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コニカミノルタ ランニングプロジェクトは、ジョギングをはじめたばかりの初心者から記録の更新を狙う本格的なランナーまで、走ることを愛するすべての人をサポートいたします。

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特別編 コニカミノルタ陸上競技部の選手に密着

心と体のバランスチェック

トップアスリートの戦いは、カラダのトレーニングだけではなく、心をどれだけコントロールできるかもポイントです。
ここでは、テレビなどでもご活躍されている精神科医の名越康文先生による、太田崇選手のカウンセリングをご紹介していきます。トップアスリートとして活躍する、太田選手のメンタル面を徹底チェック!

名越 康文先生プロフィール
なごし・やすふみ。1960年生まれ。精神科医。1997年よりラジオのDJを始め、そのソフトな語り口と親しみやすいキャラクターで人気を集める。近年は精神科医というフィールドを飛び越え、浅野忠信が映画で主演し話題となった山本英夫氏のマンガ「殺し屋1」「ホムンクルス」の原作ブレーンや映画・音楽評論など、雑誌を中心に、テレビ、ラジオなど幅広く活躍している。

太田崇選手のカウンセリング

イメージトレーニングは、いったん強くやったらスッパリ忘れるべし!

太田:
僕、実はちょっと暗いんですよ(笑)。
名越:
えっ(笑)、暗いっていうのはどんなところでそう思うんですか?
太田:
デザイナーズの椅子を集めるのが趣味なんですが、休日は部屋にこもって、その椅子に座ってずっと本を読んでいたりするんです。
名越:
なるほど。いや、別にそれが暗いという意味ではありませんが、というのはね、事前に写真やホームページのプロフィールなどを拝見したんですが、とても外向的なイメージを受けたんですよ。
でも、いただいた写真からは「もしかしたら内向的な部分もあるのかな?」と思わせるものがあって、どっちなのかなと思っていたんですが。もしかしたら相反する2つの気質を持っているのかもしれませんね。
太田:
そうかもしれません。実は普段、とても緊張するタイプなんですが、試合のときに緊張したことはないんですよね。もちろん、まったく緊張しないわけではないのですが、ガチガチになることはないし、実際、調子の波があるタイプじゃなくて成績も上下するほうじゃないんです。陸上のときだけは仮面をかぶることができるのかな、と自分では思っています。
名越:
それは気持ちの切り替えが上手なんだと思います。休日は部屋にこもるとおっしゃっていましたが、練習やレースを外で行っている分、それもうまい切り替え方だと思いますよ。試合の直前は、どのような調整をしているのですか?
太田:
必ずイメージトレーニングをするようにしていますね。それもいいイメージだけをするようにして。でもそれをするのは試合の一週間前までです。後は試合前まで頭を空っぽにするようにしていますね。
名越:
それはとてもいいですね。私がよく言うことなんですが、「なりたい自分になる」ためには、まず強くイメージせよ、というんです。でも、ずっと思っていたらそれに縛られて、本番もガチガチに緊張してしまいます。いったん強くイメージしたら、それをすっぱり忘れてしまうことが大切なんですね。そうすると、うまく心と体のバランスがとれるんですよ。
ワンポイントアドバイス
本当の集中というのは、一点のみを見続けることではないんです。もっと視野を広げたときに生まれるもの。そうすると、リラックスした状態でありながら、ほどよい緊張感が生まれます。太田選手は、それを自然に実行できているから調子の波が少ないのでしょうね。だから、ご本人がおっしゃっているように日常生活と陸上をやっているときのギャップがあるのは、『暗い』のではなく、うまくバランスを取れているということだと思います。

