ひかり豆辞典
演色性とは
古来より、人は物の色を比較するときには太陽光の下で、物を並べて比較(比色)してきました。
照明として、たいまつやろうそく、白熱灯など色々な光を使ったりしてきましたが、太陽光の下で比較(比色)することを標準としていることには変わりはありません。
近年、蛍光灯だけでなくLED(Light(光を) Emitting(出す) Diode(ダイオード) 発光ダイオード)が、照明ランプとして採用されてきています。このような、新しい照明ランプも含めて、太陽光と比較して物を見たときに、色の見え方を表現する言葉が「演色性」であり、太陽光に似た色の見え方をする照明ランプを「演色性の良い(高い)ランプ」と言います。
※照明ランプの相関色温度が5000K以上の場合は太陽光(CIE昼光)との比較、相関色温度が5000K未満の場合は黒体放射との比較になります。
異なる光で色の見え方が変わる
家電品の販売店には、白熱電球や蛍光灯、LEDランプなど多くのランプが置かれています。蛍光灯やLEDランプには、「昼白色」や「電球色」などの色味を記載しています。
今回、演色性の良いD50蛍光灯、「昼白色」と書かれた蛍光灯、LEDランプを光らせてみました。
見た目は、「昼白色」ですので、どれも白色ですが、昼白色蛍光灯は相関色温度が少し高いこともあり青白く見えます。
3つの光源で測定
コニカミノルタ製の分光放射輝度計に照度アダプターを取り付けて、分光放射照度計として3つの光源を測定してみました。
下図のxy色度図で比べてみると近い色味になっており目視とあっていることがわかります。
xy色度図上の黒体軌跡
同じサンプルを異なる光源で検証
次に、生の牛肉にこの3つの光を照射してみるとどのように見えるのか検証していきましょう。
D50蛍光灯下では、見た目に近い色で肉と皿が見えますが、
昼白色蛍光灯下では色温度が少し高めということもあり、皿も含めて少し青白く見えます。LED電球下では、全体的に黒ずんだ印象に見えます。
※サンプル面での照度は3種共約1600ルクスで合わせております。
演色評価数で違いをわかりやすく
サンプルに異なる光を照射してみると、色が異なって見えます。この差異をランプ性能として表現するのが、演色評価数です。演色評価数は、15色の試験色がその照射光の下でどのように見えるかを表す指数です。評価したい光源と規定の基準光源との光の下での比較値で、数値が100の場合が最良の状態です。
※今回用いたLEDは演色性が低かったために黒ずんで見えますが、高演色性のLEDを用いた場合には、鮮やかに見えます。
コニカミノルタ製の分光放射輝度計に照度アダプターを取り付けて、分光放射照度計として測定した分光分布特性結果から、演色評価数を求めると次のようになりました。
※分光放射輝度計を制御するソフトウェアを使用すれば、簡単に算出することができます。
R9は赤色の評価ですが、3種の光源にて大きく数値が異なっていることが肉の色の見え方評価にも関連しております。