからご覧ください!
小林 昇(Noboru Kobayashi)
2003年に親会社であるコニカミノルタからコニカミノルタ情報システムに出向。複数のSAP導入プロジェクトやJ-SOX対応などのPMを担当。コニカミノルタのITサービスを支援する本部の副本部長、その後にIn-houseのアプリケーション、インフラストラクチャを統括する部門の本部長を経て2018年3月よりコニカミノルタ(中国)投資有限公司して中国地域のIT統括に従事。帰国後の2022年6月にコニカミノルタ情報システム株式会社代表取締役に就任。ユーザ業務知識とITスキルを活用し業務改革に取り組んだ経験をベースに社長として会社をけん引している。
コニカミノルタグループ全体最適の視点から、ITサービスを創出するパートナーに
– コニカミノルタ情報システムの事業領域を教えてください。
当社は、コニカミノルタグループのIT全般のプロジェクト推進、運用・保守を日本やアジア・パシフィックを中心にグローバルに行っています。支援領域としては、以下の3つの領域です。
1.ソリューションビジネスのサポート
ソリューションビジネスのお客様接点業務・バックオフィスの業務プロセスの設計構築、お客様接点・バックオフィスの仕組みを支えるアプリケーション構築、動作環境・インフラの維持運用
2.R&Dソリューション
製品設計現場への3D CAD活用のサポートサービス、設計情報の流れを効率化する部品表導入サービス、業務ビジネスを実現する情報システム
3.情報インフラ構築・保守
基幹システム構築・保守、クラウド化の推進、ネットワーク/音声インフラの企画・構築・運用、情報コミュニケーションインフラの企画・構築・運用、エンドユーザサポート、データセンター運用
コニカミノルタグループでは現在、デジタル活用推進、DX推進に力を入れています。コロナ禍を経て、ITインフラを活用した世の中の働き方改革、コミュニケーション改革など大きな変化があったように、当社に求められる役割も変わってきています。
テレワーク支援やセキュリティサービスなどの”デジタルワークプレイス”の構築といった、オフィスドキュメントの領域だけに留まらず、企業の働き方改革の実現の支援や、画像処理技術やAI技術を活用したセンシング、画像IoTソリューション、 AI診療や遺伝子解析などのヘルスケア分野にもITが大きく関わってきています。
ITサービスを提供する企業として、コニカミノルタグループが更なる進化をしようとしている中、グループ唯一の情報システム機能会社である私たちコニカミノルタ情報システムは、先に述べた3つの支援領域を通じたグループ内のDX推進を担っていく役割として、より一層の存在感を高めていく必要があると思っています。
グループ内のDX推進だけではなく、事業やサービスに貢献するITノウハウを提供していく
– コニカミノルタ情報システムは、設立以来これまで、グループの社内SEの役割で、アプリケーションやインフラの設計・保守・運用に携わってきましたが、コニカミノルタグループがモノ売りからコト売りへと移行していく中で、期待されている役割も変わってきているということでしょうか。
そうですね。コニカミノルタグループ各社では、顧客にいろいろなサービスを提供し始めています。私たちコニカミノルタ情報システムは直接的にはサービスを作る立場ではありませんが、SIerの立場として、ともにサービスを生み出すパートナーとして取り組みを強化しているところです。
コニカミノルタグループの社内SE的な立ち位置で、今までは基幹システムの保守・運用などのいわゆる”守り”を徹底し、いかに効率的にやるかというスタンスで良かったかもしれません。しかし、世の中はモノ売りからコト売りにシフトしています。先程お伝えした通り、私たちはITサービスを創出する担い手として役割をシフトしていく必要があります。
コニカミノルタグループが新たなITサービスを創っていこうとしている今、私たちはグループ全体最適の視点から、その実現のサポートをしていくことが大切です。”守り”の役割の中にも、ただ単に指示された機能を作るといった受け身の姿勢ではなく、自分たちで情報収集を行い、課題を発見し、ニーズを拾っていく。”攻め”の姿勢をもって取り組んでいくことが期待されています。
– コニカミノルタ情報システムだからこそ担える強みとは、どういった点でしょうか。
コニカミノルタ情報システムは、これまでグループ全体で活用されている様々なインフラ・基幹システム・Webシステム等を運用・保守・管理してきました。
私たちはコニカミノルタグループの製品やサービスを利用されるエンドユーザーに直接的に関わっているわけではありませんが、コニカミノルタグループ全体のインフラ面やシステム基盤などの理解があるからこそ、システムを利用されるエンドユーザーにいかに使い続けてもらうか。そのための最適なシステムはどのようなものなのか。最適なITサービスの実現や社内外へのDX化への取り組みに活きてくるはずです。
例えば、様々な個別ニーズに応えてフルオーダーでシステムを開発することは個別最適の視点では良いかもしれません。しかし、グループ全体の連携や運用・保守までを見据えたトータルコストまで視野を広げて考えてみると、ある程度統一したもので構築し、標準化したほうが良いこともあります。
