「過ぎ去りゆく時 ひろしま」は、被爆建造物及び関連モニュメントなどを背景にして、ひろしまの人々のありのままを写し出すことで、あの日の記憶が「日常化」してしまっている現状を顕在化しようとする試みである。ひろしまの人々にとって、いかに原爆ドームであろうとも、それは日常の風景のひとつでしかない。まさしく、多くの被爆建造物などに囲まれている日常の中で、あの日の記憶は遠いものとなっているのではなかろうか。確かに、広島市街に点在する多くの被爆建造物などを映像化して残そうとする努力が絶え間なくなされている。しかし、公共のレベルと異なり、市民レベルにそれを置くならば、その被爆建造物及びモニュメントは、確実に「日常化」の中で、その存在理由が希薄になりつつある。(風化とは、公共レベルによる記録の有無やイベント開催の大小ではない。市民レベルにおける「日常化」という忘却こそ、本当の風化なのではないか。)私たちは1945年8月にささげられた膨大な命の犠牲の中で、「私たちの過ち」を知ることができた。ならば私たちはその犠牲となったひとつひとつの命のためにも、その「過ち」を決して忘れてはならない。この「過ち」を今日の私たちに示し、そして常に私たちに向けて警鐘を鳴らし続けている、あの被爆建造物及びモニュメントを、もし私たちが「日常化」という無自覚な世界に押しやるならば、それは、私たちが新たなる「過ち」を犯すのに等しい行為ではないだろうか。この写真を通して、私たちの心を見つめ直す、一つのきっかけとなることを望みつつ、ここに「過ぎ去りゆく時 ひろしま」~被爆建造物のいま~を発表する。
| 1962年 | 神奈川県生まれ |
|---|---|
| 1986年 | 同志社大学卒業、写真家児島昭雄氏に師事、新居高行写真事務所勤務 |
| 2008年 | 酒田市土門拳文化賞奨励賞受賞 |
| 2009年 | 日本カメラ2月号口絵に「囲人」掲載 現在 日本キリスト教団相武台教会(相模原市)牧師 |
| 1978年 | 個展「ふれあいを求めて」 川崎市民ギャラリー |
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| 2005年 | 個展「光と影の軌跡 60年目のひろしま」 新宿ニコンサロン |
| 2007年 | 個展「路上の賢人」 新宿ニコンサロン |
| 2008年 | グループ北斗展「今、そこに注ぐ視線」 新宿シリウス |
| 2009年 | 個展「囲人」 新宿エプサイト2 グループ北斗展「今、そこに注ぐ視線II」 新宿シリウス |
カラープリント 全紙 約50点
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