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明るくシャープかつ自然な瞬きを実現した、リアルで美しい星空を投映する最新光学式プラネタリウム
「コニカミノルタ インフィニウム L/S」を開発、販売開始
2004年8月3日
コニカミノルタプラネタリウム株式会社(社長:今井 裕司)は、光ファイバー技術・高輝度ランプと当社独自の機構により、明るくシャープかつ自然な瞬きを実現した、リアルで美しい星空を投映する最新光学式プラネタリウム、「コニカミノルタ インフィニウム L」 「コニカミノルタ インフィニウム S」を開発、販売を開始しました。
科学技術の発展により、20世紀末から今世紀にかけて宇宙に関する情報は飛躍的に増大しました。最近でも、ハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡などが捉えた遠い宇宙の鮮明な画像や、火星探査機や土星探査機などにより、次々と新しい情報がもたらされています。深刻化する環境問題とも関連して、地球や宇宙についての人々の関心が増すとともに、子どものみならず生涯学習をも含めた天文科学教育の場としてのプラネタリウムの重要性が高まっています。
一方、現代人の求める癒しの空間として、満天の星空を気軽に体験できるプラネタリウムの新たな価値も注目されつつあります。当社初の直営館として今年3月20日にオープンした「サンシャインスターライトドーム“満天”」(東京・池袋)でも、ゆったりと星空をお楽しみいただくことを主眼に置いた番組をご提供し、若者や女性を中心にたいへん多くのご来場をいただいています。
今回開発した「インフィニウム L」 「インフィニウム S」は、一球式宇宙型プラネタリウム※1として1985年の「科学万博-つくば’85」以来、高い評価を受けてきた「インフィニウム」シリーズに、最新技術を投入するとともに、お客様の必要とされる仕様を徹底的に検証し反映させた、光学式プラネタリウムです。
光ファイバー技術と高輝度ランプを採用することで、より明るくシャープで固有の色を忠実に再現した恒星の投映を可能にしました。天の川や星雲・星団についても、正確な位置データに基づいて恒星原板※2に直接加工することで、星の集まりとしての奥行きを感じていただけます。さらに当社独自の機構により、国内で初めて、ほとんど全ての恒星がランダムに瞬く星空を実現(インフィニウム Lのオプション)。まるで自然の中で眺めているような、リアルで美しい星空をご覧いただけます。
操作性についても、ユニバーサルデザイン採用のコンソールと新設計GUIにより飛躍的に向上しています。オペレータがその場で解説を行うプログラムでの手動操作時に欠かせないさまざまな操作を瞬時に行えるとともに、自動番組演出中の手動割り込み操作も可能です。さらに、ショートプログラムを選択していくだけでお客様の反応を反映させながら番組を進行できるセミオート機能も備えています。手動・自動ともに優れた操作性によって、オペレータの意志をサポートするインタラクティブな演出を実現しました。また、番組制作支援ソフトウェア(オプション)をご利用いただくことで、初心者や子どもでも番組づくりに参加することが可能です。
「インフィニウム L」の第一号機は、今年7月7日にリニューアルオープンした大阪市立科学館様(大阪市)に納入致しました(特別仕様機)。また、「インフィニウム S」 は、2005年度にディアンザ大学様(アメリカ・カリフォルニア州)に納入することが決定しています。
当社では、同機を大~中規模のプラネタリウム館に対して、番組やコンテンツも含めてご提供していく予定です。また、同機を始めとする光学式プラネタリウムに加え、デジタルプラネタリウムの「メディアグローブ」(小型ドーム用)、「スーパーメディアグローブ」(中型ドーム用)や、デジタルドーム映像機器および豊富なデジタルコンテンツなどの充実したラインナップにより、さまざまなニーズに対応していきます。
主な特長
1.独自の技術により、臨場感あふれるリアルで美しい星空を再現
光ファイバー技術と高輝度ランプにより、明るくシャープでリアルな星空を再現
光ファイバー導光レンズ投映方式※3と、光源として色温度※4の高いメタルハライドランプを採用。恒星の明るさの微妙な差や、固有の色調を忠実に再現し、自然に近いリアルな星空が投映できます。
光ファイバーにより光の利用効率を高めることで、より明るくシャープな恒星を投映。特にブライトスター(特に明るい恒星)については、従来以上に視直径が小さく明るい星像を表現しています。天の川、星雲・星団を星の集まりとしてリアルに再現
天の川、星雲・星団を正確な位置データに基づいて、精密レーザ技術により恒星原板※2に直接加工しています。約35万個(「インフィニウム S」は約25万個)のひとつひとつの星の集まりとして再現する天の川は、星空の奥行き感をリアルに感じていただけます。
ほとんどの恒星がランダムに瞬く星空を実現
当社独自の機構により、国内で初めて、ブライトスターだけでなくほとんど全ての恒星(天の川領域を除く全恒星)がランダムに瞬く星空を実現します(インフィニウム Lのオプション)。
2.オペレータの意志をサポートする優れた操作性
ユニバーサルデザイン採用の統合コンソールと新設計GUIにより、操作性が飛躍的に向上