休日に本を読んで過ごすのは、最高のストレス解消法のひとつです。

太田:
やっていることは間違っていなかったということですね。よかった。でも、日常生活での意識と陸上をやっているときの意識にギャップがあることについては、気にしなくてもいいのでしょうか。変にストレスが溜まるのかなと心配になったりするのですが。
名越:
日常のストレスをスポーツにぶつける、という考え方もありますよね。でも、すべてのストレスがマイナスかというと、そうではないと思うんですよ。向上心や、やる気につながるストレスも多いし、追い詰められてこそ本領を発揮できるという一面もある。逆に、ストレスはなくすものではなく、うまく付き合ってエネルギーに転化させるようコントロールするべきだと思いますよ。
太田:
休日は、正直言って外にも出たくないし、汗もかきたくないんです。先程も言ったように椅子に座ってお茶を飲みながら本を読んで過ごすことが多いんですが、それでいいんでしょうか?もしかしたら、自分は疲れているのかなと思うことがあるのですが。
名越:
逆に、健全だと思いますよ。うまくバランスを取っていると思います。本を読むのは、非常にいいですね。というのは、本を読んで陸上と違うイメージを膨らませることは、リラックスすることにもつながりますから。最高のストレス解消法の一つです。
太田:
じゃあ、今度先生の本を読んでリラックスします(笑)。
名越:
いやいや(笑)。僕みたいな論理的な本よりは、右脳を使って何かをイメージできる本、例えばミステリーとかエッセイなどのほうがいいかもしれません。 あと、おすすめしたいのはクロスワードパズル。これは例えば他の仕事をやっている人にもいえることですが、普段使っている頭の部分と違うところを使うことによって、スーッとリラックスすることができるんですね。そういった意味では、頭皮のマッサージもおすすめです。緊張すると頭皮が硬くなる傾向があるので、ぜひレースの直前に試してもらいたいですね。
太田:
そういえば、以前陸上競技のテレビ番組を見ていたときに、顔なども含めた全身をほぐすようにするのがいい、と言われていたんですが、同じことなのでしょうか?
名越:
そうですね。ついつい運動をするときは、体のみをほぐすことに気を遣ってしまいがちですが、実は首から上の部分をリラックスさせることで、緊張を緩和させる効果があるので、よかったらぜひ試してみてください。
ワンポイントアドバイス
体と心は一つのもの。だから、頭も体同様に『ストレッチ』することが大切です。太田選手は映画を見るのも好きだということですが、これも陸上とは異なったイメージを膨らませることができる方法。普段使わない部分を活性化させることで、脳全体のバランスを取ることができますね。やはり、一流のスポーツ選手は自分に合った方法を、直感的につかんでいるんだと思います。

長距離は、頭脳のコントロールが重要な競技。

太田:
お話をうかがっていると、頭を使うことがすごく大事なことのように思えるのですが、具体的にはどのように頭を使うことが競技につながるのでしょうか。
名越:
もちろん、人によって主に使う場所は異なると思いますが、太田選手は頭を使うタイプだと思いますね。僕は陸上の専門家じゃなくて心理の専門家だから、そういう意味でしか言えないのですが、長距離種目というのは、陸上競技の中でも頭を使う競技じゃないかなと思います。
というのは、競技をする時間も長いし、体調管理をする時間も当然長くなりますよね。また、ゴール地点も短距離種目と違って目の前にあるわけじゃないから、頭の中でイメージしなければならない。先程のイメージトレーニングの話とつながりますが、頭脳のコントロールは非常に重要ではないかと思います。
太田:
あと、自分は今年30歳になって、練習などで正直ちょっと体が動かないときもあるんです。そんなとき、どうやってモチベーションを上げていったらいいのでしょうか。
名越:
練習の終わり方が大事なのではないかと思います。調子のいいときにガンガンやってしまって、次の日にやる気が失せてしまうというのはよく聞く話です。 そうならないために、前の日の練習を、次につながる分ほんの少しだけ残して終わらせる。そうすることで、次の日気持ちよく練習に入ることができる心理状態に持っていくことができ、スランプを減らすこともできるし、安定した力を発揮することができるようになると思います。
太田:
なるほど。もう一つお聞きしたいのが、レースで思うように結果がでない時、今度また挑戦して失敗したらどうしようという不安に陥ったことがあります。いつものように調整すればいいと思っているのですが、ついオーバーワークになってしまう傾向がありまして。
名越:
これも専門的なので私が答えていいのかどうかわかりませんが、助言をしてくれる人の存在が必要なのでは? これは、コーチの方とか同じチームの方とは別に、まったく違う世界にいる人のほうがいいと思います。恋人でもいいし、友達でもいいでしょう。同じ世界の人には見えないちょっとした部分に気付いてくれるのではないかと思います。その言葉に耳を傾けてみれば、調整に一役買うのではないでしょうか。
太田:
なるほど。参考になりました!ありがとうございました。

太田崇選手 カウンセリングを終えて

陸上についてはあまり悩みがないと思っていたのですが、いろいろなことをズバズバ当てられているうちに、心の奥で眠っていた疑問が次々出てきて自分でもびっくりしています。特に心に残ったのが、頭を使うことの重要性。イメージを膨らませることが大切だということで、今までの休日の過ごし方が問題なかったことにホッとしました。今後はもっと意識して頭のトレーニングをしようと思います。とりあえずは、次のレースで頭皮のマッサージをすることから始めますね(笑)。

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