また、エンドユーザーへの機能価値だけではなく、中長期的な運用やセキュリティ面など非機能要件の考慮も、私たちがこれまでインフラやセキュリティ面を強みに基幹システムを運用・保守してきたからこそ、課題の事前予測や先を見越した運用提案ができるとも考えています。
また、各グループ企業が提供しているサービスやツールを私たちが率先してユーザーとなって使ってみることによって、ある意味「実験会社」として、私たちが顧客の代わりにモニターとして先行体験し、そのサービスの有用性や改善点をフィードバックする。それも一つの事業貢献のカタチだと思いますし、サービスの改善を通じた開発部門のサポーターの役割だと思っています。
さらには、コニカミノルタグループ各事業・各関係会社間をつなぐ「ブリッジ」のような役割も担えるのではないでしょうか。各事業・各関係会社では、さまざまなサービス開発が立ち上がっていますが、水平展開できるようなものもあるはずです。
コニカミノルタも大きな企業体ですので、縦割りになりがちですが、私たちが横串でナレッジをつないでいくことで、「グループ内で提供しているあのサービスとこのサービスを組み合わせると、実はもっと良いものができるかもしれない」といった新たな価値を見出すこともできるのではないかと思いますね。
”プロジェクト運営力”をもって、点を線に、線を面にするプロジェクトマネジメントを
– 先ほどの強みを活かして存在価値を発揮していくためには、どのような視点が必要でしょうか。
私たちにとっての顧客であるコニカミノルタグループ各社、そして、ユーザーは必ずしもITに知見があり、詳しい方ばかりではありません。それは、当たり前のことでもあります。漠然とした課題、漠然としたニーズを整理して、具現化していく。ITサイドの技術で言えば、上流サイドでしっかりと要件を定義し、設計ができることは、当社にとって大切なスキルだと感じています。
それができないと、絵に描いた餅になってしまいます。顧客は、自分たちの課題が解決できることが目的なわけですから、その目的に向けた提案をできるような技術的ステップを積み上げること。よく、この業界の中でも「上流」という言葉を使いますが、この言葉の定義もあいまいになりがちです。
私の考える「上流」の概念は、良く言われる開発フェーズの枠組みで言うところの最上流にある要件定義ではなく、さらに上流のイメージです。つまり、プロジェクト単体の上流を指すのではなく、経営・事業面といった顧客のビジネスの理解までしっかりと入り込んで、そこからITという手段を使っていかに事業を推進していくかプランニングできるようなところを想定しています。要件定義ありきだと、スタンスとして受け身ですし、顧客からプロジェクトの要件や開発依頼が出てこなければ始まらないことになりますよね。
顧客が気づいていない潜在的なところから仮説を立てて提案できる。その”何か”を探すところからが、上流工程と定義するべきだと思っています。そのためには、ビジネスへの理解や業務知識、そして信頼関係がとても重要になってきます。
顧客との深い付き合いによって、解像度が上がってくると、こちらからも提案がしやすくなるという好循環が回ってきます。単発のプロジェクトだけをやって終わりといった状態だと、ほとんど生まれてこないことです。
– 実現するためには、顧客の深い理解も欠かせない要素となりそうですね。
その通りですね。私たちはITを手段として提供しているに過ぎず、経営・事業の理解といった企業活動の根幹を理解しなければ、その根っこの想いにたどり着くことはできません。
そのような情報を座して待つのではなく、私たちが積極的に取りに行かないといけません。中期経営計画が作成されているのであれば、3か年から5か年のスパンの中で、どういう戦略を描いているかが記載されているはずです。そのような情報をITの側面で見た時に、どこに力を入れていくかが見えてきて、事業戦略に寄り添った提案ができます。
事業活動の大きな視点で見れば、目の前で動いている1つのプロジェクトは、あくまで一つのテーマでしかありません。部門方針があり、解決すべき課題があり、その中で「今回はこの部分を解決しましょう」といったものが、一つひとつのプロジェクトに落とされているだけです。
そういう意味では、いわゆる「PM(プロジェクトマネジメント)」の定義も、ただ単に一つのプロジェクトをマネジメントするということではなく、もっと広い視点で見ていきたいものです。いま担っているプロジェクトが事業全体の中でどういう位置付けにあって、このプロジェクトを生かして、さらにどういった発展を遂げるのか。ほかの課題は何で、どうつながっていくのか、そういった視点までを頭の中に描きながら、一つひとつの”点”であるプロジェクトを運営して、”線”に、そして”面”につなげていくことが大切だと思っています。
コニカミノルタグループ全体としてDXを推進していくにあたり、当社コニカミノルタ情報システムへの期待は高まっています。今後は、アカウントマネージャーなどをしっかり配置することによって、これまで以上に顧客との関係性を深める。そして、プロジェクト運営力を高めることによって、前衛的なプロジェクトをどんどん増やしていきたいですね。
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