あらゆる年代の方に、また、照明が暗い中でも使いやすいパネルレイアウト、大きめの文字表示や絵文字などを採用しています。また、Windows対応の新設計GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)採用により、操作性を飛躍的に向上させました。
オペレータの意志をサポートするインタラクティブな演出を実現
当日の星空を投映する、地図上をクリックすることでその地点の視点に移動させる、星座名選択でその星座を南中させるといった、手動操作時に欠かせない操作を瞬時に行うことができます。また、自動番組演出中に、番組を停止させることなく手動割り込み操作も可能です。
さらに、予め作成しておいたショートプログラムを選択していくだけで、お客様の反応を反映させながら番組を進行できるセミオート機能も備えています。手動・自動ともに優れた操作性によって、オペレータの意志をサポートするインタラクティブな演出を実現します。オプションとして、オペレータがコンソールを離れて遠隔操作できるリモコンシステムもご用意しています。コンソールから全ての周辺機器を操作可能
ネットワーク制御により、全ての周辺機器をコンソールから操作可能です。自動番組演出中はもちろん、手動・セミオート操作時にも、全天周デジタル映像システムや音響機器などを自在にコントロールできます。
初心者でも番組づくりが可能な番組制作支援ソフトウェア(オプション)
ドーム以外の場所でも自動演出プログラムの作成が可能な、番組制作支援ソフトウェアをご用意して、館独自の番組作りをサポートしています。コマンド入力不要の選択入力方式なので、初心者や子どもでも番組づくりに参加することが可能です。
3.信頼性・耐久性・保守性の向上
導入後10数年という長期間ご使用いただくプラネタリウム機器として、構造・部品・ソフトウェアなどあらゆる面で、信頼性・耐久性・保守性の向上を図っています。
- ※1
- 太陽系近傍の地球以外の任意の場所から天体の動きをシミュレートできるプラネタリウム。
- ※2
- 星の位置データおよび明るさに基づいて、金属蒸着されたガラスの板にレーザ加工で微細加工を施したもの。光源から発する光がその穴を通過し、レンズによって拡大されてドームに星が投映される。
- ※3
- 光源から光ファイバーにより光を導くシステムの恒星レンズ投映方式。ブライトスター(特に明るい恒星)は、1個の星に1本の光ファイバーを使い、それ以外の一般の恒星は、レーザ加工した恒星原板にファイバーの束で導いた光をあて、その透過光を投映する。
- ※4
- 黒体をどの温度に熱したときに発する色で定義される温度。単位はK°(ケルビン)。色温度が低いほど赤みがかった色に、高いほど青みがかった色になる。メタルハライドランプの色温度は6000K°で、太陽とほぼ同じ。
主な仕様
インフィニウム L | インフィニウム S | ||
---|---|---|---|
ドーム | 適合ドーム径 | 18~27m | 12~20m |
ドーム形状 | 水平/傾斜 | ||
恒星投映部 | 恒星投映方式 | 光ファイバー導光レンズ投映方式 1球12分割 | |
光源 | メタルハライド | ||
恒星数 | 15,000(7.0等星)~29,000個(7.6等星) 天の川エリアで約350,000個 |
12,800(6.8等星)~15,000個(7.0等星) 天の川エリアで約250,000個 |
|
色調再現 | 2.5等星まで(91個)の恒星の固有の色調を再現 | ||
ブライトスター | 23個 | 21個 | |
瞬き | ブライトスター、全恒星(オプション) | ブライトスター | |
星雲・星団 | 恒星の位置データに基づき恒星原板に特殊加工(24個) | ||
その他投映部 | 太陽・月・惑星の投映 | 太陽系近傍の任意の視点から見える動き、月の動きや満ち欠けを再現可 ズーム機構付 |
太陽系近傍の任意の視点から見える動き、月の動きや満ち欠けを再現可 |
投映可能天体 | 水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星、 フォボス、デイモス、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト、タイタン、 彗星、人工衛星、仮想天体 他 |
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制御部 | 演出 | 惑星・衛星・仮想天体上での恒星の日周運動など | |
自動制御 | 標準番組10万本分のデータ記憶可、任意位置での中断・途中再現可、手動割り込み可、自動復帰選択、自動・手動の並列操作可 | ||
手動制御 | 連動調光可(恒星・朝夕焼けなど)、当日の星空を即座に投映可、地図・星図ポインティング入力可 |
- ※
- 仕様につきましては予告なく変更する場合があります。
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- インフィニウム、メディアグローブは、コニカミノルタプラネタリウム株式会社の登録商標です。
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- その他記載の会社名及び商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標です。